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大盛りではありません

年に一度の健康診断。ぼくが勤める職場では、希望をすると、特別に人間ドックに行くとができる。45歳をすぎたあたりから、いろいろと体に変調も出てきたので、なるべく人間ドックに行くことにしている。

人間ドックで毎回恐怖なのが腹囲測定。お腹周りを測られて一定の値を超えると、全ての健康診断がら終わった後に、別室に呼び出されて、健康指導という名の叱咤が行われる。ここ数年、ぼくは常連になっている。

つまり、ここに呼ばれると言うことは、腹囲が一般の人より大きく、健康を害する可能性かあるくらいどちらかと言うと太り気味ということになる。最後に会計でお金を払おうとすると、「あ、まだ終わってませんねぇ。奥のお部屋に行ってください」と、今回も別室へ通される。

その部屋では、優しそうな保健師さんに「お酒の量」「運動の頻度」「油物の好き具合」「肥満改善にむけた心意気」などを聞かれたり、答えたりする。そして、また数ヶ月後に連絡するので、それまでに成果を出してくださいと、笑顔で念を押される。これは、なかなか傷つくわけだ。

「白いご飯を減らすのも、よいう方策ですよ」と言われて「はい、頑張ります」と頼りなく答えてみる。でも、こちらも、そろそろ真剣に体重を落とさなくちゃとは思っていたのだ。がんばろう。あと、3キロくらいおとせば、ギリギリ正常値に近づくらしい。

札幌の健康診断センターでひととおり健診を終え、併設のレストランで定食を頼む。コロナ対応で、ご飯のおかわりをやめている代わりに「大盛り」対応にできますと、張り紙がしてある。店員さにが親切に「大盛りにできますよ」と声をかけてくださる。健康指導を受けた後なので、もちろん「普通でお願いします」。

ところが、たぶん、店員さんのミスか、ぼくがあまりにも食べたそうな顔してるからなのか、あからさまなご飯大盛りが届く。「あ…」店員さんに間違いを指摘しようと声を出したが、聞こえなかったらしく、ぼくよ目の前には、大盛り定食が残った。そんなに、食べるように見えたのかな。

大盛りが来てしまったのに、半分残してしまうと、なんだか感じが悪いと思う。しかし、ここは、健康指導を受けた選ばれし者として、先ほどの保健師さんとの約束を果たさなくてはならない。しかたない、今回はご飯を残そう。思えば、昭和生まれの貧乏性。定食屋で出されたものを残したことがない。ごめんね、白ご飯。

そんなこんなで、いろいろと自尊心を傷つけられて、人間ドックの1日が終わった。

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