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リハビリ・フィーバー

1月、スキーの最中に転倒して骨折する。しかも、職場のスキー授業の下見だったため、同僚にその瞬間を目撃される。恥ずかしくて、穴があったら入りたい心境なのだけれど、もう穴なんて掘れない。もう、そんなコンディションじゃない。

最初は、靭帯が伸びたかなぁと思っていたのだが、お医者さんにいろいろレントゲンなどを撮ってもらった結果、左肩にうっすらヒビが入っていることが判明。全治3ヶ月。しばらく簡易固定をすることになった。

骨自体は順調に回復。2週間後にはめでたく固定具もとっていいことになった。しかし、なかなか左肩が伸びない。ずっと固定していたせいで筋肉や筋がいうことを聞かなくなったらしい。「数ヶ月リハビリに通うように」と、医師から指示される。

近くの町のある、最近開業した接骨院でリハビリを始める。接骨院にいくのは、いつぶりだろう。軽くマッサージをしてもらったり、電気治療器をかけてもらったくらいの記憶しかない。その程度の施術をしてもらうイメージしかなかったのだけれど、通い始めた接骨院のリハビリはとにかくハードだった。

まず、曲がらなくなった関節や筋肉は容赦なく伸ばされる。痛くないわけがない。「ぎゃー」とか「うへー」とか、最近出したことがない声を搾りだされる。「こんなに痛かったっけ?」とリハビリ歴を振り返るのだけれど、そんな記憶はない。

しかし、このとんでもなく痛いリハビリが終わると、今まで動かなかった筋肉や関節が、びっくりするくらい動きやすくなる。まったく上がらなかった腕が伸ばせるようになった。この先生、只者ではないと思うのだけれど、施術中の悲鳴は止まらない。

しかも、施術の最後近くに「癒着した皮と筋肉を剥がしますからねー」と、突然、患部を何度もつねられる。「まじか?!」というくらい、痛いし、こそばゆい。心から「やめてー!」と叫んでしまった。思わず「絶対、先生、面白がってやってますよね?!」と尋ねると、真剣な顔で「そんなわけないでしょ!」と即答された。

きっと、接骨院の技術もアップデートされたのであろう。もしかすると、最近はこんな感じなのかもしれない。しかし、それにしても痛い。やりすぎじゃないか?というくらい痛い。「これいつまで続くんですか?」と尋ねたところ、「よくなるまでです」と先生からの死刑宣告。

良薬は口に苦し?
良い施術というのもは、痛いものなのかもしれない。きっと仕方のないことなのだろう。

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