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布教が届かないのはなぜなのか?

私の趣味はアニメ鑑賞です。そしてここ数年は、好きになったアニメから派生した「現場」に通うことが多くなっています。

映画館の応援上映に通ったり、ライブに行ったりと、光る棒を振ることも、アニメ鑑賞と並ぶ趣味になりました。

最近、自分の中でめっっちゃ難しいな! と思っているのが、
「コンテンツの面白さを、別ジャンルの人に伝える」ことです。

2016年『KING OF PRISM(キンプリ)』応援上映の頃は、面白さが伝わりやすかったんです。Twitterでいろんな絵師さんが応援上映のレポートマンガを描いてくださって、それがリツイートされていくことで、アニメファンを中心に応援上映という新しい映画文化への理解が深まりました。

ここで私的にポイントを置いているのが、
「参加しない人も知ってくれる」ことです。
応援上映の時は、映画は静かに鑑賞したい人、光る棒を振る行為が楽しいと思わない人たちも、「ああ、新しい映画館での楽しみ方ができたんだな」と認知してくれました。

そして私自身もプロデューサーさんに取材して、コンテンツを成り立たせる手法について紹介したり、アニメ評のコラムを書いたりして、それらは多くの方に読んでいただけたということでした(編集さん談)。


■面白さを伝える布教がうまくいかない

ところが最近『D4DJ』というアニメ、ゲーム、ライブの総合コンテンツにハマってから、この面白さがなかなか伝わらないな、という気がしています。

「女の子4人で構成された各ユニットが、DJパフォーマンスで大きな大会を目指していく」
キャラクターと物語は王道なのに、なんで!? と思うのです。

これまで私はいろんな作品を推しては広める布教を繰り返してきました。
布教がきっかけで同人作家さんが商業デビューすることもありました(私の紹介ツイートが編集さんの目にとまって商業誌から声がかかったという流れ)。

私の趣味で、原稿が進まないときのストレス解消にもなっている「紹介」。
仕事も含めた紹介歴は長いのに、ここまで響かないのは何でだろう……!?

『D4DJ』自体が持っているポテンシャルはすごいんです!
毎週キャストさんによる無料のDJ配信が行われ、毎月ユニットのライブがあります。
5月には富士急ハイランドのコニファーフォレストで8千人の野外ライブがありました。今年は2日間開催です。

『D4DJ』の先輩コンテンツは『BanG Dream!(バンドリ!)』です。
キャラクターの声優とライブのパフォーマンスを担当するキャストさんが何人も『D4DJ』と兼任しているので、『バンドリ!』ファンの諸先輩方も『D4DJ』を推してくださっています。
そのおかげもあると思いますが、1年で大型ライブが開催できるくらい熱いファンがついたのはすごいと思いました。

■圧の強さはハードルの高さ!(自戒)

それで、私もこれは布教したいと思い、イベントや現場があるごとにTwitterで実況しているのですが、なかなか反応をもらえず……。

「こんなに充実したコンテンツでファンも熱いのに、なんで!?」
と、夫氏に問うたところ、
「そういうとこじゃない…?」
と返ってきました。

夫氏も『D4DJ』のファンなのですが、以下のハードルがあると言います。

・配信動画が「アーカイブなし」なので、金曜日の夜リアタイできないと見られない。
・ライブとイベントと動画とラジオが各ユニットごとに頻繁にあるので、情報を追うのが大変。
・ゲーム『グルミク』が、素早さを競うリズムゲームという難易度の高さ。
・「DJの面白さ」を言葉で伝えにくい(夫も私も、アニメ第1話を見たことで「DJとは何か」「DJライブの魅力」を理解したレベル)。

確かに「全部」網羅しようとすると、圧の強いファン、もしくはキャスト推しのファンになるよなあと思います。
『D4DJ』のライブやイベントの現場に行くと、羽田でも大阪でも渋谷でも、いつメン(いつものメンツ)とエンカ(エンカウント=遭遇)します。
「強いやつはだいたい友達」。それがキャストのファンなのかもしれません。

彼ら彼女らを見ていると、相当の努力をしています。
仕事や学校がハードワークでも、夜行バスに乗って朝には現地着(推し以外のことにはお金を節約)。
ライブで跳ぶ体力を維持するためにジム通いをしている。
推しの影響でDJの勉強を始める。
推しのラジオにはリスナーとしておたより投稿を欠かさない。

「ドルヲタ」という言葉から想像していたウェイなイメージとは異なり、非常に勤勉で努力家だということがわかりました。
(↓現場で痛バッグの連番をさせていただきました。みんなすごくたくさんの缶バッジをつけたカバン持ってます!)

でも、それゆえに「圧の強さはハードルの高さ!」という夫氏の発言も一理あるな、って思いました。
(今、「圧が強い」をGoogleで検索したら、「圧が強い人 疲れる」という検索候補が出てきました……)

■自担を追うのも時間がかかる

外側の理由として、私たちオタクが追うべき「コンテンツ」が激増したことがあります。
まずアニメ、ゲーム、小説やマンガなどの作品そのものの数が増えたこと。それに加えて、
今どきの作品はIPを多面的に展開をするので、動画、ラジオ、ライブ、舞台、コラボカフェなど「1作品内で追うべき媒体」も激増しているのです。

これは自分の推しコンテンツを追うだけで精一杯で、他人様からのおすすめまで手を出すことは難しいな、と思いました。

■布教は「量より気質」

考えてみたら、他人様からの布教が自分の心に響くのは、布教の“量の多さ”じゃないんです。
今、私はウマ娘同人作家さんのオリジナルキャラマンガ(説明むつかしいな)にハマってるんですが、それは友達が1回リツイートしたマンガを偶然見かけただけなんです。

これってどういうことなんだろう?

そのリツイートをした知人とはアニメやマンガの好みが似ているので、
「この人が好きなら、私も好きかも」というセンサーが働きやすいのはあります。

ありきたりかもしれない結論で恐縮です。
響く布教とはどういうものか。まだ明確な答えが出ていないんですよね……。(それがすぐわかれば公式の宣伝担当さんも苦労しない)

あと『D4DJ』に関して言えば、
「圧の強い人を楽しく周回させてマネタイズに繋げる」
ブシロードさんの手法がすごい
んです。
毎回進化していて、それを追うのも楽しみなんです!(これはCOMEMOで書くかも)

今日は「日々思ってることを短時間で書いてnoteに上げる」ことも目標なんで、ここまでにしておきます。

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