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『F1エンジニアを目指す人へ』F1で働くための方法、考え方、ヒント、経験…連載始めます。

こんにちは。わたぽんと言います。

この度、「F1のエンジニアに憧れる全ての人」へ、考え方やヒント、知りうる限りの本場:イギリスでの情報・経験をシェアしていくことにしました。F1…そう。世界最高峰のモータースポーツとも呼ばれる、あのF1です。

内容的にはエンジニア関連が中心になりますが、

・F1が好きな人
・F1が好きすぎてF1情報に飢えてる人
・F1病にかかって(エンジニアに限らず)F1で働きたいと思ってる人

も楽しめる内容にもなるかと思います。「F1で働く」マガジンに毎週日曜日に更新予定。どうぞ、よろしくお願いします。


「いやいや、あんた誰やねん?」
そう思う人も多いかと思うので、そろそろ自己紹介をかるく挟みますね。その後に想い、コンテンツ内容例、配信方針について。


自己紹介

名前:わたぽん
略歴:日本の高校→イギリスの大学→F1チームでインターン→なう

もう少しちゃんと:
この文を書き始めた現在、イギリス・サウサンプトン大学に在籍中。宇宙航空工学専攻。高校までは、日本で過ごしていました。ぼんやりと過ごしていたのですが、2011年、高校1年生の春のとある日に人生が変わりました。F1をテレビで見たのです。

それ以来F1に取りつかれてしまい、数か月後には自分もF1を目指すことを決意。理系だったこともあり、F1マシンを作るエンジニアを夢見るようになります。

その後全部ネットで調べ、「F1目指すならイギリスへ行くのが良い」という質問投稿サイトの回答を信じ、大学進学を機に渡英することにします。選んだのは、University of Southampton(サウサンプトン大学)。歴代最高のF1エンジニア・デザイナーと呼ばれているエイドリアン・ニューウェイ氏の卒業校でもあります。

渡英後は、色々あったものの、Formula Studentをベースに経験を積みます。2年目にはチームとしては前代未聞の、"英語がまともに喋れない"エアロ部門のリーダーに。しかしそこで結果を残し、翌年にはForce India Formula One Teamのエアロ部門にて1年インターンを獲得。現在はインターンを終え、最終学年として大学に戻ってきています。

(でも実は、大学卒業後はF1以外の道を考えてたりします。)



書き手の想い - なぜ書くのか?

なぜ突然、F1のことについて書こうと思ったのか?

理由は、恩送り。
自分がF1を目指してきた過程で受けてきた恩を、次の人達へ繋ぎたいからです。


高校生の時、僕もF1で働きたいと思いました。

どうやったらあんなにワクワクする世界で働くことができるのだろう?
F1チームで働けたら最高やん!

興奮と共に調べ始めたはいいものの、日本語で出てくる情報があまりにも少ない、古い、そして不確か。鳴かず飛ばずの三拍子。いや、情報が少しでもあるだけマシなのか? かと言って周りにはF1関係者どころか、モータースポーツ関係者、ひいては自動車業界関係者さえいません。誰にも相談できない。

それどころか、F1を見始めてから数か月で、F1を目指すことを決意した身。当時はF1についての知識も全然なかったし、学力としても並。得意なことも特にない。なのに想いだけは一流で、なんとしてでもF1で働きたいと思っていました。

だから、僕は尋常じゃないほど考えました。戦略的にF1を目指しました。どうしたらこんな自分でもF1に入り込めるか?
「最も早く、確実に、F1にたどり着くにはどうすればいいか?」

その結果、F1チームでの1年インターンまでたどり着きました。大学2年生修了後としてはまだイギリスでも数少ない、1年インターンの座。日本人としては、知る限り初めてです。F1就職をゴールと捉えるなら、その一歩手前まで来たと捉えてもらえればと思います。


しかし大学卒業後、僕はF1チームで働くつもりはありません。静かに去ろう。そう思っていました。

個人ブログ記事『F1じゃなくて、日本で就活してることについて

F1目指すのもういいや。
最初は個人の勝手な決断だったのですが、思い出したのはこれまでに受けてきた、たくさんの恩でした。高校では先生に助けられ、イギリスに行ってからもF1界の先輩方なんかにアドバイスをもらってきた。インターンを探していた時も、信じられないような助けをいただいた。もちろん、親のことも忘れちゃいけない。なのにそれらを全部無視して、静かに去ろうとする。まるで恩を仇で返すようなことを考えていたのです。でもF1に行かないと決めたので、F1で活躍するという形では、もうこれまで助けてもらった人に恩返しができない。

そう考えていた時に、僕の恩人の一人が、ポツリと話していたことを思い出しました。

「お返しなんていいよ。もし感謝の気持ちを感じているなら、その恩を次の人に繋いでください。」


恩送り。
これならできる。僕にできる恩送りは、これまで考えてきたこと、イギリスで実際に見てきたこと、感じたことを共有すること。必死に考え、戦略的にF1を目指してきた。イギリスでたくさんの失敗をし、学んできた。だからこそ、他の人にとってもそのノウハウや考え方が活かせるはず。F1で働きたい人にとって、参考になるはず。そう考え、書き出しました。ひいてはイギリスと日本の間での不要なF1情報格差を減らしたい。

これまでもF1やF1のエンジニアについて個人ブログやTwitterでちらほらと書いてきたことはあったけれど、全部一カ所にまとめたことはありません。Noteでは、まとめます。F1を目指す人のための、純粋でシンプルなNote。

ある意味、僕にとってもF1を目指してきた集大成として書いていきます。脳みそを振り絞って、F1を目指すにあたって伝えられる全てのことを捻り出す。そういう心意気。



コンテンツ例

・F1のエンジニアとは
・F1エンジニアとして活躍できる二つのタイプ
・なぜ日本のメーカーからF1を目指さないのか?
・日本人はF1エンジニアとして活躍しにくいのか?
・F1のエンジニアに求められる条件例
・エアロダイナミシストとエアロデザイナーの違い
・F1チームでインターンをする方法
・F1チームの面接に受かるための考え方
・F1を目指す学生ならめっちゃ重要な大学選び
・実際F1を目指してイギリス行く人ってどれくらいいるの?

等々。
思いつきで書き出しました。

ちなみに一つのチームだけについて掘り下げるような内容等は、扱いません。所属していたチームについては、話せないからです。あくまでF1全体として言えることを。それでもたくさんネタがあるんですから、驚きです。



当連載の方針

週一を基本に考えています(曜日未定)。とりあえず書き始めてから模索します。考えてばかりじゃなくて、行動する。これもF1を目指すなら重要なことです。(言い訳)


そして無料公開(予定)。

理由は単純。最も届いてほしい人が、学生であろうということからです。

F1で働きたい! 
そう思い立った人から質問やメッセージを受けることもあるのですが、その多くが中学生や高校生を含む学生でした。大学生ならまだしも、中学生や高校生からお金を取るのか? 有料にしたらむしろ中学生の手に届かないんじゃないか? そう考えてみると、有料化は理にかなわない。なので無料で進めていきます。僕が金銭的にショートしない限り。

この連載に対して、Noteのもう一つの機能:サポートをしてくださる方がいれば、とても嬉しいです。親に1000万円以上の借金をしてイギリスで夢追ってきて、そのお返しはちゃんとしないとなとも思っているので…。多分アゼルバイジャンに飛んでバクー市街地サーキットの普段の様子を撮ってレポすることに使いそうですけど…。(過去にシンガポール市街地サーキットを何もない7月にでかいバックパック背負って一周して、暑さで死にそうになったんですが。)
でもあなたが「F1を目指す学生」であれば、この連載にサポートなんてしてないで、するべきことをしてくださいね。そう願ってます。



始まりのまとめ

ここまで偉そうに書いてきましたが、簡潔に言うと、僕はF1で就職できていません。結局は「F1エンジニアになれなかった身」。なので僕のノウハウはある種、未完成です。

ここからの連載を通して描くことを、噛み砕き、自分のものにし、いつか本当にF1に手が届く若い人が増えていけばいいなと思います。イギリスとの無用な情報格差もなくなればいいなと思います。そうしたら、僕がF1を目指してきた意味も少しばかり社会のためになるし、このNoteも完成と言えそうですね。何年かかるか分からないけど、一緒に完成させるというのも面白いかもしれない。

ではでは、ちょっとばかし異色なF1情報を、ネット上にばらまいてみましょう。

It's light out and away we go!



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