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山肌が削られ、軟膏が塗られていた。

宅地造成に向けて、昨年の台風で折れた斜面の竹を処理する、ということで連日の様にチェーンソーの音が鳴り響いていたのがおよそ2週間前。以来、写真の状況から進捗はない。これで終わりなのかな?

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来年になったらこの華奢なコンクリと細いワイヤーを突き抜けて筍が出てくるだろうし、その頃には元どおり、ってことまで狙っての姿なんだろうかと思い巡らす。
鎌倉市の定める風致地区の斜面ですこれ。

「風致地区制度は、都市における良好な自然景観を保全し、自然と調和した緑豊かなまちづくりを目的としたものです。」と市のHPには説明されています。

自然と調和した緑豊かなまちづくりか。市長が許可を出したということなのだろうけれど、このフィニッシュをよしとして許可をだしたのならもはや条例は形骸化しているのでは。。。まぁ人の手の入らない山野が増えても市としても抱えきれないから、宅地開発して買い手がつくならそちらの方が良いという判断なのかもしれない。でも窓を開けたらこんな斜面が目の前にある、なんて造成地を誰が買いたいと思うのかな。いや、買う人はいるんだろう。僕の短い物差しでは測れない世界です。でも地代には本来的な風致地区としての価値が上乗せられているだろうから、なんというか。

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これは台風のあとに撮影した別の斜面。今回伐採された斜面は、斜面の背から風に煽られたので倒れ方がもっと激しかった。もちろん、そんな状態で放置されてよいわけではないし、景観を保つためだけに業者を入れるとなると予算も限られているのだろう。台風後の倒木処理に絡んでそれまで散々よそ様の土地の所有権まで主張していた人が掌を返した、なんて話も聞きますから外野がとやかく言っていい話ではないのは重々承知なのです。けれど。

花をいけるにあたって、鎌倉の自然に触発されることも多いですし、植物の生の姿、というとなんだか変ですが、人の手の入らないが故の力強さみたいなものに触れる機会をもらっている身として、何か解決策を見つけられないだろうかと思案する日々です。

ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。