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LAMPOON

イタリアのカルチャー誌、LAMPOON Magazineにて、インタビューしていただいた記事が掲載されました。

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著者は東南アジア系の女性。主に東アフリカで生産された花々が、花卉王国オランダを中継地として、欧米に流通する。推定645億ユーロにも達する切り花の巨大マーケットはひとつの地球汚染産業たりうる(花一輪あたり約3kgのCO2を排出すると彼女は言います)と知ったことに端を発し、

問題解決の緒を見つける道すがらで彼女はいけばなにたどり着いたのだそうです。そして僕が日頃インスタグラム で紹介しているさっぱりしたいけばなに何をか感じ入ってくれたようで編集者を通じて声をかけてくださいました。
いけばなの知識を踏まえた疑問と、どこか切花の商習慣への敵意のようなものが彼女の設問には含まれていたのですが、なるほどそういうことか、と全文がリリースされて合点がいきました。
僕が答えてないいけばなの歴史や側面についても言及されていることも随所に見てとれ、いけばなの文献も調べうることは読み込んだのだろうなぁ、と想像できます。この手のインタビューで、彼女ほどの深度でいけばなに踏み込んで聞かれたことは日本人を含めて初めてかもしれません。
そしてこれらに対する僕の回答が、今、世にあるいけばなを代表しうるものでないことは重々承知の上で、出来るかぎり自分が心がけているあれやこれをお話しさせていただきました。中には彼女の伝えたいメッセージにこちらのコメントが当て込まれていることもないわけではありませんが、ぎりぎり許容の範囲にも思え(そもそも英語のニュアンス的なものを僕は解しませんし、翻訳がどこまでそれらを拾ってくれているかも定かではありませんし)。

鎌倉の土地の恩恵に預かっているとはいえ、規模によっては、あるいは日頃のお稽古にあっては僕自身も切り花産業の恩恵に与っている身ですので、彼女のレポート部分は心に留めておきたいところです。

そういえば、先日台湾のShopping Desingにて”インスタグラム でフォローすべき7人の花藝大師(おそらくフローリストだとか花道家のこと)”としてピックアップしてもらいました(すごいリアクションをいただいてびっくり)。

このとき、アジアに偏りがみられるものの、世界的にも知られた他6名のフローリストに対して、一兵卒渡来だけが圧倒的に花材使用量が少ないことをして、インスタグラムのストーリーで僕のようなスタイルがこの先のニュースタンダードになると思いますか? と質問したところ、フォロワさんの回答は以下でまとまりました。

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YES59%:NO41%

興味深いのは、花を少なく使うことが新しいスタンダードにならない、と答えた41%の大半が日本人、残りもアジア系の方が占めていたこと。日本人にとってみればニュー、というほど目新しくはなく、ということなのかもしれませんが、ここら辺機会あるごとに探って行きたいと思います。

https://lampoonmagazine.com/culture-magazine/toru-watarai-ikebana-philosophy/
https://www.shoppingdesign.com.tw/post/view/5581


ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。