見出し画像

群馬支部練習日記(2001.12.08)

2001/12/8(晴れ)浜川運動公園
参加者( )内は新しくやったこと、名前の順は練習に来た順

松本(揺身法、滾手)
関口(揺身法、滾手、各種蹴りの受け)
片山(揺身法)
斉田(揺身法、滾手)
中田(滾手、小擭掩)
山岸(滾手)

そろそろ寒くなってきたが、天気が良いこともあって、ちょっと体を動かせば、直ぐに汗ばむ。
本日から基本功に新たなメニューを追加。先日の講習会で村松師兄からその重要性を教わってきたものだ。
この基本功、以前町田支部で張安福師兄に初めて会った時に指導を受けていたのだが、その時はそれほど重要なものとは思えなかったので、やっていなかっただけなのだが(^-^;
それが今回、村松師兄に新たに説明を受け、「こっこれはぁぁぁっっ!!!!」と衝撃を受けたのだ(当時のボクには猫に小判だったわけだ)。文章で説明するのは難しいが一応トライ!
両足を揃えて立ち、両手を下から背中に向けて振上げながら少し前傾する(つま先立ちになり背中を丸め、前に倒れてしまうくらい)。
その状態から膝の力を抜いてストンとしゃがみ両手は胸を抱くようにし、そこから腕を上に振り上げながら立ち上がる。
立ち上がる時になるべく膝を前方に出し、次いで太腿、腰を前に出すようにし、後はそのまま立ち上がるような感じで行うと自然と動作が繋がる。
この時、足から指先まで鞭が波打つようにウェーブを起こす。手は最終的には頭の上を通って背中を打つ。
横から見ると力が順番に伝わっていくのがよくわかる。(よくわかんないけど、気になる!って人は会った時にでも聞いて)
最初はゆっくり行うとわかりやすい。
ほとんど全ての技に通じる力の出し方を養成する基本功だと思う。名前は張師兄に聞かなかったのでわかんないんだけど、とりあえず「揺身法」と仮称する。(村松師兄から「名前がないと練習しずらいからシンジン(新井の中国語読み)何か考えてよ」と言われてつけた名前)
基本功が終わったら、五行掌単式。その後、活歩で劈、穿劈、三合炮を行う。
小休止して、対練タイム。今日は受け技をいろいろやろうと思っていた。
最初は蹴りの受け。今回行ったのは、学生時代に太気拳の友人に教わったもの。シンプルだが非常に使いやすい。
先ずは腹部辺りを狙ってくる前蹴りの受け技。両手をクッションのようにして、相手の蹴りの威力を吸収して、柔らかく受ける。慣れてきたら片手で受けたり、後ろに流したり、受けて直ぐ攻撃に転じたり、右左、左右と連続の蹴りを受けたりもする。
次は腕の外側を蹴りに差し込み、滑らせるように受ける受け方。前に出ながら受けると受けやすい。
あとは回し蹴り(ハイキック)の受け。基本的には最初にやった両手をクッションのように使う受け方で、それを横方向に使う。理想としては受けた後、相手の蹴り足を肘に乗せ、少し押しながら上げてやると相手は体制を崩しやすい。
それからローキック。出鼻を捉えて、膝を押さえつつ、胸を打つか、前足を上げて受ける。どうしても当たってしまうような時は、ビビッて腿の裏とかに当たるとダメージもでかいので、覚悟を決め、膝を踏ん張って腿前面横で受ける。脚を引ければ引く。
低い蹴りには、斧刃脚で出鼻をくじく。等々。
とりあえず、慣れないと話しにならないので、しばらくこれらを行う。ただハイキックとかだと蹴るほうが身体が硬くてうまく蹴れない、なんてことも(^-^;
ボクは昔は蹴りをよく使っていたのだが、太気の友人が蹴りの捌きがうまくて、蹴れば必ず自分が不利になった。ボクごときの蹴りでは、蹴りの処理が上手い人には通用しないことがよ~くわかったので、それ以来蹴りはあまり使わなくなった。出したとしても、斧刃脚か前蹴り程度。散手(自由組手の)で相手(蹴りをよく練習してる人)が蹴ってくると、自分は普段はあまり蹴りをやらないような人でも蹴りで対抗する(蹴りを蹴りで受けるのではなく、攻撃としての蹴りを出すという意味、蹴られて感情的になっている場合もあるように感じる)場面を何度か眼にしたことがあるが、蹴りが得意ならそれでもいいけれど、そうでないなら墓穴を掘るだけのような気がする。自分が蹴りを使わなくても、その処理はできるように準備しておいたほうが良いと思う。
次ぎ、滾手。「滾」は「ころがす」という意味。腕を捻って、相手の攻撃をころがすようにして受ける受け方。外回しも内回しもあるが、先ずは内回し(腕の内側を身体に向けるように捻る)。胸から顔の高さくらいの突きに使う。相手の突きの外側に避けつつ、滾手で流す。その後はいろいろなバリエーションがある。摔を上や下に打ったり、滾手してない方の手で脇腹を突いたり。一番良く練習するのは滾手した手を下に回し、そのまま相手の腕を制して、相手の体制を崩す方法。この時、常に相手の腕に圧力をかけていないと簡単に顔面を打たれてしまうので注意。
通背拳では相手の攻撃を上下左右中の五つに分類して、それぞれについて受け方を憶える。これを「五護」と言う。まぁ、実際には単純に五つには分けきれないで複数の要素が絡み合うこともあるが。ちなみに、上→穿(架)、下→截(劈)、左→掩(架)、右→滾(架)、中→縮。縮ってのは、腹を引いてヒットポイントをずらすこと。上下左右中は、高低里外中(里は内ってこと)と言い換えることもできる。
正直言って、ボク的には、左右の別、掩滾は、わかったようなわからないようなだが(^-^; 掩手と滾手は受け技としては難しい部類だと思う。そんな訳で滾手に少し多めに時間を割いて練習し、対練タイムは終わり。
次ぎ、套路。秘宗拳の小擭掩。中田さんは初めてだったので、いろいろと質問を受けた。その中で螳螂拳にも同名の套路があることを話したら、いつか螳螂拳もやってみたいと言う。それを聞いて、小擭掩は二起脚、旋風脚、掃腿などの割と蹴りが苦手な人にはキツイ技が出てくるので、そういう人には、代わりに螳螂拳の崩歩拳でも良いかなと思った。
竹影清風 わたる/新井 亘 2001.11.29

2023.12.24追記
微信(中国で一般的なLINEのようなアプリ)で張師兄と連絡が取れるようになったのでこの基本功(仮称:揺身法)の名前を聞いたところ、「名前はない。ただの発力のための鍛錬法で、腰、腹、臂の力を合わせる。」とのことでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?