ティファニーの思い出。

母は節目にティファニーのネックレスを贈ってくれた。

初めてのティファニーは大学生のとき。
次の年から実家を出ることが決まっていたとき。
ティファニーのオープンハートを贈ってくれた。
小さくてキラキラ輝いていて、とてもかわいかった。
デザインはもちろんだが、初めてのティファニーで、母がどんな想いで贈ってくれたか知っていたから、私にとってお守りだった。
なので毎日つけていた。毎日つけていたからこそ。
部活中は外しており、部活が終わって付け直した。
そのあとしばらくしてから、きちんとチェーンがひっかかっておらず、オープンハートがなくなっていることに気づいた。
来た道を2回往復したけれど見つからず。
その後飛行機の予定があったから、その場は去った。
それ以来見つかっていない。
それが母のくれた初めてのティファニー。

自分で稼げるようになったら、ティファニーのオープンハートを母とおそろいで買おうと決めた。
初任給をもらった日、ティファニーのオンラインショップをみてみた。
高い。
やっぱティファニー。すごくかわいいけれど、一つ一つが高い。
2つも買えないし、母の好きなピンクゴールドにしたいと思ってたいたけれど、さらに高かった。
その時はあきらめた。

けれど母から就職祝いでティファニーが贈られた。
2つ目のティファニー。
すごくかわいかった。今度こそなくなさないようにしようと思った。
今も大事に使っている。

そして母の還暦。ここは絶対ティファニーと決めていた。
店舗に出向いた。
やっぱり高い!
ちょっと背伸びしたお値段と母に似あうデザイン、そしてピンクゴールド。
お値段で一旦躊躇してしまったけれども、母の還暦はたったの1回。

これにします。

奮発して買った。
出してもらったミネラルウォーターを飲んで封してもらうのを待っている間、クレジットカードを持ってくるのを忘れたことに気づいたけれど、今の時代、バーコード決済でティファニーが買えちゃう。
チャリンと軽い音と共に決して可愛くないお値段が表示される。

ふぅ。買ったぞ。
ちょっと大人になった気分。

ティファニーはすごく母に似あっていた。
ずっと母を守ってください。

にしても落としたオープンハート、改めてお値段がずしんとくる。
ティファニー高いなぁ。

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