直腸癌と診断されて ー癌と診断された時ー
2024年3月1日(金) 9:00 病院入院受付をしていた。
それは、近所のクリニックで大腸の内視鏡検査を受け、癌が見つかったから。
すぐに大学病院に紹介してもらい、大学病院消化管・内分泌外科を受診。癌だと改めて診断を受けた。その日のうちに採血、造影剤を使ったCT撮影、X線撮影、内科受診、歯科検査を受けて入院が決まった。
直腸癌
これが私に診断された病名だった。
近所のクリニックで「癌」だと診断された時、死を間近に感じて怖かった。涙が止まらなかった。子どもたちの成長を見届けられない、子どもたちに寂しい思いをさせてしまう自分が情けなかった。これが夢ならどんなによかったか。一昨年は母、昨年は父、今年は、私。
それからどうしようもなく子どもたちに会いたくなった。私の可愛い子どもたちと少しでも一緒にいたいと思った。
刻一刻と過ぎていくうちに、たくさんの後悔が浮かんできた。
子どもたちに私の笑った顔をもっと見せたかった。
子どもたちの教育資金をもっと貯めておきたかった。
子どもたちの柔道をもっと見たかった。
スペインでもう一度Tatiからフラメンコを学びたかった。
スペインの舞台で踊りたかった。
私の踊りで、少しでも多くの人にその人の高ぶる感情を感じて欲しかった。
天国にいる両親・姉に私をとおして広い世界を見せたかった。
私が生きていた証を何か残したかった。
もっと早くに検査を受けておくべきだった。
・・・
死を目の前にして初めて自分の本音がはっきりした映像のように見えてきた。
あぁ、私が求めていたものはこれだったんだ。
でもまだすぐに死ぬとは限らない。
残された時間で何ができるだろうか。
そんな不安と恐怖と後悔の中、自分の状態と向き合う勇気がなく、この直腸癌について調べることができないまま、ただただ悲しみに暮れていた。
子どもたちを迎えに行く途中で見た、涙越しにぼんやりと遠くで沈んでいく夕日を私は決して忘れない。
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