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生活上のずる。

私はねずみを殺せない。ゴキブリとムカデまでは殺せるけれど、触感のリアリティを感じるともうダメだ。それは私のNGゾーンなのである…。自分の胸を圧迫するようなやるせなさに襲われるから。子供の頃に飼っていた鶏を絞める時と同じ感覚。自分の手を汚すリアリティ。

大人になったらお金を払えば、見たくないものは見ないことができるようになったし、役割分担すれば苦手なことは解消する。でも、本当にそれで私は納得しているのだろうか。

私にとって、それはずるなのだ。役割とかではなくて、ずるなのだ。そこにすごいうしろめたさが発生するんだもの。合理性とか効率的とか、私がやるべき仕事じゃないとか、正しいとか間違いとか、そうじゃない。

単なる私の性分の問題。自分の手を汚せる人が私は好きなだけなのである。ただただ、想像力の欠如が生み出すちぐはぐな世界が私は苦手なだけである。

実家での風景を思い出しながら、ねずみを殺せない自分にうしろめたさを感じている。やっぱり、それはずるなのだ。

2018年08月03日


「サウダーヂな夜」という変わったカフェバーで創刊された「週刊私自身」がいつの間にか私の代名詞。岡山でひっそりといつも自分のことばかり書いてます。