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ドイツ、怖くて行くことができなかったケルン大聖堂

20世紀の終わり近い頃の話。
ユーレイルユースパスでヨーロッパを西から東に向かい移動していた。
ポルトガル→スペイン→フランスを経てドイツに入国。

ケルンで下車して泊まるつもりだった。
有名なケルン大聖堂も見たかったからだ。

フランスからドイツに入国し、列車がいくつかの駅を通り過ぎた。

ある駅から男女二人連れの制服を着た若者が乗ってきた。
そして隣の車両から私が座っていた二等車両に移動してくる。

なぜか私に近づいてきて、急に立ち止まった。
あいさつの後、身分証らしきものを提示し、
「パスポートを見せて欲しい」と話しかけてくる。

パスポートをカバンから取り出そうとしていると、
「どこで降りるのか?」と尋ねてきた。

今だったら、「なぜ?」と聞き返すのだが、
この時、はじめての一人海外旅行。
かつ有名なベルリンの壁が崩壊してから数年しかたっていない頃だった。

映画や小説の読みすぎかもしれないけれど、
「この二人は警察関係者なのかもしれない・・・」
と思い込み、怖くなった。

今考えると、もしもこの二人が警察等の関係者なら、
こんな国境を越えてしばらくたった、微妙な駅で乗車してこないだろう。

しかし慣れない旅で焦っていた私は、そんなことに意識が向かなかった。
加えて小心者なので、
「もしも、ケルンで降りて面倒なことになったらどうしよう・・・」
完全にビビってしまった。

結局、宿泊先を予約していなかったこともあり、
ケルンで下車して宿泊するのをやめてハイデルベルグまで移動した。

結局ハイデルベルグに向かったのでケルンには寄らずじまい。
今考えると残念なことをしたかな。

それにしても私の話しかけてきた二人組はなんだったのかな。
謎は解けないままである。

その後、飛行機の乗り換え等でフランクフルトに行くことは何度かあったが、ケルンには立ち寄れていない。

いつか行く機会に恵まれるのかな。
まずはコロナ禍が発生する以前、気軽に海外旅行できる日が戻ってくることを強く願う。

※注意:冒頭の地図は、GoogleMapsから引用。

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