黒い水
水には色がある。
青、真っ青、エメラルドグリーン、赤潮の赤......
そして泥を含んだ土の茶色。
夜見る川の水は黒い。あたりまえだけど。
先週の台風は大量の雨、風がふいていた。数分間ごとになる警報、避難勧告。
豪雨のなか、近所のちっぽけな川を見に行った。橋の高さまで30センチしかない。
多分 氾濫しても大したことない、2階にいれば大丈夫、と こっそり見に来ていた近所の人たちと話し合う。
多分.......でも確証じゃない。「今まで大丈夫だったから」
いままでは。
今住んでいるところは ちょっと低い。もっと高台の母の友達の家に避難した。
結局 川はギリギリ氾濫することもなく、持ちこたえた。
あちこちで 巨大水たまりができたけど。鴨がスイスイ泳いでた。
そう彼らは関係ない。水があるから泳ぐ。それだけ。
でも 怖いのだ。いつかあの黒い水が寝てる私たちを取り囲むのではないかと。
1週間の今、おだやかに流れる川をみながら思う
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