急に組織風土改革とかDXとかの担当者に任命されちゃって、色々途方に暮れている人への一言
タイトル長っ!
って、今日はそんな人のために個人的な思いを書いちゃおうと思います。ただ、最初にお断りをしておきますが、みんなに当てはまるような汎用的な回答はありません。残念ながら、この手の問題に対しての「銀の弾丸」はないんです。
そんな残念なお知らせのある前提ではありますが、私も苦労して歩いてきた道を同じように、皆さんが歯を食いしばって歩むことなんてない!と思うんで、拙い私の経験ですが、できる限りシェアしたいと思います。
気合いを入れてみている方には申し訳ないのですが、こういった改革系のお話をするときには、これだけは絶対に覚えて欲しいことがあります。それは「改革は必ず失敗する」ということです。
ほんと、出鼻を挫くようでスイマセン。でも、これが私が経験した事実であり、そして、周りの人(改革実施者)に聞く限り、ほぼ全員が経験する事実と言っても過言ではありません。
ただ、諦めないで聞いて欲しいのは、「失敗は成功の反対語ではない」ということなんです。
何をいってるの?と思うことがあるかと思いますが、下のリンクのサムネイルを見れば一発でわかりますよね?
そう、失敗と成功はまるで分岐点のように感じるかもしれませんが、結局は失敗も成功も一本道に立つ通過点でしかない。ってことなんです。
つまり、数多くチャレンジし、その道の上でしか何かを成し得ることはない、ってことを肝に銘じておいてください。だから、一度の失敗でめげないようにお願いします。(お兄さんとの約束だよ!)
でもね、それでもネガティブなことを続けちゃいます。
皆さんは「変革」とか「改革」という「変わる」という言葉になんらかのシンパシーを覚えて、この活動に参加しているのですよね?
悲しいかな、人間って、基本的には「変化を好まない動物」なんです。これ、一応名称がついていて「現状維持バイアス」と、いうそうなんです。
まぁ、そんな難しい事を考えなくても、人間がサルから進化したとしても、文明を持ったのなんて高々4000年ですよ。4000年。そんな期間で、サルから急激に遺伝子が変わるわけがないんですよね。
そう考えると、基本的に現生人類にも野生本能というものは残っているのは当たり前。野生の本能として、チャレンジばかりしていたり、どこかに飛び込むばかりの人間ばかりだったら、そりゃ人類はとっくの父ちゃん、全員が海の中に落ちて絶滅しているはずです。
ただ、それとは逆に、現状維持ばかりで、まったくアフリカから出ずに、ボツワナあたりにとどまっていたら、それはそれで、ライオンみたいな肉食動物の餌食になって、絶滅していた事でしょう。
つまり、一定数の「変化人類」がいて、大多数の「現状維持人類」がいて、その複合体でとして、人類は生存領域を少しづつ広めていって、いまや地球の至る所に生活圏を拡大していった、、、という事なんだと思います。
このあたりはマーケティングの世界で研究されていて、「イノベーター理論」というのもので数字化されているようです。
変化を好むのは、全体の約2.5%
ほら、そう考えると、大多数の人が変わらない事を望む、ということが見えてきたでしょ?
そんでもって、その「変化の好まない人」にとって、あなたたち「変革!大好きな!」な人がどう見えているか?というと、ズバリ「変態」なんです。
おそらく、変革を推進したいあなたたちは「会社をもっと良くしたい!」と思って行動している事でしょう。そう、その想いは、変革をしたくない多くの人にとっても同じなんです。彼らもまた「会社をもっと良くしたい!」と思っているのです。
我々は変化を起こす事で「茹でガエル」から脱したいが、現状維持派は今まで通りコツコツとやることで、現状よりもより良くしたいと願っている。
つまりは手法が違うだけで、やりたい目的は一緒なんです。
ネットミームではよく話題に上がりますが「正義の反対は、また別の正義」というわけなんです。
なので、彼らからしたら「現状をコツコツと改善する事で、今よりより良くしようとしてるのに、いきなり変化ばかりを求めるんだ!」と思うわけ。そりゃもう、彼らの方が人数が多いのですから、我々変革派はもう悪の化身みたいなもんに映るわけですよ。
そう、この世の中に「絶対的な正義」とか「完全なる正解」なんてものは一切ないんです。。。
まだまだ追い討ちをかけるようでゴメンナサイ!
そんな「変化を好まない層」に対して、我々みたいな変革派はこう思います。
「この世の中の流れをみれば一目瞭然、今のままでは茹でガエルになっちゃうだろう!変革しなきゃ生き残れないじゃないか!」と、、、
でもね、変化を好まない人にとって、その我々の見ている「世の流れ」というのは、見えていない可能性が高かったりするんです。
例えば、コロナ禍で在宅勤務が当たり前になって、そのメリットもデメリットもわかるようになってきました。なので、先進的な会社ほど、「在宅勤務併用」で仕事をするようになってきた事でしょう。
でも、「変化を好まない層」が多い会社はどうでしょうか?おそらく、こんな発言をしていませんか?
「AmazonやFacebookの先端企業も出社前提に戻しているので、当社も出社前提にする!」みたいな、、、
そう、GAFAMと言われる先端企業はコロナ前からリモートワークを行なっており、そして様々な施策を取り行ったうえで、戦術として出社前提にしているのです。(しかも実態は毎日出社ではなく、週に○日出社しなさい、的な施策だったりする。)
そんな苦労もしてないし、在宅勤務のメリット・デメリットも理解していない日本企業が、出社前提にする事で生産性が向上するのでしょうか?
つまり、どんな人間でもそうですが、人は見たい情報しか見ないし、解釈したいようにしか解釈できないのです。(これもちゃんと名前が付いていて「確証性バイアス」と言われています。)
さぁ、ここまできたら、もう「会社の中で変革なんて無理だよ、、、」とお思いになる事でしょう。
変化を望む人は極少数派、それでいて大多数の人は変わりたくないし、むしろ変わることは悪と捉えている。そんでもって、情報をいくら入れたって見てくれない。。。なんだか無理ゲーに思えてきちゃいますよね。
でもね、安心して!「変わらないことが前提」ということさえわかっていれば、最初に戻って、「いっぱい失敗を繰り返す」ということで見えてくるものがあると思うんですよ〜。
最初に書いたように失敗は成功の反対語ではありません。成功に至る道筋の途中の通過ポイントでしかないんです!
と、色々書きましたが、実際の変革プロジェクトを行うとなると、各社各様、色々なやり方があります。そんでもって、もしかしたら「変革」なんて必要なく、「現状維持」こそが顧客価値向上には良かったりする場合もあります。
だって、会社が置かれている立場、構成する人員、会社の風土、何をとっても同じシチュエーションなんてないのですもの。。。だから、銀の弾丸は存在せず、試行錯誤でやってみるしかないのです!
では、自分の場合は何をやってきたか?というと、今までやってきたことはこちらに書き記してみました。(全社プロジェクトではなく、自部署の変革ストーリーですけどね)
あとは、推敲前で止まっちゃって、ブラッシュアップしてませんが、全社を変革しようとしたストーリーもまとめている最中です。
(これは鋼メンタルどころか、超合金メンタルな私だからこそできる荒技なので、全員が真似できるような代物ではない。と自認してます。なので、あんまり期待しないで待っていてね。)
さぁ、ここまで見てきましたが、変革を起こそう、と思っているあなた自身に立ち返ってみましょう。
あなたは何故、変革を求めるのですか?
会社からの指示だから?それとも、何かを成し遂げたいから?
ここで苦労した身として、一つだけアドバイスできるとしたらこの言葉です。
「あなたは変革を起こすことが目的ですか?それとも会社組織を良くしたいという事が目的ですか?」
酷な事を問いただすようですが、あなたが変革を起こして未来のために、と思っている組織は、本当に変革を求めているのでしょうか?
それ以上に、その組織を変革し、人類の歴史に残しておくことが本当に、世の為、人の為になるのでしょうか?
もしかしたら、あなたは「変革をしている自分」に酔うためだけに行なっているかもしれません。そう、「手段と目的」が入れ違ってしまって、会社を良くすること、ではなく、変革を起こすこと、が目的化してしまっていませんか?
、、、と、かなり言いすぎたかもしれません。でも、この問いを内なる自分に問いかけても尚、変革を進めるのであれば、それは本物です。そして、その企業は人類のために存続すべき企業なのでしょう!
張り切って、変革の「地獄のロード」へと歩みを進めましょう!
本当は、変革も変化もなく、ただ個々人が好きなように動いていれば、これほど楽なものはありません。
ただね、組織というものは人と人との集合体。決して「はい、仲良く終わりましたね」なんてことにはなりません。大変ですが、ずぅ〜〜〜〜っと、モヤモヤしながら、悩みながら、苦しみながらも前に進まないとなりません。
こればかりは「最終正解」なんてものはない、という事を頭の隅に置きながら、日々の活動に勤しんでください。
あ!そうそう、最後に大事な事を伝えるのを忘れていました。
「数十年後、新たな変革の波が来たとき、あなた自身が抵抗勢力と呼ばれない自信がありますか?」
そう、今の会社の礎を築いていただいたのは、紛れも無くあなたたちが「抵抗勢力」と呼ぶ方々が、過去に「変革」をして成し得たものかもしれません。
人はフェーズによって変わるもの。自分自身は変わり続けることができるのか?そこを幾つになっても、忘れないようにおねがいしますね〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?