飛び立つ鳩のように
前触れなく
喜びと車輪のような
雲に隠れていくその塔の頂点
数を数えるたびに一つ増え
必ず戻ってくる
蟹や貝
素足で踏みつけ
風は止まずに激しさを増す
乱れる髪を押さえて
笑う
顔は逆光でも青白い
男を見た
何も記入されていない
診断書のように
新鮮な気持ちで
世界を眺める
この海の向こうから
強い日差しに
負けぬよう目を細めた
電車が通り過ぎてから
学生服を少し崩して着る
1人の気持ちで


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?