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男はゴキブリである。レイプは魂の殺人であることに気がついた。

7月も半ばになり、真夏日が続くようになって、ただ外を歩いているだけで体力をごっそり持っていかれる時期になってしまった。
暑いのも気が滅入るが、個人的には虫が大嫌いなので、ゴキブリやムカデが出没するようになるのがとても嫌だ。
近所に田んぼがあるので虫の出現頻度はとても高い。
特に浴室は全裸になり無防備になるにも関わらず、虫の出現頻度が高いのだ。

そして、先程入浴をしようとしたらゴキブリが現れた

当然風呂場で全裸なので、武器は己の肉体のみである。へっぴり腰になりながら果敢にゴキブリを素手(右手)で鷲掴みにして握り潰して殺した。
勝利の先に待っていたものはなにもない。全裸のおじさんとゴキブリの死骸である。なんかぬるぬるしている。

右手に感じる不浄さが凄まじい。「穢れ」とはこのことである。
ゴキブリの死骸を外へ放り投げて、何度も何度も手を洗った。
しかし、「手が汚れている」という気持ちはどうしても無くならず、10回以上は高温の湯と石鹸で手を洗った。それでも不浄に感じられるので、右手を使わず頭と顔と身体を洗い、今も左手でこのテキストを書いている。

私はゴキブリが大嫌いなのだ。近くにいるだけで脅威に感じる。ましてや触ることなど汚らわしくて絶対に無理だ。なのに触って、あまつさえ潰してしまった。手が汚れきってしまった…。とにかくゴキブリのせいで右手が汚されてしまった…というような強い被害者意識が私の心を支配していた。

被害者意識に支配され高温の湯で手を洗っている最中、ふと近しい状況にある人のことが脳裏に浮かんだ。

レイプ被害者だ。

昔のドラマのシーンを思い出した。ある女性が、レイプをされた後に帰宅し、自宅のシャワーに向かい、温度設定を最高にして、身体が真っ赤になるまで熱湯シャワーを浴びて身を清めようとしているシーンだ。アカスリで身体をそれこそ血が出るくらいに削るように洗うというシーンだ。

そのシーンが思い起こされ、そのレイプ被害者はこのような気持ちで熱湯のシャワーで身を清めようとしていたのか…と思うに至った。
小さなゴキブリでさえこの有様なのだから、それが170cmくらいの大きさのゴキブリだとしたら…。
そしてそのゴキブリに身体をいいようにされてしまったとしたら…。
想像するだけで恐ろしいことこの上ない。

私は右手の魂を殺された。

そう。つまりレイプとなれば魂の殺人なのだ。男性諸君は考えてみて欲しい。自分と同サイズのゴキブリが自分の肛門に性器を入れてくるそのおぞましさを。

熱湯どころかガソリンを浴びて火をつけなければ、この穢れは決して落ちない。

女性の皆様方は、そんなゴキブリに襲われる恐怖を日頃感じているのかと思うと、同情を禁じえない。今までの差別的言動を悔い改めます…。
HELL JAPAN…。

だがちょっとまって欲しい。

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