見出し画像

英語総合運用力爆上げノート L.1

 私は、翻訳者・ライターとして30年間出版業界でお仕事をさせていただきながら、某大手英会話学校で10年間インストラクターをさせていただいておりました。資格試験関連では英検受験(2級~準1級)、TOEIC850点ターゲットコース、英会話中心では海外旅行で困らないためのクラスからスピーチやプレゼンをよどみなく行うためのコミュニケーション中心のクラスなどを担当していました。生徒さんたちの年齢層は高校生から60才代初めくらいの方々でした。

 なぜインストラクターになったのかというと、大学生時代から始まって、アメリカ本土とハワイ、そしてオーストラリアとニュージーランドと、英語圏の国々で10年以上の生活経験があったからです。これが翻訳者としてのキャリアにつながりました。さらにインタラクティブな形で活かしていきたいと思ったとき、英語インストラクターという方法論に行き着きました。ちなみに、持っている資格は34年前に取得したTOEIC930点と国連英検A級です。

 どんなコースのどんなレベルのクラスであっても、意識していたのは一人ひとりの生徒さんの「このレベルに達したい」「これができるようになりたい」という思いを的確に把握してそれを実現することでした。「オーダーメイドの学習カリキュラムを作ります」といったセールストークはネットでもよく見かけます。そのためには、まず明確なゴールの設定がとても大切であることを、私は経験から知っています。イメージはできるだけ具体的なほうがいいでしょう。

 もうひとつ、経験則から言わせていただくと、英語学習は筋トレのような感覚で取り組んでいただくのがよろしいということです。毎日ハードに追い込み続ける必要はありません。アクティブ・リラクゼーションも大切です。ただ、可能な限り毎日続ける意識を持っておくほうがベターです。しばらくはしんどかったりめんどくさかったりするでしょうが、続けているうちに、やらないことに違和感を覚えるようになるはずです。 

 「いいあんばい」という言葉がありますが、英語学習にはこの表現がまさにフィットすると思うのです。便宜上「英語学習」という言葉を使ってしまいましたが、本当は学習という言葉には大きな抵抗を感じます。どんな言葉がしっくり来るかなと考えて、やはり「トレーニング」だと思いました。なにごとに関しても、人にはそれぞれペースというものがあるので、それを守ってトレーニングをこなしていけばいいのです。

 英語には話す・聞く・書く・読むという4つの相があるわけですが、こちらに関しても人それぞれで、微妙なグラデーションを基にしたタイプに分けられるような気がします。日本人は読むと書くが優れていて、聞くと話すがやや苦手であるというステレオタイプ的なイメージについてもよくいわれますよね。4つの相についても、それぞれ話を展開していきます。

 効果的なトレーニング方法はありますが、どの相の力であっても、ごく短期間で運用力を爆上げする方法はほとんどないといっていいでしょう。まず意識すべきはスケジューリングです。スケジューリングには、リーズナブルなノルマが必要になります。ノルマという言葉の響きは攻撃的ですが、ここでは適度のトレーニングというニュアンスで認識しておいてください。

 このノートは、4つの相それぞれに対して最も効果的で効率的なトレーニングを考えるという方向性で展開してきます。順番は、ごく一般的なイメージで日本人が最も苦手としているとされる「話す」から始めたいと思います。

 「話す」相における運用力を上げるための具体的な提案に関しては、次回のノートから始まる正式なレッスンをお読みいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?