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VTuberにとって今のニコニコ動画は害悪でしかない

バーチャルYouTuberはその名の通り、メインの活動拠点はYouTubeなわけだが、中にはshowroomだったりTwitchだったりbiribiri動画だったりで活動している者もいる。

そんな中、niconico(≒ニコニコ動画)をメインに本格的に活動しているVTuberを見かけることはない。ほぼ0と言っても良いくらいに存在していない。

理由としては、
1.収益化できたとしても、収入額が低い
2.アクティブユーザー数が少なく、人気を得たとしても限界がある
3.VTuberに対する民度が他サービスに比べ圧倒的に悪い

などの理由が挙げられる。

特に1と2の理由については、ホロライブやにじさんじなどの大手は既にYouTubeでの活動土壌を得ており、圧倒的な収益額を稼いでいるため、そこより収入率が低いプラットフォームでの活動に需要を見出すことはまずないだろう。

だが、個人勢に関してはその限りではない。

大手VTuber事務所みたいなコネや経済力、広告力があるわけでもなく、自力で人気を勝ち取るにはそれ相応の能力と技術、才能が必要になってくる。

そのためにならあらゆるプラットフォームを駆使し、自身の知名度、人気度のアップのために四苦八苦しても良いはずだ。
その中にniconicoが選択肢として入っても良いはずである。

なによりニコ動には、
・検索機能が豊富かつ優秀であり、YouTubeより安定して人気を得れる
・クリエイター奨励プログラムによりある程度の収益が見込める

というメリットも少なからず存在している。

だが、それでもniconicoでの活動を行うという選択肢を取るVTuberは存在しない。それはなぜか。

その最大の理由は決して1や2ではない。
3の「VTuberに対する民度が他サービスに比べ圧倒的に悪い」ことが原因である。

具体的にどう悪いのか、単純に民度を見るのであれば、「コメント欄が荒れる」「Twitterでクソリプが多い」「リスナー同士の喧嘩が絶えない」などの内容が予想されるが、


最早ニコ動の民度の低さはそんなレベルでは無い


動画ランキングの「エンターテイメント」ジャンルを見たことがあるだろうか。興味のある方は覗いてみると良い。

さらりと眺めてみると、VTuberの切り抜きばかりが目立つようにも思える。
これは2018年中旬あたりからあまり変わっていない光景である。

問題は、その中に含まれるある特定の動画群である。

単純に配信の面白い部分を切り抜いただけの動画であるならばまだ平和的だ。
特筆すべきは、

VTuberに対する炎上案件を取り上げる動画

である。


最近(2020/08/02時点)だと、以下の動画がエンタメランキングの上位に食い込んできている。


本来、VTuberというものはアイドル性が大切であり、そもそもアイドルを自称しているグループも存在している。

そんな状態で、こういう「裏側」の状況をまじまじと見せつけられるのは、ファンの離脱につながる要因として十分である。

確かに炎上してしまった当人達も反省する必要はあるが、度を越したレベルの情報拡散、ましてや主観が入った情報・意見は望ましいものではない。

だが、本来であれば、ユーザーやファンにとってこういった炎上騒動は各VTuberの配信を普通に見続けているだけならば、概要だけ知ってあとは深く関与しないという状態が一般的である。触れたくないものには触れず、ずっとファンを続けるというのが正常な感性だろう。

しかし、ことniconicoにおいてはそうではない。

まずニコニコ動画の導線として一般的なのは「検索」と「ランキング」だろう。VTuber達がニコ動を本拠地として活動していないため、配信ではなく動画メインで探すのは当然である。

しかし、いざVTuber達の動画を探そうと思ったら、目についてくるのは切り抜き動画にまみれたランキングと、その中でひときわ異彩を放つ上記の炎上案件動画である。

慣れた人ならそういった動画はスルーするのが主だろう。しかし、おそらく慣れてないほとんどの人は1回はその内容を見てしまうはずである。まるで芸能人のスキャンダルを報じたネット記事や週刊誌に触れてしまうがごとく。

明るい話題より暗い話題の方が拡散しやすいと言われるように、人間の心理がそうさせてしまうのである。

そうなってしまうと、ニコ動を利用するユーザーのVTuberへの印象は最悪になると言っても過言ではない。
上記動画を見た楠栞桜を知らないユーザーは、果たしてプラスの意味で楠栞桜を好きになりリスナーと化すことはあるだろうか。おそらくほとんどのケースではそうならないだろう。

興味を持った人間がいたとしても、VTuberが求める「スパチャを投げてくれる」「メンバー登録してくれる」ようなユーザーは期待できない。
ゆえにVTuberにとって、ニコニコ動画を利用するメリットはほぼ皆無といっても過言ではない。


更に、ニコニコ大百科の民度は最悪中の最悪と言わざるを得ない。

以下の画像は、2020/07/31時点の大百科の急上昇ワードである。大手VTuberの2大炎上案件に関係するワードが立ち並ぶ。

キャプチャ

時期的に2つの炎上案件が重なったタイミングであるが、そもそもとして動画を含め、「炎上案件に関する話題が普通にランクインするWebサービス」という点で考えると、VTuber側からしたらたまったものではない。YouTubeでは決してこんなことは起こらないからだ。

各VTuberの個人記事のコメント欄は異常なレベルで荒れており、VTuberを批判する書き込み、最低なものだと平然と「中の人」の話題を出し、あることないことがひたすら書かれている。最早5ちゃんねるのアンチスレ以上に劣悪な環境と言わざるを得ない。

あまりにも大百科の民度が低いため、まともにVTuberの個人記事を作成・更新することができず、ホロライブ全員の記事が揃ったのはなんと4期生の登場から5か月後のことであった。普通に考えれば、デビュー当日中に作成されてもおかしくないはずである(実際pixiv大百科はほぼデビュー当日に作成されている)。

これは決してサービスそのものが悪いわけでは無く、そのサービスを利用するユーザーの民度が最悪であることにほかならない。ニコニコ動画とニコニコ大百科はそういったVTuberアンチに都合よく利用されていることになる。

しかしながら、事実としてそのサービスを炎上事件の情報拡散に利用されていることは否定しようのない真実であり、現在もVTuber達のイメージは動画と大百科記事によって汚され続けている。

これはそういった炎上案件を扱う勢にとって、ニコ動とニコ百は非常に都合の良いシステムをしているからに他ならない。

そんな実態のまま放置され、錯綜した情報が5ちゃんねるやTwitterを経由し拡散され続けているとなると、niconicoが最もVTuberのイメージダウンを行っているWebサービスとして認識されていてもおかしくはない。

なので、niconicoの運営がもし心からVTuberがniconicoで安心して活動できることを望むのであれば、今すぐにでもニコ動とニコ百に対して対策を講じるべきである。

しかし、こういった状況は2019年頃から何も変わらず、ずっとVTuberの炎上案件を拡散し続けている。

キズナアイ、アイドル部、ホロライブやにじさんじの炎上騒動も、niconicoから情報を得たユーザーは多いことだろう。内容を誤って理解したユーザーもいるはずだ。

そんなWebサービスを、VTuber達は果たして快く利用してくれるだろうか。

しかし、こんな状態でありながらも、ビジネス的な付き合いや趣味の範囲で関わってくれているVTuberも少なからずおり、ニコ生への主演やチャンネルを持つVTuberグループも存在している。

現状のまま放置は、確実にそういったVTuber達への裏切り行為となっている。


niconicoの運営は、この事実を重く受け止めるべきだ。

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