あの頃を、もう一度
小学校の頃はたった10分の休み時間でもボールを持ってグランドに駆け出した。
学校から帰るとボールや遊戯王、PSPを持ち寄って遊んだ。おはじきやビー玉、火薬銃なんかも好きだった。
何をするかなんて決めていない。ケータイなんてなくても校区内のどこかの公園に居るだろう。そうして友達がみんな集まってきた。
中学に上がるとみんなコンビニにたむろして寒がりながらおでんを食べてタバコを吸っていた。
「久々に本気でドッヂボールやろや。」
途中でタバコを吸う為にわざとボールに当たって離脱する奴が何人かいた。
そこからゆっくりと時間を掛けて朽ちて行く様を見届けるしかないのか。
諦めなかった。何度も何度も。
友達の中で僕の意思に賛同してくれていた奴と二人で子供の頃に遊んだ公園のベンチに腰掛けた。
その時、その友達が言った
「暇やな。帰る?」
わかっていたよ、何をしても延命にしかならないと。
だけどもうそれすらも限界が来ていた。
あいつは結婚、あいつは仕事、あいつは薬と家と刑務所から抜け出せない、あいつはクラブ、あいつは風俗、あいつはゴルフ、あいつは地方、あいつは音信不通、、、。
もうやりきったかな、やりきったのか。
広くなった公園のベンチに仰向けで寝転がって目を閉じた。
疲れた。
最後にもう一度だけ、
全員で遊びたかったなぁ。
はぁ、、、、。
スゥッ、、。
「も〜いいか〜い」
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