50代でも自分らしくいられる服を探して

こんばんは。Kateです。
ジャズピアニストの小曽根真さんには、サックスプレイヤーの弟さんがおいでだったなんて。長くファンなのに知りませんでした…。ごきょうだいで素敵なデュオアルバムを出されているのですね。

私は大学生の頃にロンドンを訪れてヴィンテージ古着の虜になりました。その後、30代の頃に東京でいくつかのイギリス古着屋に夫婦で通い、自分たちの好きな服の大枠が決まった感じがしていました。

それは、トラッドをベースにしながら、どこか少しエッジが効いていて飽きがこない、定番的な服です。

しかしながら、40代に差し掛かる頃から、以前よりも古着が似合わなくなってきたことに薄々気づき始めました。古着と同時に通うのを楽しんでいた、とあるイギリス風デザインのブランドも、惜しまれつつ終了してしまったため、どこで自分寄りの服を選んでいいのか完全なる迷子になってしまいました。

古着や以前好きだった服が、年とともに似合わなくなるのは何故なのか?それは、体型の変化や顔のハリツヤの減少、髪もコシが減り私などグレイヘアでもあるし、そのような見た目の「レトロ化」と服がバランスを保てなくなったのでしょう。

では、これからどんな服が私にとって心地よく、似合う服なのでしょうか。

折しもコロナ禍で太ってしまった私は、かつての服の大半が着られなくなってしまいました。九州引越しをきっかけに、ショップをあちこち駆け回り、本を貪り読み、1年以上かけてようやく今の自分の指針のようなものが見えてきました。

シンプルで定番的な、本来自分が好きだったスタイルの服というのは変わらず、でもいっそう上質な素材を使ったもの。体のラインを程よく隠しつつ、ダボっとなりすぎないで自分らしいラインを出してくれる服。できたらどこか一箇所くらい、ポイントになるこだわりのデザインを。地味すぎる色は避けて、できるだけ華やかに見える色をメインに・あるいは小物使いで差し色に、というのが、新しい自分の好きなスタイルのポイントです。

若い自分がロンドンで好んでしていた服装は、グラフィックTシャツ、デニム、ラムウールセーターにスニーカー。その後30代でシャツの楽しみを知りました。50代になっても、結局これらを着られれば私は十分ハッピーなのです。ならば、出来るだけ素材や仕立ての良いものを選び、そこに今の気分のアクセサリーやスカーフ、靴下、バッグなどを合わせれば、懐かしの学生スタイルが50代でも十分似合うスタイルになる、と発見できました。

50代ともなると、同級生たちもいろんな人生を経てきて、似合う服とひとくちに言っても本当に個々人によりけり。なのに、50代に似合う服の教科書になるような雑誌やネット上の情報はなかなかありません。そもそも、年齢であるべき服装を定義することがナンセンスなように思えてきました。

ただ言えることは、年齢を重ねてより自分らしさが分かってきたこと、自分なりに「良いもの」が分かってきたことを踏まえて、若かった頃よりも似合う服装をグッと絞ることが可能になったなということです。これは服装に限らず、生活全般に言えること。50代という年齢においては、今後自分はどういう風に過ごしていきたいか、自分の「好き」を見つめ直しそれに特化すべく、これまでのスタイルを見直す格好の時期だと思います。

もちろん、年を経て急に似合うようになるものだってあるから、長生きは楽しいもの。例えば、本革のバッグだったり、ハイブランドのスカーフ、高価なジュエリーなど。若い頃は雰囲気が重すぎるなって敬遠していたものが、ホンモノが似合う年齢になって手にして鏡を見ると、あらら不思議。これまで苦手にしていたアイテムが急に、バシッと決まったり。お母様や親戚から受け継いだものや借りものが、急に日の目を見ることだってあるのです。

人生は一度きり。もっと自分の「好き」に貪欲でいいんです。

年を取るというのは、さまざまな経験を経て自分の中で「好き」が凝縮されること。とても豊かなことだなあと思います。「あの頃は良かったな」と懐古するだけでなく、新しいことへの興味を常に持ちつつ、これまでの自分と現代様式のちょうどいいバランスを見極めるというのが、心地よいファッションだったり暮らしに繋がるなと最近、思っています。人は誰しも、今を生きているのですから。

今回ロンドンに出張した折に、またカッコいい同年代の女性たちを観察したいなあと思っていたのですが、風邪に倒れ叶いませんでしたので、また近いうちに渡欧を果たしたいと思っています。

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