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久しぶりに機材の話し:単焦点望遠スナップという新しい作風

いまメインSNSが完全に「Threads」になっている。
最近は写真を撮る人/撮られる人ばかりでなく、絵を描く人も増えてきてうれしい。
絵を描く人って“いたずら描き”と称して、すらすらってアップしているのが、本当にうらやましい。
文章や写真、時々映像といった、必ず編集が入る表現をしていた自分にとっては、音楽や演劇、速描きといった即興的な表現に憧れる。
写真家にとっての即興性が強いエスキースといえば、ストリートスナップだし、自撮りだし、物撮りかもしれないと思った。

最近、郡司ペギオ幸夫『創造性はどこからやってくるか--天然表現の世界』の読書会が元となった、メディアアートの先生が中心の芸術家の互助会/ゼミに参加している。
参加の目標を一応、「個展」と宣言した。
一応という保留付きにしたのは、モノクロHDR写真で展示してもなぁ、と思っているからだ。
ということで、個展への道として「新しい作風」の模索をしている。
新しいとはいえ、この15年間、試しては辞めたものがいっぱいある。
三脚を家に置き、ストラップを腕に巻いたストリートスナップを、もう一度、やってみようと思ってる。

いままで、ご存じのように シグマdp0 換算21mmの超広角カメラを三脚にすえて、都市やサクラ、河川といった風景が主で人物は従のモノクロ写真を撮っていた。
昨年からやっているのは、オリンパスOMD EM1 mk2に換算50mmレンズを使って、例えば駅のホームの向かい側、橋の上から真下へ、などから、すれ違う人をメインに撮っている。
最初は明るくて軽い単焦点標準レンズを使っていたが、どうしても距離が遠いので、標準ズームレンズに変えた。
しかし、それでもテレ端の換算80mmでは足りなくなってきて、もっと長いレンズが欲しくなってきた。
ということで買ったのが『シグマ60mm f2.8 DN』だった。
あと一万円出せば『シグマ56mm F1.4 DC DN』や『オリンパスM.Zuiko D ED60mm F2.8 Macro』といったレンズもあったのだが、ノームコア好きの保坂としては、あえて60mm f2.8 DNを選ぶこととなった
換算120mmの望遠単焦点レンズなんて、人生で初めて使った。
さすがはシグマさん、小さい、軽い、合焦速い、色ツヤがのる。
ストリートスナップもしやすかった。
トップの写真などが、そのスナップである。

《写真》という表現の特性として、「カメラ」という画材の依存度が高い、というのがある。
依存が高いと言うことは、自由な部分が減ることでもあるから、即興的な表現がしにくいなど、非常に不便なことかもしれない。
しかしながら、ある種のルールを決まってしまうことは、拡散してしまう創造性や移り気なこころ、自我をつなぎ止める働きをする、気がする。
例えば「三脚」を使うことは不自由だ。アングルが制限される。
ところが制限こそが、撮りやすさ、につながる。
今回の制限は「望遠単焦点レンズ」だ。
広角レンズのように、ノーファインダーで撮るわけにはいかない。
その分、スナップがしやすくなった。
これで作風も大きく変わるだろう。
どうまとめるかはこれからだが、どこからか外部からやってくる創造性の新しい取り込み口を開拓できそうだ。

どっとはらい。
2024/02/10 1:20

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