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君のためなら死ねる


 皆さん、こんにちは。愛と誠と木賃ふくよし(芸名)です。
 ええと。なんか、宅八郎氏が亡くなられたとかいう話が、Twitter上でまことしやかに流れている。
 まあ、Twitterなんてデマばかりなのに、大体こーゆー話だけは事実だったりするものだ。とりあえず事実として受け止めておこう。

 先に言っておくと、ワタクシはこの宅八郎氏にこれと言った思い入れはない。強いて言うと、元プロボクサーフライ級王者たこ八郎氏の死を小馬鹿にしている気がしたのが、気に入らなかったぐらいだ。なので嫌い側?

 氏は当時最もショッキングだった事件のひとつ「宮崎勤」(連続幼女誘拐殺人事件)で白日の下に晒された「おたく」を演出してTVに現れた。おそらくそれが世間の認識だろう。

 良い意味でも悪い意味でも、「おたく」を太陽の下に引き摺り出した訳だ。

 繰り返すが、ワタクシは彼に対して、これと言う感情を持ち合わせていない。そもそもあまりTVは好きじゃなかったし、タレントがTVの前でキャラクタを作って演じるなんてのは、宅八郎氏に始まった事ではないだろう。漫画のキャラクタなんかがわかりやすい。キャラ立てはハッキリさせた方が良いのだ。
 郷ひろみや井森美幸はカメラの外では大人しいと聞く。松岡修造も普段は紳士らしい。おそらくそんなもんだ。だから、宅八郎(という白々しい芸名がそう思わせたのか)は必ずしも「おたく」ではないのだろう、としか思わなかったのだ。

 その氏が亡くなられた言う。
 表舞台から姿を消して随分経つ。そもそもTVを観ないので、そう言えばいたなあ、という印象である。それ以上の感慨はない。
 だが、Twitte上では、割と荒れていて驚いたのである。

 無論、彼の死を悼む声は沢山ある。が、それ以上に「コイツのせいでオタクのイメージが悪くなった」という声が大きかったのだ。数の話ではなく、語調の強さ的に。

 待て。

 おかしいぞ、ソレは。


 おたくのイメージを悪くしたのは宮崎勤だろ。
 てか、そもそも宮崎勤は膨大なビデオコレクションを所蔵していたとされるが、そのジャンルは多岐に渡り、アニメやスプラッター映画はごく一部に過ぎなかったらしい。
 つまり、それを「おたく」として報道したマスコミがイメージを植え付けた訳だ。まあ、ビデオおたくではあったかも知れないが。

 ただ、コレだけは言っておくと、

 宮崎勤より前から、おたくは気味悪がられてたし、宅八郎がおたくのステロタイプを具現化したが、宅八郎より前からそんなおたくは山ほどいたし、「電車男」あたりで「脱オタク」が流行するまで、あのタイプのオタクはむしろ多数派だったと思う。

 言い方は悪いが「電車男」ブームが「オタク」=「純粋」のイメージを与え、ようやく濾過してくれたと言うところだろう。まあ、ワタクシはオタクが純粋とか微塵も思わないけど。

 で。この電車男より前に「おたく」像である「宅八郎」を白日の下に晒したのが「とんねるず」や「たけし」の番組だった訳だ。

 ワタクシはどちらかと言うと、この「とんねるず」が苦手なのだ。下ネタの多さと、他人を侮蔑するような笑いが多いからである。彼らの番組では「おたく」や「ゲイ」「新興宗教」などが馬鹿にされてきた。
 ふむ。

 彼らの笑いのスタイルは嫌いだが、よくよく考えてみると、それまで気味悪がられていた「ゲイ」や「おたく」「新興宗教」を表舞台に引き摺り出している。
 新興宗教は宮崎勤以上に強烈な事件があったから置いておくとして、今はゲイもオタクも、随分と市民権を得た。

 ひょっとすると、隠れている日陰の存在とは、認められるために一度、大衆の前に晒して石を投げられる必要があるのかも知れない。
 誰かが石を投げられ続け、大怪我をして、「やめろ! 彼らも人間だ!」というエレファントマン的な儀式が必要なのだろうか。

 その、日陰のエレファントマン達が「晒されて石を投げられるぐらいなら、市民権などいらない」と思っているかどうかは別の話だ。

 まあ、誰かが宅八郎氏が好きだろうと嫌いだろうとワタクシには関係がない。彼の死さえも。
 ただ、宅八郎がステロタイプな「おたく」として登場したから「オタク」である我々がイジメられたのだ!ってな主張は、いささか歪曲が過ぎるし、そーゆー責任転嫁をしちゃうぐらい歪んでるから、


 そもそも
 嫌われてた
 のでは?



 と思ってしまうのである。
 むしろワタクシは、「おたく」はオタク趣味を理解できない人種を心の底では馬鹿にしてたし、青白いヒョロヒョロな体型やオタク的ファッションにこだわりがあったとさえ思っている。

 そもそもワタクシゃ、ステロタイプな「おたく」を生んだのは、



 「愛と誠」の
 「岩清水」だと
  思うんだよな。




 ※ 「愛と誠」という漫画に出てくる「岩清水」 というキャラクタ。脇役ながら、終始ヒロインを想い続けるインテリ。ヒロインからも「眼鏡をかけて青白いけど男らしいわ!」と評されている。
 喧嘩にめっぽう強い主人公と違い、基本的に喧嘩にはからっきしだが、事あるたびに「君のためなら死ねる!」と身を呈してヒロインを守る。ある意味では主人公やヒロインよりもインパクトが強く、各所でパロディのネタにされた。詳しくは自分でググれ。



 とりあえず、死人に鞭打つのは好きじゃないので、そこんトコだけハッキリさせつつ、ご冥福をお祈りいたします。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、君のためなら死ねる!とまでは行かなくても、100円ぐらいの投げ銭なら出来る!って人は投げ銭とかサポートをお願いします。
 なお、この先には、宅八郎なんかよりも先に「おたくってこんな感じだったし、それが憧れだったし、周囲はキモいと思ってた」っていう証拠のCMへのリンクしかありません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。