皆さん、こんにちは。肉の中では鴨が好き。木賃ふくよし(芸名)です。

　すーずーめーの学校はー、みーずーのー中ー♪

　あれ？ めだかだっけ？

　はい。書き出すまでリアルに間違えてました。すずめの学校ってどんなだっけ？

　さて。コロナ騒ぎで経営していたバーを廃業し、都落ちしたワタクシですが、今現在は伏見稲荷という場所に引っ越しました。

　家賃が安いから。

　ええ。伏見稲荷と言えば、お稲荷さんです。いわゆる、いなり寿司、きつねうどんなどが名物。あと、日本酒も有名なのですが、それはどっちかと言うと伏見桃山の方ですね。

　そしてもうひとつ。伏見の名物と言えば、コレ。

　すずめ。

　そう。スズメの焼き鳥が有名なのである。ワタクシは鳥獣、いわゆるジビエに目がない方なので、スズメはこれまでに何度か食べている。多分４～５回。

　ぶっちゃけ、特別に美味いとは思っていない。

　決して不味くはないのだが、

　・身が少ない。
　・骨が多い。

　という点はどうしてもマイナスだろう。そして、

　・タレ焼きの味しかしない。
　・値段は安くない。

　という事も考慮したい。また、身が小さいのでアタマからバリバリ食う訳ですが、脳味噌が苦手な人は多そう(ワタクシは平気なのですが)、あと、食ってたら中から米粒が出てきた事があって、それはちょっと萎えた。
　そんな感じで、めちゃくちゃ美味い！ってモノではないと言うのが、ワタクシの正直に感想だ。
　しかし、一時期は中国からの輸入品に頼っていたスズメも、輸入できなくなり、現在は国内産が主流。更にスズメ猟をする猟師もいなくなっているらしく、このままだといずれ食べられなくなってしまうとか。
　そんな訳なので、せっかく伏見にいるんだし、高いけどスズメの一羽ぐらい食っておかなきゃ。

　てな訳で、食った。

　感想は特に変わらない。
　決して悪くはないが、前述の通りだし、ウズラの方が好みだ。せめて、もう少しプレーンな味なら評価も変わるのだろうが、タレ焼きでタレの味しかしないのはもったいない。身だけを外して、つみれとかにして食べてみたいものだ。

　で。それはともかく、ワタクシがスズメを食ってると、店の前で観光客と思われる女子大生ぐらいの女子が２人、店の大将と思われる初老の男と話していた。

　(๑❛ᴗ❛๑) 「かわい…」

　( ´-`) 「はっはっはー。スズメの串焼き、かわいいでしょー！？」

　(๑❛ᴗ❛๑) 「いえ、かわいそう…」

　( ´-`) 「えええっ！？ かわいそう！？ ワタシら美味しそうとしか思いませんわー。お嬢さんたち、ニワトリ食べませんかー！？ 牛や豚も食べるでしょー？」

　(๑❛ᴗ❛๑) 「いえ、食べますけど、姿を丸ごとは何だか…」

　( ´-`) 「ええええええっ！？ お嬢さん、メザシとか丸ごと焼いて食べませんかー！？」

　今時の若い女子がメザシを食ってるイメージはないけどな。せめてシシャモにしてやれ。

　(๑❛ᴗ❛๑) 「確かに、それは、まあ、そうなんですけど、、、」

　੧(❛□❛✿) 「アタシ、食べてみたい！ １串ください！」

　( ´-`) 「はい。まいどありー！！」

　と、そこでもう一人がスズメを買い、やり取りはそれで終了した。察するに、女子２人のうちの１人がスズメにチャレンジしたい、もう１人が尻込みしてる、で食べたい食べたくない、グロいとかカワイソウとか、買うの買わないののやり取りを店先でやってたので、大将が店前に出てきて話しかけた、という雰囲気だろうか。

　そこで気になったのは、店の大将である。

　ものすごい芝居掛かった喋り方なのだ。
　落語かな、ってぐらいに抑揚をつけて話している。ジャパネットたかた的なセールストークだ。しかし、何が気になったのかと言うと、言葉とは裏腹な、
　

　( ´-`)

　無表情である。

　( ´-`) 「はっはっはー。かわいいでしょー！？」

　全く感情の入ってない顔。
　店先にスズメを並べなきゃ売れないし、並べたら「カワイソウ」とか言う観光客(営業妨害)は後を絶えないし、買わせるか帰らせるかしなきゃいけない訳で、きっと揉めたりした事も一度や二度じゃない訳で、

　( ´-`) 「えええっ！？ ニワトリ食べないんですかー！？」

　こんなやり取りを、日に何回も、年に何千回も、これまでに何万回も繰り返していくうちに、ルーティンワークと化し、疲れて、表情が死んでいったのかな、とか思うと、何か切ないものを感じました。

　※ この記事は全て無料で読めますすが、スズメの焼き鳥分は取り返したいので、投げ銭(¥100)をお願いします。
　なお、この先には特に何も書かれていません。