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我が愛しのスパイダーマン 6.シヴィル・ウォー編


 皆さん、こんにちは。映画「市民ケーン」は「市民権」をもじったコメディ映画だと思ってた木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 実際に観たらめっちゃシリアスで、脳ミソがついて来なかった少年時代の記憶があります。

 さて。本日も、映画「スパイダーマン / ノーウェイホーム」の感想を書きたいけど何を言ってもネタバレ不可避なので、これまでのスパイダーマンを個人的に振り返る。をお届けしたいと思います。

 これまでの記事。


 さて。

 ・東映版スパイダーマン
 ・サム・ライミ版3部作
 ・アメイジング・スパイダーマン

 と、くれば次は、ソニーからMCUへ電撃参戦! その記念すべき第1作目となる


 映画「シヴィル・ウォー」


 についてお話ししなければなりません。
 しかし、

 この映画「シヴィル・ウォー」についてお話しする前に、まず避けて通れない作品があるのです。


 「キャプテン・アメリカ」? いいえ。確かに、シヴィル・ウォーはキャプテン・アメリカのパート3です。観ている方が良いでしょう。しかし、違います。

 「アベンジャーズ」? いいえ。確かに、シヴィル・ウォーはアベンジャーズのパート2.5とか言われてます。観ている方が良いでしょう。しかし、違います。

 映画「シヴィル・ウォー」を
 語る上で欠かせない作品
とは、


 原作コミックス
 「シヴィル・ウォー」
 なのです。


 アメコミの原作なんか知るかボケ!って想う人が大半だと思うのですが、このシヴィル・ウォーは数あるアメコミの中でも屈指の名作。ワタクシの中でも傑作10選に入ります。しかし、アメコミ原作なんか読む機会ねーよ!ってのが普通の反応です。

 なので! ワタクシが! 頼まれてなくても!

 一方的に! 偏見たっぷりで!

 原作シヴィルウォーの解説を!!


 (´・∀・)」 しちゃいます。てへ。


 ある程度のヒーローは、皆さん名前ぐらい知ってる前提でザックリ説明しますと、シヴィル・ウォーはこんな感じのストーリー。


 とある新人ヒーローチームがヴィラン(悪党)達と戦っている最中、一般人を副次損害に巻き込んでしまう。
 副次損害と言うにはあまりにも大きい、死者600名以上という大惨事。更にその様子は、TVで放映されていた。
 この事件を機に、世論は「スーパーヒーローは本当に必要なのか?」「ヒーローがいるからヴィランが現れるのでは?」「あいつらは人殺しだ!」とヒーローバッシングに向いてしまう。
 中でも特に、超人ハルクのような暴走の可能性を伴うヒーローや、悪党を容赦なく殺すパニッシャーのような存在は、かねてより危険視されていた。
 ヒーローからヴィラン堕ちする者や、ヴィランが改心した者も、善と悪を行ったり来たりする者もいる。そんな不安を抱えていた市民は、この事件を切っ掛けにして、ヒーロー達への不信感を爆発させた。

 この事態を収拾するべく、アイアンマンは『スーパーヒューマン登録法』を迅速に可決させ、ヒーロー達の保護を図った。
 『スーパーヒューマン登録法』とは、遺伝子、科学、超能力、魔力など、あらゆる「人ならざる力」を持った者達を登録・訓練・管理する法律である。
 この動きはかつてX-MEN達ミュータントが強いられてきた苦難と同義であった。つまり、先天的であれ後天的であれ「人と違う力を持っている事を公表しなければならない」のである。
 アイアンマンは、ヒーロー達を守るために決断したものの、それを受け入れられる者達ばかりではない。
 確かに、市民の勝手な自警活動は現実問題として好ましくないだろう。いわば無資格者が裁判を経る事もなく、無実かも知れない相手を裁くのだ。それも概ね暴力で。
 だが、ヒーロー達の幾人かは、本人の意志に関係なく「人を守れる力」「人を殺せる力」を持ってしまった。それを、自らの正義や善意で「人助け」に向けている。
 だから、正体を明かしたくないヒーローは沢山いる。彼らもまた市民であり、彼らにもまた、普通の市民として生きる権利はあるのだから。

 この法律の施行によって、登録を拒否した者は「犯罪者」と認定され、登録者側に狩られる立場となった。
 登録側の筆頭がアイアンマンなら、反対側のリーダーは「自由の象徴」キャプテン・アメリカだ。
 登録側と反対側で完全対立した派閥。登録側は任務として登録拒否者狩りを開始、反対側はレジンスタンスを結成し地下へと潜った。
 いわば、法の遵守者であるヒーローと、超法規の存在であるヒーローとの全面戦争が勃発したのである。

 この中でも、ドクター・ストレンジは「どちらにも加担しない」事を宣言して隠居。
 パニッシャーはレジスタンスに加入するも、「人殺しは受け容れられない」と追放される。
 ハワード・ザ・ダックは登録を受け容れるも「名簿に名前がありません」と追い返される(笑)
 登録側は、戦力増強のために捕縛したヒーローを強制的に戦わせる。

 人間の自由と尊厳が勝つか、善意と総意の象徴である法が勝つのか。市民も登録派と反対派でいがみ合いを始めた。まさにシヴィル・ウォー(市民戦争)である。
 双方に犠牲者を出しながら、ヒーロー同士の抗争は激化していくのだった。

 そして、最終決戦を迎える両陣営。
 ついにキャプテン・アメリカとアイアンマンが、その拳を交えることになる、、、!


 という激アツの物語がシヴィル・ウォーである。なお、シヴィルウォーとは「市民戦争」であり、アメリカにとっては多く「南北戦争」を意味しー、、、、

 え? そんな事より、スパイダーマンはどうした?


 (´・∀・)」 慌てなさんな。


 メインストーリーの流れを把握しないと、スパイダーマンの立ち位置がわからないでしょー?
 まあ、親愛なる隣人であるスパイダーマンは正体を隠して活動をしてますから、どっちの陣営に属したか、なんてすぐわかりますよね。
 そう。


 (´・Д・)」 登録側です。


 (´・Д・)」なんとスパイダーマンことピーター・パーカーは、アイアンマンの勧めと説得、そして要請に呼応する形で、スーパーヒューマン登録法に同意。


 なんと、
 記者会見を行い、
 自らマスクを脱いで
 正体を晒します。


 (´°Д°)」 スパイダーマン50年の歴史で初の出来事!?


 ※ たぶん。


 この時、J・J・ジェムソン編集長が、

 (´°皿°)」 「あいつ! 散々面倒を見てきてやったのに!!」

 って激怒して笑わせてくれるのもミソです。


 そう。スパイダーマンはその長い歴史の中で、自らマスコミの前で正体を明かすと言う革命的な変化を起こしたのである。
 この展開に熱くならないヤツはいるのか? そう思う程の展開はコレにとどまりません。

 平和的に非登録者を捕まえていたスパイダーマンだが、ある時、捕まえたヒーロー達が異次元世界の牢獄に幽閉されている事実を知り、「これでは、かつての赤狩りと変わらない弾圧じゃないか!」と登録派を脱退する。
 だが、皆を守るため汚れ役を引き受け、今更引き返す事も許されないアイアンマンが、スパイダーマンの前に立ちはだかるのだった。

 仲間として戦ってきたアイアンマンと決別し、レジスタンスに合流するスパイダーマン。

 だが、かつてよりスパイダーマンに恨みを持つ者は多い。ピーターの正体が知られた事により、ギャング組織のボスであるキングピンが、スパイダーマン抹殺のため、横槍を入れてくる。
 だが、スパイダーマンは変身によりパワーアップする類のヒーローではない。ピーター自身が強いのである。自分自身を守ることぐらい可能だ。

 しかし、守らなければならないのは自分だけじゃない。育ての親であるメイおばさんはギャングの凶弾に倒れるのだった。


 メイおばさん
 瀕死の重傷。


 これも50年来で初のイベントと言えよう。(メイおばさんが病気で死にそうになるのは結構ある)

 登録派が勝つのか、レジスタンスが勝つのか。
 そして、スパイダーマンは果たして、メイおばさんの命を救えるのか?


 これがシヴィルウォーにおけるスパイダーマンの立ち位置である。
 登録派からレジスタンス側に。
 そして、ヒーローとしてだけでなく、ピーター・パーカーとしての決断をも迫られるのだった。


 (´・Д・)」これがシヴィル・ウォー。
 これぞシヴィル・ウォーである。


 様々なヒーローがクロスオーヴァーするだけでなく、各々のヒーローが、大きくのっぴきならない状況下に引きずり出される、という「後戻り出来ない」緊迫した物語。
 そして、正しい事をするためには法を犯さねばならないのか、それとも、より多くの人を救うためには法を遵守する必要があるのか。
 皆、様々な想いを抱えて、マーベルヒーロー達が変革を強いられる。

 映画「キャプテン・アメリカ3 シヴィル・ウォー」は、このシヴィルウォーを基盤としているが、ご存知の通り、原作とMCUは歩んできた歴史が違う。
 敵味方、賛成派反対派に位置にするヒーローや、それに至る過程も大きく異なる。

 だからこそ、MCUでは初のスパイダーマン登場・参戦となった映画版「シヴィル・ウォー」と、
 原作では既に完成されたヒーローだったスパイダーマンに、大きな変革が訪れる原作版「シヴィル・ウォー」との差を知っておいて欲しかったのである。

 無論、どちらも物語世界に大きな変化をもたらし、後に続くストーリーにも多大な影響を与えた。(原作コミックスは特に、関連作品も多数存在する)

 なお、今回のスパイダーマンには関係しないので割愛するが、この「シヴィル・ウォー」にはIIが存在する。
 このシヴィルウォーIIのテーマは、

 未来予知が出来るヒーローが、
 犯罪を未然に防ぐために、
 犯罪者を裁いていいのか?


 を主軸に、再びヒーローが二つに割れます。


 (´・∀・)」 ね? 面白そうでしょ?


 原作コミックは、映画版ではなかなか出来ないハードなストーリーも多いんで、是非、皆さんもアメコミの世界へ。

 てな訳で本日の解説はココまで。明日は、まさかの映画化、まさかのスパイダーマン参戦である、映画版「シヴィル・ウォー」のお話をしたいと思います。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、アメコミに興味が出ちゃった人は投げ銭して頂けると助かります。
 なお、この先にはマーベルのコミックスを読む前に、これだけは覚悟しておく必要のある予備知識が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。