人狼を「射撃」に見立てた話【メトリクス編】
今回は「PLの評価分析」の1提案。
以前に書きました評価論がありますが、こちらは実村での実績評価ではなく性質の構成要素分析です。
今回は「吊と票と敵の関係による測定」での分析法です。
解説を始める前に、皆さんには事前に断っておきたいことがありまして。
この記事には「生票」なる造語が登場します。
これは死票の対義語で、「処刑に関与した票」つまり最多得票群の票ということです。
「落選者に入れられた票」を指す死票の対になる語彙がないので、便宜上 造らせていただきました。
では前置きも済みましたので始めて参ります。
◆メトリクス?
「メトリクス」は計測した数値を分析できるように加工した指標値群のことです。
野球のセイバーメトリクス(Society for American Baseball Research - metrics)が有名ですね。
今回は吊と票と敵の相関を数値にして集めて分析用に加工します。
又、人狼界では処刑を「吊」と呼ぶ馴染みがありますが、当記事では「処刑」の呼び方を意識的に使い分けたいので、以降は諸事情により「吊」は使いません。代わりに都合上 処刑を「銃殺」、投票を「弾」に例える場合があります。
◆計測
では具体的な指標を…の前に指標値を導くため基となる測定値を「処刑された人」「投票した人」「敵陣営」の3項の組み合わせで評価項目を設けて計測します。
項目は7つあります。
・生票と死票
生存中に最多得票者に投票していたらActを+1、でなければWastに+1します。
処刑された人 ではなく最多得票者であればActに計上します。
・命中と失中
生存中に敵陣営に投票していたらHitに+1、自陣営に投票していたらMissに+1します。
・捕殺と被死
生存中に敵陣営を処刑するとKillに+1、自陣営を処刑するとDeathに+1します。
勝利した最終処刑に限り、処刑したのが敵でなくてもKillに計上します。
・情報
生存中に陣形情報のための投票COに票を使ったらInfoに+1します。
又その場合、Act Wast Hit Missには計上しません。(Kill Deathには計上します)
尚、いわゆる意見票は情報票には含めません。守の潜伏からの露出のために確白に投票COや、占先の意思表示に投票CO、等が該当します。
覚えておいてほしいことは、生票 命中 捕殺はそれぞれ独立していることです。
死票だろうと失中だろうと、敵を処刑さえすれば捕殺には数えられます。
これは あくまで印象ですが…
・投票は弾
・敵は的(の中央)
・処刑は集弾個所
・情報は的の中央がどこにあるかの探索補助
…と置き換えが利きます。
尚、正体隠匿ですから敵は直には見えていません。
処刑に投票を重ねられたか は「集弾率が高いところに弾が当たったか」
敵に票を当てられたか は「的の中央に近いところに弾が当たったか」
処刑が敵に刺さったか は「集弾率が高いかったところは中央に近いところだったか」
投票 処刑のための支援 は「弾を当てるのに役立てようとした」
…とも置き換えが利きます。
それぞれの性質は別物で、意味を理解するための補助としての想像です。
◆率
7つの測定値は[自分の生存中の処刑数]で割ることで「率」に揃えることができます。
率に揃えることで指標値になります。
PL評価をする際には それぞれの率を見比べて分析します。
単一の数値だけで良し悪しを決めることはできません。
◆比率
挙げた7つの指標値で分析はできますが、ぱっと見やすくするには「比率」で表すのが便利です。
測定値を それと対になる測定値で割ります。
これらは分母となるWast Miss Death Infoが0の場合、便宜上1として計算します。つまり 3Act/1Wast と 3Act/0Wast は比率表記上では同じになります。
極端な例では、最終日に処刑された人と最終生存した人の各比率が同じになってしまったりします。おかしな話ですが。
ですので実態とは全く異なる数量が出ることがありますし、ぱっと見やすい それっぽい数値くらいに捉えてください。
(母数が大きくなって分母が0に ほぼならない場合は、数値の信憑性がやや上がります)
◆死後
村内ではPLごとに死期 生存期間が異なり、初回で死んだPLに至っては投票機会が1回しかありません。
その1回がActでKillでHitであった。
「では100%優秀な成績であるか?」
そうとは限りません。
これは計測の試行回数が少な過ぎます。ですので擬似的に試行回数を増やせるところは増やしてみましょう。
方法論は特に難しくなく、死後も投票を(している体で集計を)するだけです。
当然ですが処刑に反映されることはないので、仮初めの擬似投票ですが、「もし投票するなら誰」を毎日 続けます。
死後1日でも欠かすと、測定不十分で この測定値は得られません。
(当てやすいところだけ投票すれば良い成績が得られるため)
尚、便宜上 生前の測定値と区別するために死後を含めた計測では「R.I.P.」を頭に付けます。
これにより、生前の測定値と死後の擬似測定値を合わせたR.I.P.測定値 が出せます。
(Kill DeathはR.I.P.の計測ができませんが、Act Wast Hit Missはできます)
出せます が、生前は発言により処刑を能動的に動かすことができる一方で、死後は票を読むことで自ら当てに行く必要があります。
生前は影響力+反映力が投票 処刑に働いていたのに対し、死後は反映力しか計測できません。
その差はお忘れなく。
◆分析
PL評価をする際には それぞれの率を見比べて分析します。
単一の数値だけで良し悪しを決めるのは おすすめできません。
数値と一緒に その時の戦術戦略 立ち居振る舞いと併せて評価してください。
例えば…
「命中率は高いが捕殺率が低い」→推理は当ててるが敵を処刑できていない
「死票率が低くく被死率も低い」→多くの票を活かし味方を処刑せずにいる
「失中率が高いし生票率も高い」→味方をたくさん処刑している
「そもそも情報率が高い」→あまり処刑に直接は関与していない
「生前は生票率が高かったが死後だと低い」→処刑を動かす能力はあるが、票を読む能力に乏しい
…等と読み取ることができます。
単に各値の高い低いが良い悪いに直結するわけではありません。
一例に、狼が票を扇動し村に村を処刑させている場合、数値だけ見れば「生票率は低い(≒死票率は高い)が捕殺率は高い(≒被死率は低い)」と表れます。
が、これは戦略に則って振る舞った結果と見做すことができます。
他にも、成果と数値の捩れを挙げるのであれば、身内切り は被死や失中を積極的に受け入れる戦術の代表例です。
単に生票率 捕殺率 命中率 が高ければ良いのであれば、「敵だけを処刑し最短で勝利する」ことを是しとし これを目指さねばなりません。
これは数値の見映えは良いかもしれませんが、再現性も薄く おすすめできません。
自分の役職 役割や戦術戦略筋に沿った数値が出ているか、また逆に数値からどのような成果を上げているか分析することが大事です。
結局は分析する価値があるかには再現性が重要で、勝利を再現できる戦略を表す数値を見極めない優劣を計れません。
数値なので測定自体は定量ですが「どの役職の どの立ち振る舞いの時に、勝率はどうなのか」で定性を加えて分析する必要があります。
噛み砕いて言えば「数値だけでなく基になる戦略も踏まえて分析するのが大事」
では良い人狼生活を。
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