画像1

「契約締結上の過失」とは?

Wealth Agent
00:00 | 00:00
おはようございます。
不動産エージェントの直樹です。
今朝は、「契約締結上の過失」についてお話をしたいと思います。

このチャンネルでは、不動産投資にまつわる、情報を発信しています。
是非、最後までご視聴ください。

皆さん、「契約締結上の過失」というのはご存知でしょうか。
よく、賃貸借契約の時に発生する事案のようですが、

貸主さんと、借主さんの契約交渉が進展して、
最終的に契約を締結するかどうかは、当事者の自由意志によるものですので、
契約締結に至らなければ、貸主さんと、借主さんに権利義務は発生せず、
当事者は責任を負わないのが原則です。

その一方で、契約交渉が進展し、契約締結に対して、貸主さんと、借主さんに信頼が生じて、契約するであろう、という確率が極めて高くなったような場合は、
信義誠実の原則からその信頼は保護されるべきであって、
信頼を裏切った者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害を賠償するべきであるという考えがあります。

この考えが「契約締結上の過失」と言われるものでして、
これは債務不履行によるものではなく、一般的には不法行為によるものとされています。

過去の判例では、
賃貸住宅の賃貸借契約交渉が進展していた段階で、借主さんが外国人であることを理由に契約が拒否された事案では、貸主さん側の責任が認められたこと

あと、ドラッグストアの開業を予定していた借主さん側が、契約条件にほぼ合意したにもかかわらず、会社の最終決済が下りなくて契約に至らなかった場合で、借主さん側の責任が認められたことがあるそうです。

このように、当事者に信頼関係が生じたにもかかわらず、契約に至らなかったことで、どちら一方に損害賠償請求が発生するケースがあるんですよね。

これらは、賃貸借契約書の場合でしたが、
では、売買の場合も「契約締結上の過失」はあるのでしょうか。

売買の場合は、まず「買い付け」を入れますよね。
買付は物件購入の申し込みのことで、売主さんに対して
「この物件を買いたい」
という意思表示でもあります。

そして、この買付証明書は、あくまでも「購入希望者側の一方的な意思表示」
という位置づけのものあり、法的な拘束力は一切ありません。

但し、契約準備交渉段階に入った買主さんと、売主さんの当事者間の関係は、
契約締結を目指す特別の取引的な関係にあるので、
お互い、相手方に損害を被らせないようにする信義則上の義務を負います。

そして、契約の準備交渉段階での言動が原因となり、
交渉相手方に損害を生じさせ、その点につき落ち度がある者は、
この信義則上の義務に違反したとして、相手方に対し、損害賠償責任を負うことがあります。

例えば、
「マンション購入希望の買主が、売主と交渉に入り、その交渉過程で歯医者さん、歯科医院とするためのスペースについて注文を出し、電気容量の不足から、売主が買主さんの為に、電気会社へ確認したり、配線工事の計画書を業者に作成させたり、孤軍奮闘したにもかかわらず、交渉開始から6か月後に買主さんの都合で契約を締結するに至らず、売主さんが買主さんへ損害賠償請求をした」という事案があります。

これ、どうなったと思いますか?

これは裁判でですね、「契約締結上の過失」を理由として、売主側の損害賠償責任を肯定しているんですよね。

ですから、購入希望者は、契約を締結するにあたって、例えば、ゴミ置き場が汚いから掃除を希望したり、使っていない自転車などの残置物撤去を希望したり、売主側へ引渡し前までに注文をすることもあるかもしれませんが、あまりにも注文が多くて、しかも、既にそれを売主側が実効したにもかかわらず、契約をしませんでした、となると、「契約締結上の過失」にあたり、裁判になった場合は、弱い立場にもなったりしますので、

「契約締結上の過失」には注意が必要です。

ちなみに、「契約締結上の過失」については、民法に明文化するか否かが議論されていますが、まだ、条文で規律を設けることはなさそうです。

ですから、今後も「契約締結上の過失」の判断をするにあたっては、
裁判の判例を参考に、検討が必要になるそうです。

はい、今朝は、「契約締結上の過失」についてお話でした。
最後までご視聴いただきありがとうございました。

ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?