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突然コワーキングスペースを経営することになって、何を変えてこれからどうしていくのか?

この記事はコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2018の参加記事です。

JUSO Coworkingの深沢さんからバトンをいただきました!

コワーキングスペースひらばを運営しているWEBDAデザインの岡田大誠です。

表題の通り、2018年10月から突然コワーキングスペースを経営することになりました。

詳細な経緯については省略させていただきますが、数ヶ月コワーキングスペースを運営して感じたことや今後考えていることについて、つらつらを書かせていただきます。

私について

WEBDAデザインという屋号で主にフリーランスのWebデザイナとして活動しております。

活動場所は大阪府枚方市という、大阪郊外の人口約40万人の街です。

関西では「枚方パーク」で有名なところです。

「自由な選択で世界を広げる」というキャッチフレーズをもとに、普段は地元の中小企業さんや個人事業主さんのWebサイト制作や運用を行っております。

WizcoというWebサイト・ITの活用方法を教えたりするサロンのようなものを運営もしています。

コワーキングスペースひらばについて

コワーキングスペースひらばは枚方市では唯一のコワーキングスペースです。

大阪市内や京都市内だと、多くのコワーキングスペースがありますが、京都大阪を結ぶ京阪沿線沿いでは、ひらばしかコワーキングスペースがありません。

※地図の右上がひらば

私が引き継ぐ前の特徴として、ローカルメディアで有名な枚方つーしんさんが運営するコワーキングスペースであることが特徴でした。

鍵屋別館という古いビルをリノベーションした商業施設の4階に、ひらばがあります。

利用者から運営者になって

もともと私は、コワーキングスペースひらばのイチ利用者でした。

運営元であった枚方つーしんさんとお付き合いがあったこともあり、2年前にひらばがオープンしたときに真っ先に契約した1号会員が私です。

利用頻度も週に3日以上は、ひらばを利用しておりました。

そのため、立ち上げ当初の様子から現在までの、ひらばの移り変わりは全部見てきました。

ひらば以外のコワーキングスペースも利用していたこともあり、コワーキングスペース利用者の気持ちはよくわかっているつもりです。

細かい経緯は事情により省略させていただきますが、今回ひらばの譲渡の話をいただいたのが8月末。譲渡の日は10月から。

約1週間で、大きな決断をすることになりました。
※しかも9月は地震のあとの台風の被害がすごかった時期。

いろいろな立場の人がコワーキングスペースを運営していらっしゃいますが、もともとの利用者が運営することになったという話は珍しいケースだと思います。

まずはとにかく情報収集をしまくって、Amazonの電子書籍でこちらの本をみつけました。
地方でコワーキングスペースは成り立ちますか?

買ったすぐに全部読み終えて、滋賀県でこんなにがんばって成功しているコワーキングスペースがあるんだと感銘し、図々しくもすぐに連絡。

著者の中野さんの運営するコワーキングスペース今プラスにお伺いし、いろいろ貴重なお話を聞かせていただきました。

ものすごくその節は助かりました、ありがとうございました。
次回はゆっくり普通に利用させていただこうと思います。

何を変えたのか?

今年の10月から正式に運営を引き継いだのですが、まず手を付けたのが徹底的な運営コストのスリム化。

経費を絞れるところまで絞って、これ以上無理というところまで絞りました。

私自身の給料も当然ゼロです。
これだとモチベーションが続かないので早急にどうにかしないといけません。

これまでは常にスタッフが在籍していたのですがスマートロックを導入し、スタッフ在室のコアタイムを設定。
営業時間を拡張しながら、スタッフのコアタイムを設定することでコストカットを図りました。

※スマートロックは、コストや利用人数の関係から「カギカン」を採用。
Qrioが旧型しか使えないため、あまり満足していません・・・。

その他、レンタルスペース利用ルールを厳しく見直しました。

大きな部屋と小さな部屋と2つレンタルスペースがあったのですが、実際に使用されているのは小さな方の部屋がほとんどで、価格もかなりの激安価格(会員だと1時間500円)。

思い切って、小さい方の貸出を廃止。大きな部屋のみを貸出することに集中しました。

大きな部屋と言っても会員価格で1時間1000円ですので、それでも十分安い価格だと思います。

ルール見直しについて、今回コワーキングスペースを引き継ぐにあたりいろいろ情報収集をしたのですが、その中で数年前の記事ですがコワーキングスペース7Fさんのこちらの記事がとても印象に残りました。

コワーキングスペース7Fの店長になってから8ヶ月の間にやった事・解決した事・新たな問題点

特に「ルールを守って真っ当な使い方をしてくださるお客様を一番大切にしたい。これまでは、ズルをしたり、ゴネる人が得をするような、言った者やった者勝ちの空間になっていたと思うので、正しく使っている方が一番幸せになれるような、健全な空間を目指す。」は、現状のひらばと状況が完全に一緒でしたので、なるほどなるほどと拝見しました。

これまでは、特にレンタルスペースの利用についてゴネたものが得をするという運営になっていました。

具体的には
・勝手に利用時間をオーバーしたり早めに使っている(当然であるかのように)
・本来NGとしている◯時25分や◯時10分からの利用とかをゴネられてOKにしていたせいで前後の時間に他の人が使えなくなる
などの問題がありました。

ルールを守っている人が損をして、ルールを破る人が得をするという仕組みはあってならないことだと思うので、以前はこういったことをOKとしていましたが、厳しく取り締まるようにしました。

いろいろな人から心苦しくも反感を買ってしまいましたが、これはやりきってよかったと思っています。

あとは、アーロンチェアを思い切って4台導入しました。

コワーキングスペースを使っていた元利用者の意見として、コワーキングスペースはコミュニティとしての機能はもちろんなのですが、やはり作業空間としての機能も大事にしないといけないなと思っておりました。

やはり重要なのは椅子。
ワーキングチェアでないと長時間の作業に耐えることができず、いくらコワーキングスペース自体が快適でも作業空間としての質が低ければもったいないので、これだけはどうしても導入したかった野望でした。

4台導入したのですが、非常に好評です。

コワーキングスペースを運営したメリットとデメリット

まだ引き継いで3ヶ月にも満たない状態で、毎日必死で運営しているのですが現在の私の気持ちに嘘をつく訳にはいかないので正直に書かせていただきます。

コワーキングスペースを運営してのメリットは現時点ではほとんど感じられません。
しかし情熱が湧く事業であるということと、楽しい事業ということは間違いないです。

極力ネガティブなことは言いたくないのですが事実は事実として正直に書かせていただきますが、1%の楽しいと99%の苦しいというのがまだまだな本音ですね・・・。

本業のWeb制作の仕事とコワーキングスペースの相乗効果についてですが、全然プラスになっていません。むしろ現時点ではマイナスの効果です。

コワーキングスペースの人という印象がついてしまい、新しく出会う人も本業のWeb制作ではなくコワーキングスペースに興味がいってしまうため、仕事に繋がることがなくなりました。

既存のお客さんも、いろいろなゴタゴタで忙しくなったと気を使ったりコワーキングスペース運営に完全にシフトすると勘違いされて一気に仕事はなくなりました。

時間だけがとられて売上は一気に半分以下になりました。

さらに一番辛いことは、今後もっとよい場所にするためにコンセプトや運営体制を以前と変えたことにより、あることもないことを非難されることが一番苦しいです。

「いろいろあるけど応援するし協力するよ!」と言っていた会員さんがに翌月に使わなくなったので退会しますと平然と申し出てきたりで、人間不信になりそうです(泣)。

新しく立ち上げるならこんなことにならないと思いますが、運営元の変更は様々な軋轢を生んでしまうようで頼れる人は少ないし敵は多いという状況です。

新しい方針に合わない人は少なからず出てくるものなので、それは仕方ないと諦めて新しい私のビジョンや方針に理解をしてくれるファンを探しながら大事にするしかないのかなと思います。

だからこそ、私を信じて応援してくれる方や協力してくれる方は本当に大事にしていこうと日々感じております。

これからどんな場所にしていきたいか?

ちょっと暗い話になってしまいましたが、これから先の話をしたいと思います。

一言で言うと「クリエイティブな公民館」という感じにしたいかなと思っています。

急遽コワーキングスペースを経営することになって、実家などに説明をするのですが当然コワーキングスペースという単語は通じません。

そんなときに思いつきで「公民館みたいなもんや!」と説明したのですが、割とあながち遠くない表現かなと思っています。

10月〜12月にかけて、運営体制の改革、特に色んなものを削ぎ落とすことに特化してきました。

スタッフの在室時間は平日の10:00〜18:00のみで、土日祝日はスタッフの出金は不定期で会員さんにセルフで鍵を空けて使ってもらう仕組みのため、このままでは、ただの場所貸しになってしまっています。

これでは「コワーキングスペース」とは言えないことは自覚しているので、2019年はとにかく「足し算」でいろいろな施策をするつもりです。

やはりイベントは今後積極的に増やしていきたいです。

コワーキングスペースが認知されても、なかなか足を踏み入れる最初の一歩はハードルが高いようです。

そんな最初のきっかけとしてイベントやセミナーは最適です。

しかし、いくらイベントやセミナーを開催してもコワーキングスペースを使ってくれる人に来てもらわないと意味がありません。

あまりにも見込み度が低い人やコンセプトに理解のない人を集めても質の低下にしかつながらないので、多様性を受け入れつつも線引きは必要だと実感しています。

会員さん同士の交流が現在月1度の交流会しかありません。定期的な交流会は必要ですがすぐにマンネリになってしまうと思うので、新しい取り組みをはじめたいと考えています。

優先度を高くして来年取り組みたいことがYouTube Liveでの会員さんへのインタビューです。

もちろん顔出しOKの方に限定することになります。

顔は見たことはあるけど、何をしている人かわからないし、話しかけるきっかけがありません。

会員リストみたいなものを作ってもいいのですが、ないよりマシと言うだけで人柄まではわかりづらいかなーと思っています。

動画でライブ放送をしてインタビューすることで既存会員さん向けには「この人はこんなことをやっているんだ!」となりますし、コワーキングスペースの利用を検討している方へのPRとなり一石二鳥です。

まだ試していないので、本当にうまくいくのかわからないですが、とりあえずYouTube Liveでのライブインタビューは取り組んでみようと思います。

営業時間のスタッフについて最終的には、営業時間すべてに利用者間のハブとなるスタッフは在室できるようにしたいと思います。

コワーキングスペースはコミュニティだ!と言われていますが、具体的に利用者同士のコラボや交流などがそれにあたると思いますが、もう一段階そこから「知識の共有」というところを仕組みとして作っていきたい野望があります。

いろいろな業種の知識を持った人が集まることで一旦バラバラの知識がコワーキングスペースに集まることになります。
その集まった知識を、自然にお互い共有できて会員さんの成長・成果につながるような仕組みを、作りたいです。

具体的にはまだ詰めれていないのですが、クローズドな意見交換会とかコワーキングスペースの中だけでのなにか持っている知識を引き出して成長につながるような何かを作りたいと思います(ふわっとしているのでこれから固めます)。

「金を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上」という言葉があるように、コワーキングスペースで何を残せるかというと、やはりコワーキングスペースから何かが生まれ、新しいチャンスに繋がり、人が成長していくという人を残せるということが醍醐味であるなと思っているので、やはり人を大事にした運営をしていきたいと考えています。

でも、あまりやりすぎるとインキュベーション施設とほとんど一緒になってしまいそうなので、悩みどころ・・。

12月に入って、ようやくいろいろな運営体制が整って、自由に動けるようになりました。

時間ができたので、いろんなコワーキングスペースに行ってみたいし、いろんな人の話を聞きに行きたいと思います。

コワーキングスペース運営者のみなさま、その際はぜひよろしくお願いしますm(_ _)m

コワーキングスペースの運営とWeb制作の仕事、どっちも踏ん張りどころですが今がいちばん大事な時期なので、踏ん張っていきたいと思います。

ありがとうございました。

大阪の枚方市でフリーランスのWEBデザイナー・デザイニストとして活動しています。 https://web-da.com/