見出し画像

作品数500点超!ミュシャ展をじっくり楽しんできた|上田市立美術館

公式図録から

19世紀末から20世紀初頭に活躍したアールヌーヴォーの旗手 アルフォンス・ミュシャ

アールヌーヴォーなんて言葉やミュシャという名前を知らなくても、このようなタッチの絵やデザイン画は見たことがあるだろう。ミュシャ風に描いた二次創作イラストも、Twitterなどでたまに見かける。

現在の漫画やアニメ文化にも影響を与えているミュシャだが、もちろん当時も大活躍していた作家である。

美しい女性画、ポスターや商業パッケージデザインなどを多彩に手がけ、ミュシャらしいあの装飾模様をまとめた『装飾資料集』を出版、晩年は祖国のチェコのために大作『スラヴ叙事詩』を完成させた。

今も昔も大人気作家、ミュシャ。
展覧会が開催されると多くの人が訪れる。私もミュシャ展に行きたくなる一人だ。

行きましたわよミュシャ展

先日、上田市立美術館で開催中の展覧会「ALFONS MUCHA 煌めきの女神たち」に行ってきた。

ミュシャの数多くの作品とともに、ミュシャの活躍の軌跡を紹介している。会期は2022年4月8日(金)から6月12日(日)まで。

なんとこのミュシャ展、展示作品数が500点を超える。

500点といってもよく分からないかもしれないが、作品を一つ一つ見ていると足が疲れてくるほど。途中で、まだあるのか……と思ってしまうほど。壁一面にびっしり展示されていて驚くほど。

私は途中から踵が痛くなり、座りたくなった。(ちょうどいいタイミングでイスがあったので休憩した。)

イスもある

こちらの展覧会では、写真撮影OK(フラッシュ・動画はNG)だったので大量に写真を撮りながら、ミュシャ作品をじっくり鑑賞した。

今回はミュシャ展の感想を書いていこうと思うのだが……
学術的な、かっこいい感想を書くなどはできないので、誰でもじっくり楽しめそうな視点で見た感想を書こうと思う。

有名作家になったきっかけは?

ミュシャがどういう人だったのかを知るには、代表的な作品を知るところから。これで有名になったぞというのがこちら、「ジスモンダ」である。

「ジスモンダ」1895年

なかなか大きめな作品。
フランスの大女優 サラ・ベルナールの舞台のためのポスター。ポスター制作依頼があったときにたまたま印刷所に居たミュシャがデザインしたところ、サラ・ベルナールがそのポスターに大変満足してミュシャとデザインの契約を結んだ。それからミュシャはどんどん有名になっていったのだ……。

美しい女性に惚れ惚れ

ミュシャと言えばやっぱり美しい女性の絵でしょ!とじっくり鑑賞。どれが好き?と聞かれると迷うほどにどれも美しい。

これが近くで見れるってわけよ
「ビザンティン風の頭部 ブルネット、ブロンド」1897年
すべての作品の額縁が良すぎる
「桜草」と「羽根」1899年
ヒィッうつくしいっっ
すべてのひとが美しいと感嘆する装飾パネル
4連作「四つの花」
百合の花がとてもかわいかったなぁ
美麗女性画コーナーはピンクの壁紙
これがすごくイイ ミュシャとピンクは合うのよね
「ルフェーヴル・ユティル」1903年
美しすぎて息が詰まったポスター。サラ・ベルナールが描かれている
商業ポスターにもミュシャデザイン
「ショコラ マッソン」1897年
本来のバージョンからショコラマッソン用に変更してそれをカレンダーにしている(多分)
チェコで制作されたもの
民族衣装、眼差しがカッコイイ!

おもしろモチーフを探して

ミュシャのデザイン画に登場するモチーフをよく見ると不思議なものがある……。じっくり見て探すのも楽しい!

「メニューとプログラムのイラストレーション」1898年
左側に文字を載せるのかな
手!?拳???
「リリュストラシオン1896-1897 クリスマス号」1896年
コレも手。持ちすぎだよ
「カッサンフィス印刷所」1897年
印刷所の商業ポスター
写真がボケ気味
こっちを見ている目
フリーメイソンとミュシャには関係があったとか……

細かいところも見てみる

時間のある人はじっくり細部まで見てみよう。ということでジロジロ見ていて気になったのがこちら……

「フィガロ・イリュストレ」1896年
女性がワインを出して語りかけている
おじさんたち(モブ)の顔つきもしっかりわかる!
線ではっきり書いているわけではないのに、こういうおじさん居そうだなと思う
「市庁舎周辺の群衆」1899年
いい顔してるなぁ
「ココリコ-24」1899年
紙質が他のものと違う。ガサガサしていて面白い。
「ル・モンドイリュストレ」1900年
緑黄茶色?でグラデーション。珍しいみたい。
「インカのワイン」1899年
木の板に印刷されている珍しい作品

『装飾資料集』から どれが好き?

ずらっと壁に展示された『装飾資料集』と『装飾人物集』。アール・ヌーヴォーの教科書ともいうべき図案集だとか。当時のデザインを学ぶ者たち必見の本だったんだね。

ずらっと!

私のすきなモチーフは……食器とか家具とか。
欲しい~~おしゃれすぎ。

ワクワクしちゃう
椅子がステキ
表情が魅力的なのさ

こんなものまで?

ポスターだけではなく、当時の気になる作品の実物があったのでテンションが上がった。

万年カレンダー
リボンを動かして日付を変えるらしい
「ランスの香水 ロド」1896年
香水のポスター。
その香水がこれ。香水をぴゅーって出して使っていたのか……
「手を汚さずに自動的に香水を使用できます」とのこと
奥にあるのはミュシャデザインのパッケージ缶
チェコスロヴァキア共和国の紙幣
宝くじ、切手などのデザインもしているが、これらは無償で手がけたらしい

見応えがありすぎるミュシャ展

足が疲れるくらいに量が多く、大満足な展覧会だった。写真も大量に撮って、公式図録も購入して、アンケートも書いてポストカードを貰って、コレクション展も見て……満足だったのだが……

1階でチケットを購入
2階の会場へと登るエスカレーター

じっくり見すぎて閉館時間になった。

ミュージアムショップもカフェも閉まってしまい……
見れなかった悲しい(´;ω;`)

カフェではミュシャ展のコラボメニューを提供しているらしい。ジェラート食べたかったぜ……

気軽に美術館へ行ってみよう

ミュシャ展の感想・レポを自由に書いてみた。

美術館は行きにくい、何を見たらいいのか分からないという人でも、気軽に行ってみていいんだよと言いたい。(展覧会のルールを守れれば……)

好きだ〜という作品を見つけたり、細部を見て面白い顔の人を見つけてみたり、作品の雰囲気を感じてみたり、材質の違いを見たり、展示方法を見てみたり、とにかくなんでもありだと思う。

うまいこと感想を言わなくても、何か気づきがあればそれでいいのだ。私は美術も美術館も好きだが、展覧会の感想を上手くは言えない。でもそれでいいと思っている。

楽しい〜!おもしろ〜!ミュシャ好きだ〜!という気持ちは伝わっただろうか?

画集で見るのもいいのだが、展覧会で額縁あり、今回のようにピンク壁紙のところで見ると感激度合いが全然違う。(写真は額縁を入れずに撮ってきた。)

美術館に行ってみるとわかる、これが足を運ぶ楽しみでもある。

ミュシャ展は6月12日(日)まで。お近くの人はぜひ。




▽ 【マガジン】見てみてアートな世界

芸術関係のnoteを集めました。


この記事が参加している募集

休日のすごし方

旅のフォトアルバム

いろいろ書いてみるので、他の記事も覗いてみてください✨