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採用担当だった非エンジニアが技術広報を始める時にやったこと

株式会社ウエディングパークで広報を担当している鈴木です。
こちらは、技術広報アドベントカレンダー11日目の記事です。

今回は、今まで採用を中心に人事界隈の仕事をしてきた非エンジニアの私が5年前「技術広報」をはじめた頃の話をします。(現在は事業広報がメインミッション)
少し前のお話ですが、技術広報って何?何をやったらいい?他社の事例を聞いてみたい。という方にお役に立てば幸いです。

私が技術広報(採用と兼務)になった頃にやったアウトプットは下記です。

・外部向け自社イベントの開催(月1回)
・カンファレンスのスポンサード(適宜)
・クローズドイベントの開催(Q1回)
・テックブログの運営&リニューアル&再定義(適宜)
・Wantedlyでの情報発信(隔週1本)
・メンバーの登壇・執筆サポート(適宜)
・ベンチマーク企業の情報を社内シェア(月1回) 


その1:情報収集

私が、5年前に“技術広報やってみない?”と言われたとき、最初にぶち当たったのは“そもそも「技術広報」って何する人?”でした。
当時「広報」も経験したことがなく、「技術広報」という言葉も少しずつ耳にするようになってきたな、という頃だったように思います。
そこで、「ウエディングパークにおける技術広報とは何か?」という定義を固めることから始めました。

「技術広報」の人に会い、世の中の「技術広報」を知る

そもそも技術広報とは?という状態で、当時はあまり記事などもなかったため、それらしき業務を担当している人に会うことにしました。
友人知人、同僚につないでもらったり、広報イベントで技術系の担当をしている方にお会いして、一般的な技術広報とは?をインプットしていきました。(今は、このアドベントカレンダーを見ればたくさんの情報が手に入りますね…!)

エンジニアやデザイナーの「職種」やその仕事をする「人」の理解を深める

エンジニアやデザイナー(以下、クリエイター)のメンバーとは元々採用などでかかわっていて活用技術などは知っていたものの、いざ広報活動するぞ!と考えた時に、クリエイターとは?自社のクリエイターとは?と、意外と知らないことだらけだと気が付きました。
(採用を担当していた頃にTECH::CAMPでプログラミングを少しかじったことで、“複雑なサイトをあんな早さでつくるのも保守してるのもすごい…”という尊敬や、奥深い仕事であるという感覚だけはありました。)
そこで、下記のようなことを実施しました。

社内のクリエイターを知る
まずはメンバーを知るところから。今までよりも深く入り込むことで、ウエディングパーククリエイターの魅力や取り組みへの理解度が上がってアウトプットに活かしやすくなりました。

ークリエイターメンバーの定例ミーティングに参加(週1回)
社内の情報をキャッチアップしたり、用語などをメモして調べたり聞いたりしました。
ーランチや少人数でのミーティング開催(クリエイター全員と)
1~2人ごとのメンバーのグループにリアルな声を聞いて、施策のベースを固めました。
ークリエイターメンバーへのアンケート
組織全体で見た時の理想の状態とのギャップなどを確かめるため、アウトプットへの意識などのアンケートを実施しました。

社外のクリエイターを知る
社内のメンバーを知ることと同時に行ったのが、社外のクリエイターの風土を知ることです。自社のメンバーとの違いなども見えてきました。

ーPHPカンファレンスに当日スタッフとして参加
PHPエンジニアの、人や求めている情報、空気感などを身近で感じたいというのが理由です。結果として、ここでつながり自社イベントに登壇いただいたことも。
ーUX MILKに参加する
気軽に参加できるデザイナー向けイベントとしてオススメしてもらったイベントに参加し、職種の理解やイベント運営についてキャッチアップしました。
ーTwitterでエンジニアさん・デザイナーさんをフォロー
情報収集はTwitter。という方が多かったことから、情報をキャッチアップするために発信の多いクリエイターさんをフォローしました。

「PHPカンファレンス2017」に来場したエンジニアメンバーが撮ってくれた写真

導入時期にありがたかったのは、「開発チームの中の技術広報」という位置づけで動けたことです。おかげで開発チームのメンバーとコミュニケーションがとりやすく、同じチームの仲間、という感覚を持ってもらいやすかったのではないかと思います。

その2:自社での「技術広報」を考える

当時、ウエディングパークのクリエイターチームは「No.1 Bridal Tech Team by20」(通称:By20/2020年までにNo.1のブライダルテックチームになる)を掲げて、その実現に向けて走っているところでした。
そこで、「By20の実現に向けてメンバーのスキルアップをサポートすること、社外においては「認知」を向上させること」を当面の目標としました。

この時から変わらないのは、ウエディングパークにおける技術広報で大切なのは、技術広報である自分や会社としての発信ではなく、クリエイターメンバーの発信を後押しすることだと考えていることです。
そのための機会をつくったり、土台を整えたり、ということに取り組んでいます。

見えてきたクリエイターチームの課題

ウエディングパークのクリエイターは、当時からコミュニケーション好きで仲間想いなメンバーが多いという魅力がありました。一方で「発信」には苦手意識を持つメンバーが多いのが実情でした。
その理由は、「発信の自信がない」「発信するネタがない」「発信をしても評価にはつながらない」と感じていることだとわかりました。
「発信の自信やネタ」に関しては、メンバーが発信のハードルを高く設定していることが発信が不足している原因のひとつだと感じました。(当時はマネージャーや上位グレードのメンバーがあまり発信を重視していなかったこともあり、「評価にはつながらない」に関してはカルチャー醸成や評価・目標など組織全体を変化させる必要があるため今回は割愛します。)

そこで、
・メンバーのインプットとアウトプットの強化
・社外の認知を向上
を目標にして、自信をもって発信できるようになるための施策を実施していくことにしました。

当たり前のことではあるのですが、自社の課題に合わせて、自社のクリエイターカルチャーに合った施策を選び、実行・強化するのが大事だと感じます。

その3:具体的なアクション

まず実施することにしたのは、「自社イベント開催」と「カンファレンス出展」です。
メインを「イベント」にしたのは、メンバーがリアルでのコミュニケーションが好きで、プレゼンテーションも上手だと感じていたためです。

イベントは採用を目的にしている企業も多いと思うのですが、当社では「採用」の数字は追わず、あくまで「技術広報」(技術ブランディングやメンバーの登壇機会の創出)を目的にしました。
(採用媒体などでスカウトを送った方に来てもらったり選考中の方に来てもらったりして、その部分では採用にもつながりました。)

ー自社主催のイベント「enjoy!インハウス」の開催(月1回)

ハードルが高くなりがちな登壇も、「ホーム」な状態であればハードルが低くなります。また、テーマやゲストも自分たちの興味や取り組みに合わせて選べるのが自社イベントの魅力。開発に関わる「エンジニア」「デザイナー」「ディレクター」のメンバーが月ごとに自分たちの発信、他社の方から聞きたいことをテーマにして実施しました。準備は2か月前には始めて、社内での内容の検討やすり合わせ、登壇打診などを行っていました。

▼自社主催イベントについて、詳しくはこちら

ークローズドな他社との勉強会の開催(Q1回程度)

上記「enjoy!インハウス」で出会った方や友人知人などを通して、クリエイター同士の交流会も開催しました。クローズドならではの一歩踏み込んだ情報交換ができ、メンバーの満足度も高く、また開催したいといった声も多かったです。懇親会、テーマごとのグループでの情報交換、LT会など、用途に合わせて実施しました。

ーWantedlyストーリーでの発信(隔週1本公開)

当時、会社としての発信がほぼなく、流通している情報量が少ないことを課題だと感じ、情報に厚みを持たせるべく、まずは「組織」「人」「技術」の軸で、Wantedlyでウエディングパークのカルチャーを伝えていきました。発信を背中を見せる!ということで、基本的には隔週公開で自ら執筆していました。この期間は、何かしらの記事のことが頭にあり、情報収集や企画、素材集め、インタビュー、執筆などをしていることが多かったです。

ーテックブログの再定義&活性化

それまでのテックブログは「書きたいことがあれば書いて良いよ」というスタンスで、内容もイベントの告知などがメインでした。そこで、テックブログを活性化するため、何を書く場所かを改めて整理したり、テンションが上がるデザインだったら…という声もあったためデザインへのリニューアルをしたりしました。
現在は、「技術推進委員会」というエンジニアの技術活性化チームが主体になって執筆を推進しています。
▼テックブログ
https://engineers.weddingpark.co.jp/

ー社内ナレッジツール「DocBase」の活用

社外へのブログでの発信はハードルが高いというメンバーには、まずはドキュメント化の習慣をつけてアウトプットに慣れて欲しいと、社内でのナレッジシェアというかたちでのアウトプット強化を実施しました。現在は、週報(その週の開発振り返り)などでも活用されています。

ーカンファレンスへのスポンサード

技術イベントへのスポンサード。クリエイターからの認知向上を目指すものですが、メンバーも技術への投資を喜んでくれています。人気のイベントは募集開始からすぐに締め切ることもあるので、公式Twitterをフォローするなどして備えておくのがオススメです。
社外のエンジニアの方と話していると「前も出展してましたよね」「登壇見たことあります」「テックブログ読んだことあります」といった声ももらえるようになりました。
直近、当社では『Women Developers Summit 2022』『Designship』にスポンサードしました&PHPerKaigiにスポンサードします!

ーメンバーの登壇・執筆サポート

登壇が決まったメンバーの資料作成のサポートやリハーサル、公募やブログ執筆の際の壁打ちやブラッシュアップなど、メンバーのニーズに合わせて、自信をもって登壇・執筆ができるようサポートしています。

ーベンチマーク企業の情報を社内シェア(月1回)

自分自身の情報キャッチアップをメンバーのインプットにもつなげるべく、サービスや採用におけるベンチマーク企業のテックブログや記事などの技術的アウトプットをまとめ、気になるトピックや傾向などを社内のクリエイターメンバーにシェアしていました。

・・・

現在は、以前に比べると「やりたい」という人も増え、エンジニアのメンバーが発信に積極的な組織になってきました。(技術広報のアドベントカレンダーがありましたよ!と教えてくれたのもエンジニアのメンバーです。)
発信はいいよ!とメンバーに言いつつも自分自身のことはあまり書いたことがなかったので、今回技術広報のアドベントカレンダーに参加させていただきました。
長くなってしまいましたが、どこかのパートが参考になれば幸いです。

Twitter:@WeddingParkTECH /個人@akk_szz

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