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中2と次郎系ラーメン

通りがかる度に行列ができているラーメン屋。気にかかっていたのだけれども、タイミング合わず、立地もいまいちで行きにくく見合わせていた。今日は急遽中二の息子と二人で昼飯を食うことに。「ラーメンがたべたい」とのこと…「ほうほうそうかラーメンか…」ということで本日初訪。
次郎系ラーメンらしいという噂を聞いたことがあるので、気合入れていかなくてはならない。店の名は「豚星。」ザ次郎系と言った感じ。さてさて息子は食べきれるのだろうか。

大きな通りに面しているにもかかわらず、店内は暗い洞窟のよう。カウンター一列全席にむさくるしい男どもが肩を寄せ合ってずるずると麺をすすっている。その後ろには待機している客がずらっと立っている。もちろんこちらもむさくるしい男ども。うわぁ…次郎っぽい。しかもガチ目の次郎…
親子で来ているのは当然我々だけ。「おまえ喰えるのかよ」と言われているようでちょいと緊張するよね(プレッシャー1

二人の店員さんはとても大きな体で無言。仕事中なのにしゃべらない。店内には多数の張り紙があり、いろいろルールが書いてある。丁寧語で書いてあるんだけど「四の五の言わず守らんかい」って言われているようだ。(プレッシャー2

全14席を2つのグループに分け、客を入れ替えている。これすなわち、そのグループ内で食べるのが遅かったら、次のグループ7名全員を待たせることになるよね。(プレッシャー3

僕らが壁に沿って起立整列直立佇立しているときに息子にいろいろアドバイスをしたかったんだけど、なんだか空気が重くてしゃべれない。
通常、立って待ってる人ってスマホいじるじゃん。なぜかこの店だれもいじってないんだよね。ルール?そんな張り紙ないよ??
なので、スマホを隠し隠ししながら筆談。一つだけあった優しいルール「無理せず残してください。」息子にこれ大事だぞ。と言い含める。
※いつも息子に教えていることは「たべものは絶対無駄にするな」であるにも関わらず、今回は逆を教えざるを得ない。(プレッシャー4

なんかあれだな。異世界のギルドみたいな感じ。荒くれどもが集まる酒場的なやつ。
座った。俺6番、息子7番。番号で名指しされ、トッピングを聞かれる。店員さんもうちょっとはっきりしゃべってよ、何番かわからんじゃん。しかも席に書いてある番号の文字、決して大きくない。気づかない人もいるはず。しかし恐れずくっしずしっかりと「ニンニクアブラ少な目」と伝えてやった。フフっと横目で息子を見ると
息子は「ニンニク多め」 だとぅ! やるな!

来た。豚星のラーメン。ニンニクアブラ少な目味玉付き。
量多いよー、もう、今日朝走ったのに無駄じゃん。スパルタンレース前に減量したかったのに無駄じゃん、まったくもーだよまったくもー。

うまい!

もやしの下に隠れた麺がかなり太目で、かつ、もちもちしててうまい。スープも醤油ベースに油とニンニクがしみ込んでてうまい。これに厚さ2cmほどの豚チャーシューがまたでかいのだよ。※味玉はいまいち
一口一口楽しみながら食べる、うまい、減らない。また食べる、うまい、減らない。次郎系ラーメンの牙城はなかなか崩れないのだよ。どうだ息子よ?これが次郎なのだよ。と振り返ると
結構食ってやがる。 やるな!

しかしね、くるんだよ、突然。箸がね。止まるのだよ。
僕は見てたよ。君の箸が止まるところを。そりゃそうさ。君はまだ14歳。次郎を完食できるわけないのさ。世界はね。広いのだよ。世界はね、厳しいのだよ。
そして、父はね、
強くて優しいのだよ。
ということで、息子の器から麺をがっつり自分のところに取ってやった。そしてそれ全部くってやった。「たべものは絶対無駄にするな」っていつも言ってるからね。食べ物は大事にしなきゃいけないのだぁぁぁ!

7人のグループ内で最後にラーメンが届いたのが我々2名。そのハンデはあるものの、他5名のたべるスピードよ。やっぱり僕らが最後になっちゃった。次のグループ待たせるわけにもいかずラストスパートかけて無理やり飲み下し「ごちそうさまでした。」

きつかった、うまかった、疲れた

そうそう、隣に座ってた学術書を読んでたお兄ちゃん。この人僕らが食べ終わるのを少し待ってくれてるような気配だった。隠れた気づかい。優しい気持ち。ありがとう。しっかり息子に教えといたよ。人間っていいよねって。

帰ってから二人で即太田胃散服用。
夏の思い出がまた一つできた。

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