小さな夏の旅1
早朝の出立
午前3時。
身支度と荷物の最終チェックを済ませ、子供達を車に放り込む。
まだ夜と言って差し支えないような暗闇と、かろうじて取得した有休をあざ笑うかのような雨の中、車は圏央道、そして中央道へ。
世間にはお盆休みというものがあるらしい。
そんな訳で渋滞を心配していたのだが、有難いことに杞憂に終わった。午前5時半には出口最寄りのSAに到着し、雨上がりの虹を横目に、簡単に朝食を済ませた。
よくある誤算
「いかない。ねむい。いかないで。」とは、ひまわり畑を前にした長男の言。自分は眠いから、このまま車で寝ていたい。さりとて車に一人残されるのは寂しいという、彼のお気持ちを集約した言葉である。
前日、ニュースでひまわり畑の特集を見て、それを見た長男の意向から予定コースに組んだのだが、到着10分前のテンションが嘘のような手のひら返しである。
まぁ、子連れの旅なんてものは、こんなことが当たり前に起こる。
霧雨の巨木
あっという間に二度寝を始めた長男と、追いかける様にいびきをかく次男を乗せ、車はのんびり農道から山あいの道を進む。ふとカーナビの画面に目をやると、「大ケヤキ」の文字が目に飛び込んでくる。
この状況では次の目的地まで急いでも仕方ないし、気になり過ぎて事故に遭ったらいけない。
家内に了承を得て、一路、件の大ケヤキを擁するという神社へ。少し下り坂の天気の中、ひとりカメラを片手に歩く。
子供達は寝ている方がありがたい、なんてことはいくらでもある。
短時間とはいえ久しぶりの写真撮影を楽しんだところで、そろそろ目覚めそうな長男に合わせ、次は電車ウォッチングをすることに。
つづく
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