見出し画像

同人作家のための「つくる」を支えるWebメディア「Fare.(ファーレ)」をリリースしました


こんにちは。普段は「ライルハウト」という制作レーベルで小説を書いたり同人誌のデザインをしたりしております、welcaと申します。

昨日、同人作家のための「つくる」を支えるWebメディア、Fare.(ファーレ)をリリースしました。

画像4

画像3

このようなかたちで、キービジュアル制作はQさん、ロゴデザインはKaoru Miyazakiさん、Webのデザインと開発周りは91kidoさんにお願いさせていただきました。
welcaは企画/編集、ライティング、記事サムネイルや記事内画像のデザイン等を担当しております。

Fare.(ファーレ)とはどんなWebメディアか?

Fare.(ファーレ)」は、同人作家のための「つくる」を支えるWebメディアです。

想定している読者の方は、

・これから同人作家になりたいと思っている方
・すでに同人活動をしており、ご自身の創作活動をより良くしていきたいと考えている方
・創作活動を始めてみたいと思っている/すでに活動されている方

です。

具体的には、

「同人活動を始めてみたい」
「もっとデザインにこだわった本が作りたい」
「いつも使わない紙を使って本を作りたい」

といった想いを持つ方に対して、印刷やデザインにまつわる基礎知識や、創作に役立つサービスなどの同人ハック情報をなるべくわかりやすく、すぐに役立つかたちで発信していくメディアです。

自身でも同人・創作活動を行っているwelcaが編集長として、自分の創作体験で困ったことや得た知識・役に立ちそうだと思った物事を、なるべくわかりやすく丁寧に、発信していくことを心がけていきます。

■Fare.(ファーレ)公式サイト
http://fare.blue/

なぜFare.(ファーレ)を作ろうと思ったのか?

総括として言うと、同人というフィールドが大好きだからなのですが、もう少しだけ詳しく言うと、創作活動を行う中で、「各作家さんの個性がより輝く世界を作りたい」という気持ちが日を追うごとに強くなったためです。

私が同人の世界に出会ったとき、デザインのデの字も知らなければ、印刷ルールや書体、ましてや本の作り方なんてほんの少しも知りませんでした。

よって、否応なしに自分で調べるしかなかったわけですが、同人活動に必要な情報が網羅的にまとめられている場所が少ないなと感じたのです。

調べてもでてこない情報は自分で試行錯誤しながら正解を見つけるしかありません。
結果的に、自分自身にスキルやノウハウは溜まっていくものの、自分が試行錯誤して得た情報の半分だけでもどこかにまとまってさえいたなら、もっと多くの時間を「情報を調べる」ことではなく、「つくりたいものを考える」ことに使うことができたのにとずっと思っていました。

Fare.を作った理由を説明するために、ここで少しだけ具体的な例をお話しさせてください。

同人・創作活動のプロセスとは?

同人・創作活動には、下記のようなプロセスがあると考えています。

画像3

創作体験プロセスを分解すると、「調べる」までは「課題解決」領域
「考える」からが「価値創造」の領域ではと、個人的には考えています。

課題解決領域
→いかに早く「価値創造」までに必要な情報やアイデアを整理できるか
価値創造領域
→いかに深く「自分だけ」の世界観や物語を、課題解決領域で得た膨大な知識に自分の心という「感性」を掛け合わせて創出できるか

このうち、「課題解決」領域は、「知っているか知らないか」だけでプロセスを処理するスピードが圧倒的に上がると考えています。

たとえば、素敵なグラフィックデザインを見て感銘を受け、「このデザインのニュアンスを取り入れた新刊を作りたい」と思ったとします。
その時必ず、「このデザインのこの部分はどうやって再現できるだろう?」と要素分解を始めるわけで、その表現方法を調べて考え始めますよね。

この行為は、「課題解決領域」です。
どのようにそのデザイン箇所が再現できるかの鍵になるキーワードを検索して良い情報が見つかれば、その通りにツールを駆使すれば再現することができます。

一方で、再現できたそのデザイン箇所をどのようにその他のアイデアや物語と結びつけるかは、その方自身の感性に大きく左右されるため、「価値創造領域」となります。

同じ情報を与えられて同じような知識を持っている人が二人いたとしても、その人の心がどんなものを綺麗だと思い、どんなものを描きたいと思うかで創られるものが変わると思うのです。

そしてこの、「価値創造領域」こそが作家さんの個性、すなわち「おもしろさ」に繋がっていくと考えています。

だからこそ、「情報を知っているか知らないか」の課題解決領域は可能な限り最短で進んでいただき作家さんの個性が反映されやすい「価値創造領域」に、なるべく多くの時間をかけることができる世界にしたいなと思ったのです。

既存雑誌「Nia」との住み分けは?

画像4

私が運営している企画のひとつで、Fare.とよく似た思想の企画として「Nia」というコラム雑誌があります。

Nia」は、「文字書きさんにとってすぐに役立つ基礎的かつ具体的なことを特集すること」をコンセプトにテーマを決めて発行しているコラム雑誌です。
コミティアやコミックマーケットを中心に、年1〜2回のスパンで、オフラインの雑誌のかたちで情報を発信しています。

ある情報を「なるべくわかりやすく」「すぐに役立つかたちで」お届けすることを根底においていることは、NiaもFare.も同じです。

ですが今後は、「Nia」では「人」を軸に置いたオリジナルの情報をわかりやすく扱い、「Fare.」では「知識」を軸に置いた既知の情報をわかりやすく扱う住み分けとしたいと考えています。

創作活動を行う中で日を追うごとに強くなった「各作家さんの個性がより輝く世界を作りたい」という気持ち。
この想いを実現するために最初に作ったのは確かに、「Nia」という「文字を書く人のためのコラム雑誌」でした。

でも、そもそも私はそういった世界を実現したくて「Nia」をつくったのに、「Nia」はコミティアなどのオフラインイベントでの展開を主とする雑誌なのだから、お届けできる方の層が限られてしまうなと思ったのです。

「Nia」や「Fare.」を一番届けたい人の姿を思い浮かべると必ず、数年前の右も左もわからなかった同人を始めたばかりの頃の自分が思い浮かびます。
あの頃の私は即売会の存在も知らず、ネットで何かを調べるのが精一杯でした。

同人活動をなんとか始めた後もしばらくの間は、本を出す度に試行錯誤する日々でした。
調べてもよくわからず、かっこいい本が作りたいのにどう作ればいいのか、どこから手をつければいいのかわからなかったからです。

仮に「Nia」があの頃この世界に存在したとして、あの日の私は「Nia」にたどり着けるでしょうか。

その答えは「NO」でした。

よって、場所を「オフライン」ではなく、アクセスしやすい「オンライン」に移そうと決めたのです。

今後のFare.(ファーレ)の展望は?

時勢も手伝い、これからきっと、世界は大きく変わっていく確信を持っています。
オフラインがオンラインに包括され、買い物のあり方や大切にする価値観が変化し、対面で会うことの価値が上昇します。
その変化は同人のフィールドも例外ではなく、5年後にはおそらく、
いま私たちが慣れ親しんでいるものが少しずつ進化し、新しい当たり前が作られていくはずです。

Fare.はそんな時でも、変化の波になるべく多くの方が楽しく乗れるようなメディアでありたいと考えています。
編集長であり、現在も同人活動をしているwelcaが、誰より先にその波に乗りながら、自分が経験したノウハウや知識を、Fare.の中に還元していく予定です。

いまこの瞬間、当たり前に存在している同人活動/創作ノウハウだけでなく、未来の波に乗るための新しいノウハウや、より多くの方の創作活動に触れ、刺激をもらえるようなコンテンツも拡充していく想定でおります。

さいごに

Fare.(ファーレ)が目指すのは、「つくる」ことに関する「Want」を誰でも、実現できる世界をつくることです。
そして、「つくる」をという同人・創作活動がもっと楽しく、もっと自由になる世界です。

同人の世界に出会った日の胸の高鳴りを、私は今でも忘れることができません。

こんなにも素敵な作品を作っている方が、こんなにもたくさん存在する。
その方の作品を楽しみにして、その方の活動を応援できて、そのために毎日が少しずつ楽しくなっていく。

そんな日々が新鮮で嬉しくて、いつからか自分も筆をとっていました。

私が今ここにいるのは、私に鮮やかでうつくしい衝撃を与えてくれた作品があったから。そんなすごいものを作ってくださる作家さんがいたからです。

それなら私も、そういう輪をつくるお手伝いがしたいなと。
心の赴くままに作り、知識を増やし、技術を磨き、感情を震わせ、そうしてかたちにした作品が世に送り出され、名前も知らないどこかの誰かの心を動かし、人生さえも変えていく。

Fare.(ファーレ)は、「〜したい」という純粋で強い作家さんの想いを後押しし、同人・創作の世界をもっとおもしろくするメディアでありたいと思います。

「つくる」ことを、もっと楽しく。もっと自由に。

この言葉を軸に、ここから「Fare.(ファーレ)」は始まります。

こんな記事があったら嬉しい、こんな記事が読みたいといったご意見から、何かご一緒できそうなコラボのお誘いまで、いつでもお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。

更新情報は、Fare.(ファーレ)の公式アカウントで適宜発信してまいりますので、よかったらフォローいただけたら嬉しいです。

これからどうぞ、よろしくお願いいたします!

■同人作家のための「つくる」を支えるWebメディア「Fare.(ファーレ)」
http://fare.blue/

■Fare.(ファーレ)に関するご意見・ご感想フォーム
https://forms.gle/ivz6g1TxUCshn5f77



最後までお読みくださいましてありがとうございます!