#16「おにいちゃんの葛藤」


学童で働いていた私が子供との関りを綴る日々の記録です。

幼稚園から小学生に上がる。担任の先生が変わる。学年が変わる。環境の変化は様々に起こります。色とりどりの変化の中で、これらに匹敵するくらい大きなものがあります。それが弟や妹ができて、お兄ちゃん、お姉ちゃんになるということ。
仲のいい兄妹を見ると微笑ましく思う反面、喧嘩に介入する際は、支援者として平等に接します。ここでは役割の殻を脱いでありのままの姿で居られる場所でもあってほしいと思うのです。
当然ですが、親御さんからすると、下の子どもができたら、そちらにかかりきりになるのでしょうから、ある時男の子のつむら(仮名)くんが、普段は外遊びで走り回るのに元気がありません。話を聞いたら親が「全然構ってくれない。」ことに腹を立てて文句を言うのでした。「自分なんかいない方がいいんだ」と言うので、そんなことないと伝えるのですが、つむらくんには響きません。どう言葉にすればいいのか、考えるうちに場面は流れ、帰ってきたら手を洗って宿題をして、と怒涛の流れがある中で一息ついても答えは出ませんでした。今の私なら、支援者同士で話し合って、どのようにつむらくんの寂しさを受け止めていくかを検討するのでしょうけれど、当時の私は受け止めるだけで余裕がありませんでした。一人で解決する必要はありません。チームで検討して対応することが大切になるのです。
(ともくん)

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