見出し画像

自然にあつまる社内コミュニティのつくり方②

前回の記事はこちらです。

現在、いろいろな企業で社内コミュニティづくりの取り組みがされていますが、大切なのは「その会社らしい」ことをすることです。他社の成功例が自社にも当てはまるとは限りませんし、それで失敗して「やっぱりうちの会社では無理だ」とあきらめてしまうのはとてももったいないことです。

【「会社主体」であることのいいところ】
・お金をかけることができる

福利厚生などの予算として認められる会社も多いのではないでしょうか?この場合は著名人を呼んだり、飲食や内装のグレードを上げるなど、社員にとって普段できない経験にすることができます。

・全社への告知がしやすい
社内のつながりをもっと持ちたいと考えている社員にとって、自分で人を集める必要がないため気軽に参加できます。

・自分でコミュニティを立ち上げる社員を増やすことができる
きっかけや仲間がいれば、自分でも何かやりたいと思っている社員がいるかもしれません。ここで仲良くなったメンバーと別の社内コミュニティが立ち上がり、自走式のコミュニティができることもあります。

・社員のさまざまなニーズや考えを聞き、社内の改善に活かすことができる
リラックスした場では仕事に対する課題や、もっと会社がこうであればモチベーションが上がるのに、といった本音を聞けるチャンスです。上司との面談などといった形式的なところでは出てこない話だったりします。主催する部署が総務や人事といった場合は組織文化や制度改革にも取り入れられるものもあるかもしれませんので、ぜひ積極的に会話をしてみましょう。


コミュニティを成功させることも大切ですが、それよりもコミュニティを主催する担当者が疲弊しないことも重要なポイントです。最初から大人数を集めることを目標にするのではなく、小さく始めてテストしながら自分の会社らしいスタイルを見つけていくことがストレスが少なく長続きさせるコツです。そのためのヒントをいくつかご紹介します。

<対象者・テーマ設定>
まずは新卒者だけの勉強会、子育て中の社員のためのランチをしながら子育て話をする会、など対象を絞って少人数で始めるのもおすすめです。
テーマに関しても、担当者が自分たちの興味のあるテーマにできるといいです。対象者の興味を最優先していきなりよく知らないことをテーマにしてしまうと企画がブレてしまったり、自分も楽しんでできなくなる可能性が高まります。勉強会だったら自分も一緒に学びたいもの、趣味などの場合は自分も楽しんでできることがおすすめです。

<参加者を集める>
社内のイントラネットなどで告知すること以外に、ぜひ積極的に自分から直接来てほしい人に声をかけてみましょう。まずは顔見知りの人だけでもいいです。私も入居しているシェアオフィスでたまにイベントを開催していますが、「イントラネットや掲示板で告知は見ていたけど、直接声かけてもらったから行くことにしました」と言われることがよくあります。ちょっと興味はあるけれどどうしようかな・・と迷っている人にとっては、一緒に行く人がいたり、会に顔見知りがいると参加するきっかけになります。

<運営方法>
次は実際に会を運営する方法についてです。
企画して参加者を集め、当日は自由に楽しんでくださいね!とやってしまいがちなのですが、ちょっとした工夫で満足度がアップします。うまくいくためのヒントをいくつかお伝えします。

<会の運営(当日)>
①同じ部署や属性の人がランダムに座れるようにする
自由に座ってもらうと知っている人同士が固まりやすいです。席は紙に番号を書いただけの簡単なくじを作り、受付で引いてもらいます。また、着席だと自分の周りの人たちとしか話さなかったという場合もあるので、適宜席替えを実施するとよいでしょう。
②簡単なアイスブレイクで会話のきっかけを作る
すでに同じ会社という共通項があるので知らない人同士でも会話に入りやすいのですが、つい仕事の話ばかりになりがちです。好きなことや最近楽しかった出来事など、仕事と関係のない話題を話してみるように促し、会話の糸口を作ってあげましょう。
③普段社内ではできないようなルールを作ってみる
社内コミュニティに参加しない大きな理由の一つに、仕事の上下関係がそのまま持ち込まれるからリラックスできないということがあります。
「ビール好きの集まる会に参加してみたけど、上司に隣に座らされ、前の席には先輩もいる。結局仕事の話になるし、コップが空いたら注がないといけない。これじゃあいつもの部署の飲み会と一緒だよ・・・」といったパターンです。「お酌は職位が上の人が下の人にする」「30分間だけ敬語禁止」など、普段できないことをルールにしてみると楽しめます。
以前、会社の役員の方たちが懇親会の場で着ぐるみを来て社員をもてなしてくれたことがありました。普段決して見られないような上長たちの姿にその場はとても盛り上がりましたし、「常務はあんなこと絶対やらないタイプだと思ってたけど、意外とノリノリだったね!」など後々まで話題になっていました。社内で会った時に話しかけやすくなりますし、距離がぐっと縮まります。
④次の会場はどんなところがいいか?どんな内容がいいか?をその場で聞いてみる
主催者だけで毎回考えるのは大変だという場合にアイデアをもらうことができます。また、参加者も自分で提案したお店に行けたり、企画が実行できるとなると次回も来てもらいやすくなります。また、他にどんなテーマがニーズがありそうか探ることもできます。あとからアンケートを取るスタイルでも構いませんが、翌日以降になると回答率は下がってしまうので、会が盛り上がっているなと思ったところで話題にしてみると、その場でディスカッションが始まりアイデアも出やすくなります。次回も来る確率が高そうな人が何人かいれば、その人たち中心にそこで次回の日程を決めてしまうのも手です。次回以降参加者を集めるストレスも減っていきます。
⑤写真撮影をし、後日コミュニティの共有ファイルなどで共有する
楽しかったことを思い出してもらうことと、名前は憶えてるけど顔が思い出せないといった場合の助けになります。また、盛り上がっている様子を次回の告知の時に使うと効果的です。

<会の運営(開催後)>
在宅勤務が多いとむずかしいかもしれませんが、参加者に会った時はぜひお礼と共に声をかけてみてください。気にかけてもらえてる、と感じることは次も参加したいという気持ちにつながります。

また、上記の④にあるように、参加者の意見を企画に反映するようになると、だんだんと主要となるメンバーが出てくるようになります。主催する部署は企画をリードする側から、だんだんと参加者をサポートする側に回るようになるとコミュニティが自走するようになり担当者の負担も減ってきます。
しかし、参加者に任せっきりにしてしまうと会社のルールや当初の趣旨とずれてきてしまうこともあります。あくまでも会社が主体のコミュニティなのでその辺りのハンドリングも必要となってきますが、担当者もメンバーと一緒にコミュニティを楽しむスタンスでいれば、何かあった時に意見が言いやすく、聞いてもらいやすい関係ができてきます。


先にお話ししましたが、いきなり大人数を集めて盛り上げようとするのはハードルが高いですし、難易度も上がります。ぜひ「自分も楽しむ」という気持ちも大切にしながら、小さいことからでいいのでチャレンジしてみてください。

次回は「社員が主体」となる社内コミュニティづくりについてお伝えします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?