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肉体労働の生産性は可視化される

 肉体労働モードが続いている私であーる。

廃墟ビルのリノベも、ようやくプロの基本的な作業が一通り終わり、次に私たちが内装(コンクリート壁への強化剤の塗装、壁紙&床材貼り)を完了させた後に、トイレとキッチンの設置、電気設備とガス栓などの最終工事が入ることになる。

今はずっと壁の補修やら壁紙の下地パテ塗りなんかをやっているところなのだが、今回で三回目になるというのに、まだまだ私のスキルは発展途上にある。要するに納得がいく技術が身に付いている訳ではないのだ。

プロのパテ塗り動画を何度も視聴して、イメトレをしながら本番に挑むのだが、スピードアップしようと思うと結果が粗くなったり、丁寧にやろうとすると時間がかかったり。

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プロのパテ塗りというものは、サンディング(やすりがけ)が不要になるほどのものらしいので、それを目指すべく頑張っていたのだが到底及ばず。最終的に自ら粉まみれになりながらサンディングとパテ塗りを繰り返しているのだ。

プロならば一日で終わるような仕事なのに。

「これといったスキルのない僕だけど。
内装の会社に拾ってもらえた。
試用期間の3ヶ月の間に、ぜひとも使える人材だと思ってもらいたい。
絶対に正社員の職を得たい。
ここで辞めたら僕はいつ本気になれるというのだ。」

というフリーターの僕キャラを脳内でイメージして気合を入れていく。我ながらイチイチ面倒なヤツなのか、単純なヤツなのかの判断が分かれるところだ(汗)。

脳内で戦略を立てる。

この状況で採用される人材とは。
以下の様な二人がいたら、どちらが採用されやすいのか。

スピードは速いが、クオリティがタコ。

最高品質の仕事ができる素人はいないから、

クオリティが及第点で、スピードが遅い。

考えてみたけれど、そもそもクオリティが及第点にならない人が採用されることはないと思ったわけよ。そこから慣れればスピードアップできるからね。つまり目指すは後者である。

まずはスピードよりも合格ラインを目指す。そこで疑問が。

合格ラインってどこにあるのよっ!!!!

そこでハッと我に帰る私。リアルでは施主側である。つまりその合格ラインは私が決めなければならない。

最高品質を求めればコストが増えるわけよね。

施主側の妥協ラインはどこなの?????

などと考えながらパテ塗りなんぞをしていくと、段々と合格ラインが駄々下がりになってくるのはなぜだ(汗)。

最初は「神は細部に宿る!」モードで頑張っていたのだが、そのうちに

「(過去2回とも)下地のまずさが響いた壁を、気にするのは最初だけだったし。今となっちゃ、誰も気にしてないし。

という自分への甘さが露呈する(汗)。

っていうか、肉体労働の場合、その生産性が露骨に自分で分かってしまう。一日で終わると思った作業に二日かかったとしたら、そのコストは倍である。

泣きたい..........orz

そういえば、先日、いつも行っているホームセンターで職人さんの動きに目が止まった。改装工事が終わったようで、組んでいた足場の撤去作業を数名で連携しながら作業を進めていたようだ。

めっちゃくちゃスピーディであった。動作に1ミリの無駄もない。高所から足場を崩しているのだが、取り外したパイプをバケツリレーの様に手渡しながら地上へと下ろしていく。

ぼーっと見ている間に、どんどんとパイプが地上に下ろされていく。

彼らの生産性はウソがつけない。仕事しているフリもできない。やってる感を出してもモノが動かない限り、誰もそいつが仕事ができるとは思わない。

ひぇえええええええ。

その昔、某公共放送で「はたらくおじさん」という番組が放映されていて、学校の授業中に視聴したのだが、私はいつも興味深く見ていた。この番組名はその後「みんなのしごと」「はたらくひとたち」となる。

はたらくおじさんの生産性は、今思うとすごく高かったと思う。

肉体労働をする私の生産性は割と低い。2時間ほど作業すると、すぐに甘いものを食べて珈琲が飲みたくなってしまう。労働の対価は、あまりにも高カロリー。消費分の倍返し。なぜに痩せない。

結論。職人さんへの差し入れでは三笠(どら焼き)が最も好まれる(私調べ)のだが、私も三笠を食べたくなった。肉体労働には甘いものが必須!

デスクワークで雰囲気だけで仕事してる人とは、違う世界を生きている。が、悲しいことに肉体労働はスケーリングしない。熟練度に応じて単価は若干上がるかもしれないし、スピードも上がるかもしれないけれど、ペイが10倍になったりはしない。

そこから抜け出すには胴元になって自分が動かずに誰かに動いてもらう側になるしかないのだな、とぼうっと考えながら作業は続く。

パテ塗り現場を電気工事のサトルさんに目撃されてしまった。

サトルさん「ひぇえええええ、自分でやってるの?ようやるわ。すんごいバイタリティやな。」

私「そりゃもう、コスト削減で(笑)。」

サトルさん「ワシなんて、プロに全部任せるがな。その方が速いで。そんなん、やってもうたらええのに。」

ですよねー。私もそう思うわ(汗)。

私はどこに向かって何を目指しているのか、時々わからなくなるのよねぇ。とりあえず目の前の作業を終わらせるまでは、前に進めない。

三笠を食べつつ、がむばる!


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