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そのぽっこりお腹の原因はSIBOかも?

※過去記事を修正した再投稿記事です。

SIBOとは、Small Intestinal Bacterial Overgrowth、略してSIBO。小腸内細菌増殖症。

細菌が住んでいないはずの小腸に、大腸から移動してきた細菌が住み着き、小腸でまだ未消化の糖質や食物繊維などを細菌が発酵させ、小腸でガスが発生します。

  1. 豆類、果物、乳製品、小麦、にんにく、玉ねぎ、ごぼう、甘味料を食べた2から6時間後にまるで妊娠したようにお腹がぽっこりと張り、ゲップ、下痢または便秘を伴う

  2. 発酵食品、食物繊維、オリゴ糖、プロバイオティクスなどを摂るとお腹の張りが悪化する

  3. IBS(過敏性腸症候群)がある

  4. 精製小麦とや乳製品などの遅延性食物アレルギー持っている、または過去数年間ほぼ毎日パンや乳製品を食べている

  5. 食には気をつけて、食物繊維や発酵食品など体に良いものを一生懸命食べているのにガスが一向に改善しない

これらの症状、特に1から3がある人はSIBOの可能性があります。

20代の若い女性に多く、また、特に若い女性で月経困難症(またはひどい生理痛)を含む婦人科系がある人に、SIBO、腸カンジダ、ディスバイオーシス(腸内細菌叢の乱れ)などお腹の不調がある人が多いです。

また、SIBOはFODMAP(フォッドマップ)に反応します。
FODMAPとは消化しにくい糖類;
Fermentable:発酵性
Oligosaccharides:オリゴ糖
Disaccharides:二糖類
Monosaccharides:単糖類
Polyols:ポリオール
の頭文字をとった 略称です。

詳しくは以下の食品が該当します。

  • 果糖:果物、蜂蜜、精製砂糖、異性化糖(コーンシロップ)、アガベシロップ

  • 乳糖:乳製品、乳製品を含んだ加工食品、添加乳糖、ヨーグルト

  • フルクタン(オリゴ糖):甘味料のオリゴ糖、小麦、ライ麦、大麦、ニンニク、玉ねぎ、らっきょう、ごぼう、アスパラガス、カリフラワー、マッシュルーム

  • ガラクタン(オリゴ糖):豆類、里芋、芽キャベツ、大豆、小豆、豆乳、スナップエンドウ、カシューナッツ、ピスタチオ

  • ポリオール(糖アルコール):ソルビトール(食品甘味料)、マン二トール(ガム、飴、ふりかけ)、キシリトール、エリスリトール(シュガーフリーの飴やガムに含む)、ミント

SIBOの人は程度の差はあれど上記のカテゴリのいくつかまたは全てに反応します。

ただ、このFODMAPのフルクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、食物繊維、発酵食品‥‥

これって腸にいい食品だよね?

そうです。短鎖脂肪酸を作ってくれる重要な成分で、腸内細菌を育て、健康増進に役立つ物質を作ってくれる、健康に欠かせない食材です。

SIBOになっているとこれら体に良い食品を食べると症状が悪化します。

SIBOは日本ではまだ多くのお医者さんが認識されていないようなのですが、一部のお医者さんには認識されていて抗生剤で治療します。ナチュロパシーでは低FODMAP食で腸内細菌に餌を与えない状態にして、ナチュラル系の抗菌剤で除菌します。

低FODMAP食は、オーストラリアのモナシュ大学が提唱した食事法で、現在欧米で広く利用されています。

ここで注意して欲しいのが、小腸の細菌を殺すのは対症療法に過ぎないこと。ナチュロパシーで主にフォーカスするのは除菌後の対応です。

細菌がどうして小腸に移動することになったか?
もともとディスバイオーシスや腸の炎症やリーキーガットがあったか?
精製小麦と乳製品の遅延性食物アレルギーがあったのか?
ストレスからくる胃酸分泌低下などの要因があったか?

SIBOに至った食生活習慣の原因があるはずなので、ナチュロパスは根本原因を探っていき、そこに対応していきます。また、ガスによりダメージを受けて弱った腸と、もとも弱い消化力を改善していきます。

傾向としては、社会に出たばかりの女の子たちが、急にストレスに晒され、時間がなくなってパンやパスタメインの糖質高めの食事が多くなり、野菜が減り、また甘いものでストレスを発散する生活をしていていたら、生理痛がひどくなったり、急な下痢や便秘が起こり始めお通じの不調が増え始め、徐々にお腹にガスがたまるようになってきたな、と思い始めたものの、仕事への対処にいっぱいいっぱいでそのまま放置していたらガスがどんどんひどくなって、、、という感じでしょうか。

まずは腸内細菌のバランスが崩れるディスバイオーシスから始まり、ストレスによるIBSなどの症状が起こり、徐々にSIBOに発展していくケースが多いように思います。

リーキーガットやディスバイオーシスのもとになる精製小麦や乳製品の遅延性食物アレルギー(食物不耐症)も潜在的に存在していることが多いです。遅延性食物アレルギーは、アレルギーというと誤解を与えますが、毎日同じ食品を食べ続けることでなるIgG抗体の反応で、既存の疾患の症状を悪化させたりするものです。

SIBOへの対応はおおよそ以下のイメージです;

  • 精製小麦や乳製品を一定期間除去

  • 除菌中はFODMAPを制限

  • 細菌や真菌など幅広い病原菌に働きかけることのできる自然の抗菌剤で除菌

  • 消化機能を向上するようサポート

  • リーキーガットを改善

  • ディスバイオーシスを改善して腸内細菌叢を育てる

自己流で除菌を続けたり、低FODMAP食を続けるなどして、SIBOを拗らせるケースが多発しています。除菌ハーブは摂り続けると当然善玉菌の育成を阻みますし、低FODMAP食は栄養を偏らせ、自己治癒力を働かせるための栄養を摂取することも難しくなってしまいます。

SIBOにはいくつかタイプがあるので、また次回紹介します。



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