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人体を支配するしくみ「人体にみる進化の痕跡」13

毎週水曜日は、Newton「人体を支配するしくみ」を、見開き2ページずつ読み進めるシリーズです。

どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトなので、「人体の進化に興味はあるけど、難しそうだし面倒くさい」という方には、丁度いい内容になると思います。

僕も読んでいく中で学んでいく立場です。
ぜひ一緒に学び成長し、分かる楽しみを共有していきましょう。


まだまだある人体進化の謎

ヒトはなぜ便利な毛皮を捨てて裸になったのか

哺乳類が有する体毛は、防寒や日よけに役立つとされていますが、ヒトは何故か進化の過程の中で裸(産毛)になりました。

例えば、ヒト以外の哺乳類で体毛を有さないものには、象やイルカなどがいますが、前者は「無毛の方が熱を放散しやすい」、後者は「水中では不要」という理由があります。

しかしヒトの場合はそのどちらにも属さず、また体毛は化石になりにくいことから、いつから失ったのかを知る由もないとのことです。

一つの仮説として、国立科学博物館名誉研究員(出版当時、人類研究部部長)の馬場博士は、「長距離の陸上移動をする上で、無毛の方が発汗に優位であった」としています。

ヒトはサルの子供の性質を残すように進化した

進化史の専門用語に「ネオテニー(幼形成熟)」という言葉があるそうです。

この言葉は、成熟しても幼形を長く引きずっている状態を意味します。

理由は未だ不明のようですが、たしかにチンパンジーの子どもは上の絵を見てもヒトに近いように感じます。

ヒトは進化の終着点ではない

これまで原始的な器官がヒトの器官に至るまでの進化の過程について紹介してきたこともあり、「進化の終着点があたかもヒトであるかのような印象を持った方もいるかも知れないが、そうではない」と強調されていました。

併せて、現在生きとし生けるものは全て進化の頂点にあると言っても過言ではなく、それぞれの生き物のそれぞれの器官にもまた独自の歴史があるとまとめられていました。


僕たちが生きている間には、ヒトは大きな進化はしないかもしれませんが、これから新たな進化をするとしたら、どんな器官が変わると思いますか?

僕は、よりアクティブな生物になるのなら「退化したとされる尾骨が復活するのでは?」と思います。

逆に、パッシブになるのなら「24個ある背骨が癒合して減少したり、骨盤部が座りやすい形状に変化するのではないか」と思っています。

次回(7/12予定)は、「ヒトの体が持つエラの痕跡」です。
それではまた

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