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歯車

インターネットといえども様々な使い方をされているわけで、いざ記事を書こうと思っても手が止まってしまう。
課題から逃げるために見切り発車で書き始めよう。うぇすとです。

前述のとおり特に話題を決めて書き始めたというわけでもないので「インターネット」という単語からまず連想される言葉を考えてみよう。

「炉心融解」

そう、炉心融解である。

作詞担当kuma、作曲担当iroha(sasaki)によるボーカロイド、鏡音リンの代表曲と呼んで差し支えないこの名曲は何を隠そうワールドトリガー以外にアニメコンテンツましてやインターネットの文化を知らなかった私をボカロ沼、ひいてはインターネットの沼に引きずり込んだ諸悪の根源原因なのだ。

何気なく見ていたYouTubeの関連動画欄に突如現れたこの不穏な単語は、当時絶賛中二病を患っていた中学三年生のうぇすと少年の関心を引き付けない訳がなかった。

おそるおそる五分ほどの動画を開いてみた。
(当時のうぇすと少年が見た動画はニコニコからの無断転載だったはず)


言葉を失った。

冒頭の引き込まれるイントロ、聴きなじみのない電子音。歌詞は小難しく、意味が完全に理解できる訳でもないがどこか不穏さとさみしさを醸し出している。

部活動を満足に引退し、高校受験に全力を注ぎすぎた結果少しずつ空転しはじめ、若干鬱気味になっていた私はどこかで刺激を欲していたのだろう。
成績が伸び悩み、彼女とも別れ、仲の良い友人とも口を利かず、睡眠時間は減っていく中、周囲と比べて足りない内申へのコンプレックスと嫌いなクラスメイトや先生を見返すためだけに机に向かっている醜い自分について「本当にこの世に必要な存在なのか」わからなくなっている状態を的確に表現した「私だけの私のための歌」のように感じていた。

それまではJ-POPばかり、知っているアニソンといえばゲッタバンバンとポリリズムぐらいだった自分の中に昏く、弱弱しくもはっきりとした何かが沈み込んでいくような気がした。

その日を境に狂ったようにボーカロイド、そしてアニソンを聞きかじった気がする。

ある日はセンダンライフを

ある日はTell Your Worldを

ある日はシュガーバインを

ある日はSleep zzz… を

一度はまってしまったら手当たり次第に貪る性格が災いして本当にいろいろな曲を聞くようになってしまっていた。
上記5曲はその中でも特に好んで聞いていた曲である。本当に何回も聞いた記憶がある(おそらく再生回数のうち85回分は私が回したはず)。彼女と別れ別の「癒し」を求めていた私に初音ミクの肯定や巡音ルカの励まし、そして東山奈央の優しい声は特攻薬のようであったように思う。
当時私はニセコイを観たことはなかったが、画面に描かれた彼女が私をツンデレ好きにする原因にもなっている。

当時の自分は今振り返ると一番の黒歴史で、出来ることなら葬り去ってやりたい過去なのだが、この時期を経験しないとどうも今の自分を肯定できない気がする。
この曲たちに元気づけられ高校受験を成功させ、卑屈で捻くれていた私を笑って受け止めてくれる素晴らしい友人たちに巡り合えたのだから。




私をこの世界へと導いてくれた炉心融解に感謝を

この曲が今の私を作り上げる礎となったといっても過言ではない。





大学生活が始まり一か月が経とうとしている。
当時の自分が思い描いた姿からはずいぶん遠回りをしているようにも思えるが、縁あってまた素晴らしい友人たちと再スタートを切れそうだ。


最後に、当時の私が一番好きだった歌詞を引用しよう。

僕のいない朝は

今よりずっと 素晴らしくて

全ての歯車が噛み合った

きっと そんな世界だ

「炉心融解」kuma (2008)


今の私は噛み合う歯車になれたのかな




追記
時を同じくして私は、学校で友人に勧められて読んでいた「バカとテストと召喚獣」のアニメの無断転載をYouTubeで偶然発見し、アニメ沼にもハマっている。

↓執筆時のbgm


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