#創作怪談
「 #書いてつながろう 」
みんなで「書く」ことでつながったり、楽しい習慣になったらいいな。
そんな企画に賛同したメンバーで、毎週テーマに沿って投稿しています。
参加したい方がいましたらコメント欄にてご連絡ください。
今週のテーマは「 #創作怪談 」です。
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僕は、恐ろしいほど霊感がない。
誰もが感じる幽霊を感じられないヤツの方が逆にホラーかもしれない。
霊感もないくせに、恐い話も大キライだ。
子供のころ、友だちが集まって恐い話が始まると、
僕は耳を両手でふさいだり、離したりを繰り返し、コトバとして認識できないようにする。
テレビとか本で恐いシーンが目に入りそうになったら、目を深く閉じてシャットダウンする。
それでも少しだけ漏れ聞こえたり、目に入ってしまうと寝るころに思い出し、夜中のトイレが怖くなってしまうのだ。
今日は、天気がよかったので、バルコニーにキャンプ用のイスと文庫本を持ち出し、読書することにした。バルコニーにはアブみたいな虫の死骸が落ちていた。マンションのバルコニーは、虫にとって土も緑も餌もない墓場みたいなところだ。
本を読んでいると、ひざから太ももにかけてくすぐったい。
新参虫が僕の脚をのぼってきたのかと思い、本をどける。
虫はどこにもいない。
また、読書にもどる。
太ももがフェザータッチされてるみたいにざわざわする。
やはり、虫はいない。
バルコニーで悲運の死を遂げた虫たちの霊魂が地縛霊として漂っているのかもしれない、虫レベルの霊感が僕にもとうとう降りてきた!、と思った瞬間、本からひもがたらんと垂れ下がり、風にひらひらと揺れている。触覚みたいに。
僕の脚をくすぐっていた幽霊の正体は残念ながらしおりひもだった。
ちなみに、このしおりひも、出版業界では「スピン」と呼ぶらしい。
スピンがついている文庫本は新潮文庫だけ。そのほかの出版社はコストがかかるためか、スピンレスになっている。
ある日突然、花粉症を発症するように、霊感は発症してくれなかったけど、その引き換えに文庫本トリビアを発見できたのでよしとしよう。
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次回のテーマは、「 #あの番組を語る 」です。
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