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あきらめる

先日、山崎ナオコーラさんの新書「あきらめる」を読んだ。

わたしは以前「指先からソーダ」というエッセイを読んで、ナオコーラさんの等身大の雰囲気がとっても安心して、そこから気になっている作家さんだった。

ナオコーラさんの小説を読むのは初めてだ。
とっても現代的なストーリーであり、
指先からソーダのエッセイとは違い「あきらめる」は
なんとなくシリアスというか薄暗い雰囲気が漂ったかんじではじまるストーリーだった。

帯にも書いてある通り、「あきらめる」って古語ではいい意味だったらしい。「明らかにする」が語源らしい。
ものすごく簡単に言うと、ポジティブなあきらめについてのストーリーだったのだが
最終、じんわりと自分にやさしい気持ちになれる作品だった。

わたし自身は、最近新しい職種についたばかりで
「あきらめる」という題目の本を読むのって
いいタイミングじゃなかったりして
と思いながら読んだのだが、逆にポジティブなきもちになれた。

ナオコーラさんの本を読んでいて、
本当に勝手な憶測でしかないが
すごくやさしい人なんだろうなあと思う。
本を通して、そうゆうやさしいエネルギーに触れられるのがありがたいと思う。

どんな人と繋がりたいかってことについて
リアルじゃなくても本とか作品をとおして選べるってすごく幸せなことだ。自由だ。

作品の最後のほうで、登場人物みんなで山に登るシーンがある。
頂上まで行くことを目指していた人も、途中で諦めて下山する。
「みんなで登ってみる」「この山の景色に触れてみる」ってことが大事だったんだと思ったのだと思う。

そういえば、たまたまYouTubeで流れてきた動画で
自分のこれからの人生について悩んでいる人に対して、その人にアドバイスをする動画があった。

相談者はなにもかも中途半端になって成し遂げられないと悩んでいるようだが
アドバイザーは「結果はおまけ」だという。
自分がいいと思う山に登って、そこで景色を感じればもう成功じゃないかと。
成し遂げられないから失敗なのではない。
登っていて明らかになっていくことがあると。

そうだね、成し遂げるがゴールではなくて
明らかにしていくことが大事なプロセスだね。
つまり、挑戦して明らかにしていく。
そうして、難しかったらそこにこだわらず
またそのいいところを感じにいけばいい。
はたまた、別のまたよさそうなほうへ散歩していけばいい。

そう思うと、なんかポジティブなきもちになれて
わたしも新しい仕事がはじまったばかりだが
この「あきらめる」を読んでよかったと思う。

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