笑えない

今日は猫の日。


来世は猫になりたいと願う日。


ニャー。




この1ヶ月間。

なんとか毎日を凌いできた。

鬱全開な気持ちをココに吐き出す程に重症な事もなく、時に穏やかな日もあった。


それが昨日、野良猫くんに
思いっきり心臓をえぐられた。

あまりにも不意打ちで、
戦意喪失で立ち去るしかなかった。

血はダラダラ流れているけど、
痛みより呆れている。




言語の違いではない「言葉が通じない人」という、会話が成り立たない人と出会う事が度々ある。

それが野良猫くんだ。

ごくたまに、思考や感じ方に
とても共感出来るなと感じる瞬間があり、それが重要な部分だから尚更嬉しくなったりもした。

今までも小さなズレが重なって、
大きな歪みになりつつある気配を
感じないようにしてきた。


「これくらいなら大丈夫」
「たまたまそうなっただけ」
「気にする程の事じゃない」


それが自分への言い訳だと気付かないフリをしながら。

私が手を離せば何も残らないと
分かっているから。
限りなく無縁な縁にしがみつく理由を考えないようにして。




不意打ちに鋭い爪で心臓をひと掻きしてくれたわけだが、きっと今までその爪を隠して猫被りで私の前にいたのだろう。

たまたま昨日だっただけで、
私がそれに気付けない鈍感さ。

拒絶と怒りに満ちた鋭い目を向けられ、何を言っても無駄なんだと思った。

野良猫くんが怒る理由は正直言って理解不能だし、理解したいと思わない。

ただそんな目をさせてしまった事に、出逢ってからの日々を悔み、心の中で謝った。




彼を失って笑う事が出来なくなった時に、笑う事を教えてくれた野良猫くん。

今また笑う事が出来なくなった。

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