僕は君を殺せない|長谷川夕|読書感想文①
私がその本を手に取ったのは中学3年生のときだったように思う。友人と学校帰りか遊びに行ったときに本屋へ行き、本の装丁から感じる冬の空気の冷たさと、そこに血を流して横たわる人物の妙な親和性に惹かれた。文字に起こせば物騒だが、私はそこに美しさすら感じた。
帯には「問題:だれが『僕』でだれが『君』でしょう?」と、ミステリーでよくありそうな読者に対しての問があった。
もしこれから本を読んでくださる方がいれば、この問を頭の片隅に常において読み勧めてほしい。最後の5分の1で心を抉られる