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壁画描いたわ〜 の巻

メルボルンにて、コミッション(依頼仕事)としては初めてとなる壁画を描いてきました〜。

シティから車で40分ほど、程よい郊外にあるレストランです。

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こっちではあまり一般的とは言えない(らしい)ウニをメインに出してくれるお店で、他にも新鮮な魚介たっぷりでした。

今回の投稿では、この仕事の流れと今後の決意(またしばらく仕事はしないぞの決意)を紹介したいと思います。

1どこから仕事が来るか
2今回の仕事の流れ
3結果
4得たもの
5今後の決意


1どこから仕事が来るか

僕の場合はinstagramかその他ネットを通じての依頼が100%です。特にこっちに来てまだ日が浅いので、口コミってのはまだ無いですね。日本と違って、以前から付き合いのあるクライアントもいないので、全てが新規って感じです。
さっき数えてみたらメルボルンにいる間に12件壁画の依頼が来ていました。日本に帰ってた期間を除いて3ヶ月ほどこっちにいるので、週に1度新しく依頼が来るって感じです。
すごいなー、これ。絶対日本では無い。カフェやレストラン、ジムやヘアサロン、オフィスや個人宅から、「ウチに描きに来ない?」って気軽に連絡が来るってのが、日本では無い感覚です。
これまではちょっと様子を見てこれまでは断ってたんですが、今回は依頼内容と描きたい内容がフィットしたのでお請けすることにしました。


2今回の仕事の流れ

今回はレストランのオーナーが僕の絵をネットで見つけてくれたのが最初です。以前からレストラン内には日本人アーティスト( BombGくん。こっちで知り合いました)の壁画があったんですが、その奥のスペースが殺風景だから描いてくれないか、とのことでした。
具体的なオーダーとしては、「ウニを描いてくれ」ってのはあったけど、あとは無し。僕は人とか自然ってのが描きたいのは知ってくれていたので、自由に考えました。(ちょっとおじさんみたいなこと言うけど、絵を使って何かを説明するのはイヤなんですよね。それはイラストの仕事だし、空間のムードを作れるのが壁画のいいところだと思ってて)

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サイズは柱で仕切られながらも高さ3.5m×幅9m弱と、多分ひとりで描く中では一番大きいかもって感じです。

下絵を描いてオーナーにokをもらったら、大量の塗料を塗料屋で見繕います。全ての塗料の光沢レベル(無光沢↔︎光沢が5段階ある)を選び、調色(基調色を元に指定のカラーチップの色に絵の具の色を調整)してもらいます。

あとは現地で徹夜で描きまくる心の準備ができたらスタートです。今回は2徹夜半で終わりました。。


3結果

IMG_1949のコピー

良かったっす。描きたいモチーフが描けたし構図もカッコいいですよね!笑 ここはお客さんが通る導線になってて、みんながこの前を左から右に通るんですよ。なので、右上に抜ける構図にして、余白多めのスッキリ構成にしました。
ちょっと最近マンガも描いてて、なんかそのコマ割りみたいなのを壁画に落とし込みたいなーって試してるんですよね。良い試作にもなりました。


4得たもの

これまで依頼を断りながら、今回ようやく描いた結果、なんか色々思いました。
まずは「とにかく絵が描けたら色んなところで生活できるもんだなー」と感じました。
依頼を月に1回でも受ければ生活できちゃうし、貯金だってできる。人も喜んでくれる。僕も素直に嬉しい。
反面、なんだろな。それだけじゃダメになっちゃうな、とも思いました。
依頼の仕事だけしてると、自分が無くなってしまう感じがします。日本じゃそもそも依頼の頻度が少ないから、結果自分が好きに絵を描く時間がキープできるんだけど、こっちだと依頼仕事に飛び込めば日々が過ぎて行きそうで。

僕は常々思い出すようにしてるけど、なんか作るときは「子供の時みたいに、気ままに自分発信でやる」のがベストだと思うんすよ。誰も頼まないのに授業中に絵描いてたみたいな。ノートにだって、誰かに言われて何かを描くばっかりだと、多分楽しく無いっすよ。
大学の時先生が昇華と消化]みたいな話をしてくれたんですよね。その人はグラフィックデザイナーなんですけど、「①自分のために何かを生み出す[昇華]は新しいことだし開発だから、楽しいし喜びな反面、金は産まない。②仕事はその開発で昇華させたアイディアを[消化]させてくプロセスだから、つまんないけど安定してるし金にはなる。だから…どっちもしろ!」って言ってました。


4今後の決意

あとは、コミッションで生活のために壁画を描いても、なんか別にキャリアアップにならねーなとも思いました。もちろん好きなモチーフを好きな構図で好きなタイミングで描いてるから、ほぼ「昇華」の方なんだけど。
もっと街のパブリックな場所に、自分からアタックします。先に下絵も描いておいて、それでokしてくれる場所を探す、って形で100%の自分発信をキメていきたいな、って思いましたのでした。


ていうか感謝してなかったけど、ここのレストランめっちゃ良いとこっす!美味い!オーナーも、お店のスタッフを親切だしチャーミング。僕を呼んでくれてありがとうございました!

以上です〜。次回はなに描こうかな〜。

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