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新規制作のwebtoonの制作費用を改定した話

始めましての人もそうでない人もこんにちは。
フーモアwebtoon事業部の事業責任者の井本です。

本日LINEマンガの2023年上半期のランキングが公開されました。
webtoonや一般の漫画を含めたランキングです。

推しの子やキングダムなど、言わずと知れた作品が並ぶ中、弊社で作画・着彩を行っている「2周目冒険者は隠しクラス<重力使い>で最強を目指す」が、総合20位にランクインしました。

弊社でwebtoonの取り組みを初めて、2年以上がたったわけですが、まさかこの様なランキングに掲載いただける日が来るとは…嬉しすぎです。
原作者様、ストレートエッジ様、HykeComic様、制作に関わっていただいている全ての方へ感謝申し上げます。

本日のnoteのお題は「webtoon線画作家とお金の話」です。
ちょうど半年前に、同様のテーマでnoteを書いているのですが、最近社内の制作の見直しを行い情報がアップデートされました。

具体的に言うと「一部作家様への発注費用の減額」を行っています。現在の制作作品ではなく、今後の発注費用について調整をいれました。noteとして残すかは迷いましたが、こっそりと前回の記事の数字を書換える対応は、組織としてはしたく無かったので。
※上記の記事内の発注費用について、本日改定しております

フーモアの発注費用について

前回の投稿で公開しました料金表が下記です。

作業内容:1話あたりの金額:RS(印税)
ネーム制作(ネーム、オノマトペ含む):42,000円 (税別)/ 7.14%
線画(キャラクター線画):112,000円(税別)/ 28.56%
着色(下塗り):30,000円(税別)/ RS契約なし
着色(本着彩):50,000円(税別)/ 3.62%
着色(仕上げ):50,000円(税別)/ 3.62%
背景制作:40,000円(税別)/ 7.14%
※上記の料率はフーモアに入金される金額を100%とした料率です。
※企画内容や実績など、発注費用やRSの比率が変動することがあります。
※MG(ミニマムギャランティ)契約の場合は、作品がリクープ後に印税支払いとなります。
※作画ボリュームが多いなど状況によって費用調整

前回記事より引用

新規で更新した料金表が下記です。
今、新しく声がけをする作家様には下記の条件で連絡をしております。

作業内容:1話あたりの金額:RS(印税)
ネーム制作(ネーム、オノマトペ含む):35,000円 (税別)(-7,000円) / 7.14%
線画(キャラクター線画):100,000円(税別)(-12,000円) / 28.56%
着色(下塗り):25,000円(税別)(-5,000円) / RS契約なし
着色(本着彩):40,000円(税別)(-10,000円) / 3.62%
着色(仕上げ):40,000円(税別)(-10,000円) / 3.62%
背景制作:40,000円(税別)/ 7.14%
※上記の料率はフーモアに入金される金額を100%とした料率です。
※企画内容や実績など、発注費用やRSの比率が変動することがあります。
※MG(ミニマムギャランティ)契約の場合は、作品がリクープ後に印税支払いとなります。
※作画ボリュームが多いなど状況によって費用調整

作品の企画によって、上振れすることもありますしリクープ条件(制作費用の回収をもってRS発生)がある作品などがあります。

ざっくりと言いますと、ネーム制作費用を1話あたり7000円の減額、線画を12000円の減額をしております。着色工程もそれぞれ5000~10000円の減額をしています。
作家様からしたら、減額ということは自分達の作業が軽んじられているといった意見をもらいそうですが、何も言わずに金額表のみ更新をすることの方が不義理かとおもったのでnoteで公開をしています。ご理解いただけると幸いです。

大事なことなので、強調しますが新規の相談についてのみ改定した料金表で相談をしております。既に制作を行っているものについては、従来の契約条件に基づきお支払いをしております。

費用を更新した理由について

料金表を更新した理由について、様々あるのですが大きく分類して3つです。

1.作家様へのRSの発生率が増えてきた

前提として一番大事なことが、もともとの発注費用をどのように決めているかを解説できればと思います。

弊社ではwebtoonの事業を始めるときに、新規のエンタメとして考えており未来に対しての投資として考えておりました。
もちろん市場としてwebtoonの拡がりを見た上で参入をしておりましたが、
何1つ実績の無い状況だったため作家様への支払いについても、RS(印税)のお支払が発生するかどうかについて見極めが難しい状況でした。

そのため、作家様への依頼費用についてはRS(印税)が発生をしなかったとしても、ある一定のお支払を確約できる金額として設定をしておりました。
弊社の新規事業における、RS(印税)発生の有無によるリスクを作家様に負わせずに弊社で補完をする形で発注費用を算定しておりました。

線画作家様であれば、1話12万円の4週のため48万円。週刊連載にあたり、他のお仕事を受けずに本制作に集中をしていただける費用として設定をしておりました。ネーム作家様であれば、1話4.2万円で週間連載であれば16.8万円。2作品の制作を行えば33.6万円といった形で、考えておりました。

現在、多くの作品を公開させていただき、作品差はもちろんありますが、ユーザに評価をいただきました形として、作品に関わったそれぞれの工程の作家様にRSのお支払を行うことができました。

フーモアとしても、作家様へのRS(印税)について「発生しない可能性が高い」収入から、しっかりと期待ができる収入に変化することができ新しいステージへの移行を感じております。
そのため、弊社の制作に関わっていただく際に、発注費用にたいして作品が売れた場合のRS(印税)に期待値を持っていただき、お仕事を一緒にしていただけるかどうかの判断材料にしていただければと思います。

契約時に、印税契約が不要と思われる作家様については、原稿料を上乗せしてお支払をさせていただきます。

2.安定進行のためのアシスタント配置について

線画作家様について、弊社ではイラストレータ様に依頼をするケースが増えております。
今までは、アシスタント配置を行った場合の費用について、基本的に弊社にて負担をさせていただくことで作品の進行の安定化を計っておりましたが、制作の安定化のためにもアシスタントの配置を標準としてプロジェクト進行をすることが増えておるため、今回の費用改定を行っております。

アシスタント配置なしで安定して進行が出来た場合に、制作費用の見直しを作家様と会話する形とさせていただきます。

3.制作監修体制ができた

当初のネーム制作や着色作業について、作家様と二人三脚で手探りの中進行しておりました。現在、40本近い制作をおこなった結果、制作に対しての社内のノウハウが増え、初めてチャレンジをしたい作家様に対して、ノウハウを共有し育成を行う環境ができました。

そのため、役割として従来の制作進行と比較して、弊社側から作家様に価値を与え安定した進行の実現ができるようなったため、本費用改定を行いました。

また、今まではほぼ無かったのですが、webtoonの作家として週刊連載の経験実績をお持ちの作家様については、個別に費用の見直しなどを会話する形とさせていただきます。

まとめ

フーモアでwebtoonの事業部を立ち上げた当時、実績もノウハウもない状態で多くの作家様に協力をいただき、一緒にノウハウを積み上げていった結果、作品としても良い評価をいただくことができました。本当に全ての関係者様へ感謝の気持ちはつきません。

LINEマンガ様ので上半期ランキング入りのニュースをみて、あらためて作品作りについて、1人でも多くの方に楽しんでいただける作品作りをしていきたいと思いました。

そんな中で発注費用の見直しという、あまり良い内容でない発信でございます。色々ご意見があるかと思いますが、2年前に比べて本当に作家様が安心して執筆作業をできる環境の構築ができております。また、作品トレンドをしっかりとおさえ、ヒット率の高い作品制作ができているかと思います。

理想としては「フーモアさんはヒットメーカーだから、作品が売れる可能性が高いので一緒にやりたい」と指名をいただけるポジションを目指したいと思っています。まだ、全然道半ばではございますが、最高のチームで頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

最後にいつもの弊社募集です!
本記事で興味を持ってくださった方、以下よりご応募ください!

■弊社募集

◎制作アシスタント
 各工程における制作アシスタント業務になります。
 ・ネーム(絵コンテ)担当
 ・背景線画担当
 ・着彩担当
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◎アートディレクター(作画監修)
 Webtoonのクオリティ管理と作画監修業務になります。
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◎ディレクター
 Webtoonの制作進行管理と品質管理になります。
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■問い合わせはこちら
 株式会社フーモア 担当:井本洋平
 TEL/03-6228-4310 MAIL/info@whomor.com

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