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イレブンとかいう名作サッカー漫画

サッカー漫画といえば!?

キャプテン翼!

ボールは友達!

ノンノン。

違う。違う。

イレブン

イレブン

イレブン

朕的にはサッカー漫画といえばイレブン。

イレブンもキャプテン翼と同じくジャンプコミックスである。

キャプテン翼ももう40年前の漫画(!?)なので、拭いきれない古臭さがある。

しかし、イレブンは表紙の時点でキャプテン翼より大幅に芋臭い。
連載開始がキャプテン翼より後なのに、そうとは思えない古臭さである。

まず主人公の顔がじゃがいもみたいである。
そして顔のパーツも髪型も芋、スタイルも芋なので、もう全体が芋である。

作者の名前の時点でも芋いものがある。
原作 七三太郎て・・・。
絶対芋やん(すみません)。

ストーリーも派手じゃない。

キャプテン翼では、主人公の大空翼(爽やかな名前だ)が幼少期に歩いていたところをトラックに轢かれる事故に合うものの、抱えていたボールがバインバイーンとなることによって奇跡的に助かり、いつでもボールと一緒にいてサッカーをするサッカー大好き少年だ。

そして小さい頃からオーバーヘッドキックをやったり、山の上からはるか遠くにあるライバルの家にサッカーボールを打ち込む(さらに相手はそれをキャッチする)という凄まじいエピソードがあふれている。

イレブンの主人公は青葉茂(芋ネームだ)だが、高校生になるまでは陸上部に入っており、サッカーをしなかった。
サッカーに興味があったにも関わらずにだ。

なぜか?

プロサッカー選手であった亡き父親による「サッカーをするならば、中学生までは脚力を鍛えるべきである」という堅実すぎる言いつけを守り、中学時代は陸上で脚を鍛えていたのだった。

渋すぎるよ、堅実すぎるよ。

キャプテン翼の「トラックに轢かれたけどサッカーボールで助かった!ボールはともだち!」というファンタジー的ストーリーは、子供をワクワクさせる。

子供に大事なのは理屈じゃない。

胸がワクワクする事が大事だし、そういう気持ちがうまくなりたいという意志を生み出し、練習に繋がる。

しかし、イレブンにはそんなものはいらない。
陸上部で脚力を鍛えよ、なのだ。

イレブンの世界でトラックに轢かれたなら、ボールを持っていたところで無傷で済むわけがない。
そこから数巻はリハビリ編になるであろう。

ストーリーにも違いが出る。

キャプテン翼の大空翼は小学生の時点で全国優勝する。
中学時には国内最高レベルの選手になって、ブラジル留学も視野に入れる。
基本的に第一線の選手だ。
サッカーが大好きだし、サッカーに愛されているのだ。

イレブンの青葉茂も弱いわけではない。

親の遺言の甲斐もあって脚力には並外れた強みがあり、走る速さもシュートの速さも凄まじいものがある。

経験が浅いにも関わらず、将来性に期待という監督の一存ではあるものの高校選抜強化合宿の参加選手に選出される。

しかし、皆が認めて入ったようなものではなく、メンバーからは「何であんな下手くそがいるんだ?」みたいな扱いであり、馬鹿にされたりする。

でも、そこをなんとか食いついて、少しづつ他のメンバーからボールを取れるようになったり、喧嘩をしたり仲直りをしてうまくなっていく。

必殺シュートを続々開発!ライバルを蹴散らしていく!っていう感じじゃない。
バカにされて、食いついて、認めさせて。
かなり泥臭い感じなのだ。

高校時には青葉茂も大空翼のようにブラジルに行くのだけれど、それもキャプテン翼とはテイストが違う。

まず、大空翼と違い、トッププレーヤーとして期待を背負っていくというわけじゃない。
どちらかといえば自分の決断と行動力で行うものであり、旅路も大変だったりする。

現地の普通の子供のサッカーテクニックの上手さを知って自分の実力との差を知って愕然として、国際的なレベルの差を目のあたりにしたり。

現地の不衛生な食事(虫ついてる食事、食堂の客全員が回し飲みする水)に愕然とするも、一緒にいてくれた現地人の友人に気を使って笑顔で食べたり。

山を登る際に高山病に耐えるために現地民のようにコカの葉(コカインの原料)を噛みながら、ゼエゼエ言いながら山を登ったり。

そして、同じサッカークラブの連中からはやっぱり「下手くそめ」と馬鹿にされたり。そこから徐々に見返していくんだけども。

そのブラジルでの練習や活躍の後には、日本に戻って日本のプロクラブに入団する。

そこではそれまでのプレーの影響で身体を故障していたのもあって、決して強くはない北海道のサッカークラブに入る。
弱小クラブなので予算や設備も潤沢ではなく、雪かきなんかもしながら仲間と練習して。
プロサッカー選手編での最終結果も優勝ではなく五位。

物語のラストであるワールトカップ編でも優勝はせず。

確かに並のサッカー少年よりは上手いのだけれど、でも常に1位を取れるわけじゃないのだ。
というか、大体は1位取れてない。

こんな感じで、とにかく渋い。

文化漫画というか、ヒューマンドラマというか、文化的背景を配慮したり細かい気遣いをしたりと一々芸が細かいし、少年を対象にしている漫画とは思えない渋さがある。

こんな漫画、朕の世代なら普通読まないんですけど、朕の場合はおとんが持ってたので読んでました。

今と違って読みたい漫画をいつでもスマホで読める時代とは違います。
大の漫画好きの朕、漫画があればとにかく読みたかったのです。

もしおとんがキャプテン翼を持っていたなら、イレブンを読まなかったでしょう。
こんなのじゃがいもじゃん、と。

ただ、おとんがイレブンを持っていたのが運の尽きでした。

イレブンを読んでしまうと、キャプテン翼のようなファンタジーシュートが出るサッカー漫画はなんか違う感じがしてしまうのです。
(逆にキャプテン翼を読んだらどんな気持ちになるか気になるところもあるけれど)

そんなマイナー漫画であるイレブンの話をできた人は今までに一人だけです。

その一人とは、高校時代の同級生でした。
そんな彼はサッカー部ではありませんでしたが、サッカーユースチームのレギュラーメンバーでした。
プロクラブチーム直属の下部組織ですので、入るだけで凄いし、レギュラーってのは更に凄い(みたい)です。

そんなサッカー激ウマの彼が「キャプテン翼よりイレブンのほうが良い」と言っていたので、朕がイレブンを読んでいたのも悪い気がしなかったものです。

ネイマールやイニエスタなどの海外の有名サッカー選手にも多くのファンが居るキャプテン翼と比べたら、イレブンの知名度は比べ物にならないほど小さいというか、海外で言えば知名度全くないと思います。
ですが、イレブンも地味に名作だと思っています。

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