上野毛のクリニックで

ピンチヒッターで、急きょ上野毛のクリニックの先生取材に出掛けた。連絡があったのは一昨日の晩、担当していた彼女の父君の具合が悪くなったから実家に帰らなくてはならないと、代わりに行ってほしいと言うのだ。取材内容やコンセプトもあやふやなまま、引き受けた。近いし、断る理由はない。整形外科医の話は興味がある。ただ、いつものような疾病啓蒙記事ではなくて、クリニックの広告という感じだから、あまり面白くはない。実はこの手のケースが、一番難しいのだ。あからさまな宣伝は法律に触れる、かといって「せんせいさま」は十分に前面に出さないといけない。
私がいつも関わっているケースはバックに製薬メーカー、あるいは医療機器メーカーがいて、結局はそのメーカーの宣伝になるのだが、あくまでもドクターの口を借りた病気の話、健康の話が中心になる。まさに医療ライターのお仕事になる。今日のようなケースは、必ずクリニック専属の代理店のような人が存在していて、その担当者がかなり大きな力を持っているのだ。しかも彼らは、100%クリニックの宣伝をしてもらいたい。書いてはいけない法律なんぞ、知ったことではない。とにかくそのクリニックを褒め、先生を持ち上げて、新聞を読む人の目にとまる広告にしてもらいたいのだ。
いろんな思いをグッと飲み込んで、若手医師の熱の籠もった話を聞いた。聴いて聴いて・・・、あとは、それを好きにまとめればいい・・・。考えようによっちゃラクかも、たまにはこういう仕事も悪くないかもしれない。


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