預けたロッカーがみつからない

わが家に一泊予定の妹と新宿駅で待ち合わせ。義理もあって、東京タワーの隣の高層ホテルで行われた、藪中三十二氏の講演会と立食パーティとやらに参加する。妹はけっこうな荷物を抱えていたから、コインロッカーを探したけれど、どこも赤ランプばかり。諦めかけていたら、都営大江戸線の改札口に降りるエスカレーターのうえから、ひとつだけ赤がついていないボックスを見つけた。遠くはわりとよく見える。しかも、今風のスマホで操作するのではなく、一昔前のタイプだ。ラッキーとばかり荷物を入れ込んだ。
いちどゆっくり芝公園や増上寺辺りを散策したいと思っていたので、ちょうどいい。講演がはじまる前に、散策することに。「東京タワーって、こんなにちゃちだったっけ」「ボーリング場やレストランはどこに行ったのかしら」と、さんざん好きなことをいいながら、人の流れについて、増上寺の子育て地蔵群や徳川家代々の墓所を見学した。妹も私もすっかりお上りさんだ。外国人観光客があちこちでスマホ撮影をしまくっている。
混み合っていたのはここだけではない。講演会も食事も、会場は人・人・人。並んでまでもしっかり食べるぞ!という意欲もないから、ローストビーフと寿司、デザートだけをかき込んだだけで、早々に退出した。その後が大騒ぎ・・・。夕方の新宿は人出が半端じゃない。深谷の住人で、しかも目が悪い妹は、私の腕をギュッとつかんではなさない。「ロッカーどこだっか覚えていない」と不安がる妹に、「大丈夫、わかるから」と自信を持って応えたのに、思い込んでいた場所にロッカーが存在しないのだ。何度も何度も階段を降りたり上ったりしてやり直し、やっと見つけた。それも思い込んでいた場所からはほど遠いところに・・・。狐につままれたようだ。まったく記憶は当てにならない。無駄に疲れた。

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