ちょこっとだけ来た息子

「明日の昼あいてますか~」
大阪の息子からのメールに朝になって気付いた。そうか、東京出張なんだなあ。「いますよ~」と返事を送りながら、一日中寝ていようと思っていたのを取り消した。今のわが家からもっと多摩川に近い所に住んでいた頃から、息子たちが大好きだった地元のパン屋さんに急ぐ。早い時間に行かないと売り切れてしまう。焼きそばパンやウインナー、テリヤキバーガー・・・、あの頃のように、惣菜パンを山ほど買い込んだ。
「6時から高円寺で舞台を見なくちゃいけないから、昼過ぎになるよ」
「舞台が撥ねたあとで食事だから、ごはんいらない」
そう言ってはいたけれど、懐かしいパンを見ればどうしても手が伸びる。それぞれを半分に、3分の一に切って、おやつ代りのつまみ食いだ。
ここのところ、息子のお気に入りのホテルは大井町にある。東京のホテルは想像以上に値上がりしていて、朝食付きで19000円以内という規定の中におさまるホテルを見つけるのが大変なんだそう。山形、8000円だったけど・・・だいぶ違うもんだ。
昨晩遅い時間に東京入りし、午前中にサウナでたっぷり汗を流してから、息子はわが家にやってきた。40台半ば、だいぶ腹も出てきた、おっさんだ。
中間管理職の彼、サラリーマンの悩みは尽きない。上層部のお偉いさんたちとの、どうにも埋められない考え方のギャップに苦労しているようだ。「また東京に異動したいよ」とこぼして、あっという間に帰っていった。

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