静かなご近所

ゴールデンウイークに突入しているが、ご近所は今日も静かだ。
男の子が4人いるお向かいのお宅だけ、朝からパパの大きな声が響き渡っていた。小5と小2の上の子2人が朝からサッカーのようで、しかも、行く先は別々、自転車で送り出す際のバタバタの様子は、見なくても想像できる。ガテン系の旦那は声が大きい。ときおりママの名前も「おーい」「おーい」と呼ぶ。子どもが5人いるみたいで、微笑ましい限りだ。
もうすぐ2歳になる末の子を、前に背中に抱えて動き回る小柄なママは、いつみてもどっしり構えていて、頼もしい。昭和の子育てを思わせるほのぼのとしたお向かいさん一家だが、でも、少子化の昨今、ご近所からうるさいとクレームが来ているのだそう。同じように小さな子がいる家も二軒あるが、どちらも共働きで毎日保育園行きだから、たまに泣き声が聞える程度で、静かなかなもんだ。休みのはずの今日、何の音も聞えてこない。
この一角、後は高齢者ばかり、子だくさんのお向かいさんにいったいだれがクレームを入れるのだろうか…。
天気予報通りの高温で、今日は朝から家中の窓を開け放っている。だから、ご近所の生活音はよーく聞えてくるはず。でも、静かだ。
一日中ラジオをつけっぱなしでPCに向かい、宿題のようにキーボードを打っているわが家の音は、きっと裏にもお隣にも聞えているに違いない。いや、右隣のお宅の前には朝、息子さんの青い車が止まっていたから、きっとお出かけだ。左隣のおひとりさま爺さんちは、変わらず音も立てない。その向こうのおひとりさまも、角のご夫婦も、今日も静かに過ごしている。原稿書きに飽きてきた私、ちょっと妄想してみる。

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