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【Hyper Light Drifter 紹介 分析】放浪者としての観察力が戦いを楽しみにするアクションRPG

Hyper Light Drifterは美しい。以上だ。

という茶番はさておき。


今回はHyper Light Drifterの面白さを分析、紹介しよう。すでに日本語版がSteam、PS4、Xbox Oneで発売している。さらに日本でのswitch版の移植予定が発表された。(記事執筆時点での発売日は未定だ)
https://s.famitsu.com/news/201803/21154056.html

美しいピクセルアート、会話やアイテムの名前、UIの数字すら文字情報のない抽象的な世界観、雑魚戦でも油断できない骨太さが特徴のアクションRPGだ。
美しさに関してはもう2分のトレイラーを見たほうが早いだろう。

本作はぶらぶら歩いても景色を楽しめるが今回はすこし踏み込んでこのゲームが美しい世界に対して観察するという能動性にフォーカスしたゲームでもあるという点に触れたい。

◯観察しないと勝てない難敵

プレイヤーの初期操作は近くの敵を攻撃する光の剣、その剣で敵や箱などを壊すと残弾が増える銃、攻撃の回避や溝の向こうへ移動するのに使うダッシュだ。本作の敵はザコですら油断ができない、狭い場所に敵が沢山現れたり、
溝のむこうから一方的に銃を撃ってくるなど適当に剣を振り回しても袋叩きにあう。

離れた足場とバリケード越しに銃弾を浴びせられるの図

敵に遭遇した時、敵は攻撃後どのくらいスキをさらすか?障害物で銃撃から身を守れないかといった判断が求められる。ときには敵を崖に落としたり、走り回って散り散りになったところを各個撃破する。

それでも初期の攻撃方法や回復アイテムの最大ストックだけでは頼りない。
本作では敵を倒してもレベルが上がって強化されたり、宝箱から武器が出てこない。そこで黄色く光るギアビットというアイテムを集めて街へ持っていくと
囲まれても窮地を脱する爆弾や新しい剣技に回復アイテムの最大所持数増加といった強化をできる。
ギアビットはボスや中ボスクラスの敵を倒したりダンジョンの探索でも手に入るがなんとなくダンジョンを回ってもそれほど多くは見つからなかったり、
一見するといけないような場所に置かれていたりする。

4つでワンセットなのでぼーっとしていると強化に必要な分がなかなか集まらない。そこで抜け道や回り道がないか観察することになる

◯アイテムを手に入れるカギは観察力
ギアビットはある目印から辿れる隠し通路の先にあったり、思わず見逃すような細い道、物陰から入り込んだりするところに多い。
不思議と慣れてくるとここに隠してそうだな、ここが通れそうだなといったコツが掴めてくる。
各ダンジョンにはワープポイントがいくつかありボスを倒さなくても一段落したところで強化してまたダンジョンに挑むこともできる。
そうしてあちこちを回っていくうちに体力回復に余裕が持てるようになりスタイリッシュな技で敵を倒していけるようになる。
この観察はギアビットの他に回復アイテムの取得や物語の謎を追う鍵などを見つけるのにも役立つ。

物陰とガイコツの後に緑の回復アイテムが

◯まとめ

ギアビットの取得は必須ではないし、回復アイテムはある程度は散らばっていて、直接の攻略に関係のないコレクトアイテムも多い。だが美しい背景のなかでさらに眼を光らせればよりこのゲームを楽しめるはずだ。

本作はゼルダのようにアイテムや知恵によって探索範囲が広がったり
悪魔城ドラキュラのように敵を倒して強くなるわけでない。
しかし観察という誰もが持ち得る能力と主体性によってより深いところまで探索したいと思わせるデザインになっていると考える。

訪れた先の美しい景観による受動的な感動に加えて能動的な観察によってプレイヤーに報酬を与える。単なるアートにとどまらない放浪者としての体験を味わえる作品といえるだろう。



そう、だから強化で手に入れた連続ダッシュのミニゲームにハマって延々と室内でグルグルと走り回るのは本当にもったいないことなんだよ……

(一定回数をこなすと実績や報酬が手に入るが相当な回数が必要とされる)

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