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2023年度政府総予算案に対する反対討論 日本共産党 (怒りの)田村智子参議院議員

みなさん、こんにちは。
大変お久しぶりです。

今日は、YouTubeでタムトモさん政府予算案に対する反対討論を視聴したのですが、とてもよかった。感動しました。ので久しぶりに文字起こしです。

 いや、タムトモさんは至極当たり前のことを言っているだけなのに、安倍菅岸田政治があまりにもひどすぎて、厚い黒雲のわずかの隙間から差し込む強く温かい光のように感じてしまいました。

ぜひ、文字を追いながらタムトモさんの怒りの質問をお聞きください!

 私は日本共産党を代表し、2023年度予算3案に対し反対の討論を行います。本予算案は、専守防衛を投げ捨てた、「敵基地攻撃能力の保有」5年間で43兆円もの大軍拡を進めるものです。

 防衛関連予算軍事費はプラス89.4%4.8兆円も増額し、その一方で社会保障は、自然増による必要額を1,500億円も抑え込む、中小企業対策も、農業支援である食料安定供給も、マイナスとするなど、国民を犠牲にし大軍拡に突き進む戦後最悪の予算であり断固として反対するものです。

第一に、敵基地攻撃能力の保有は憲法に反します。

 岸田政権は「他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地を叩くということは法理的には自衛の範囲に含まれる」と、従来の政府答弁の一部を切り取り、憲法の範囲内だと強弁していますが、国民へのごまかしにほかなりません。

「他に全然方法がない」とは、「国連の援助もなく、安保条約もないような場合」であり、このような事態は、

「今日においては現実の問題としては起こりがたい。こういう仮定の事態を想定してその危険があるからといって平生から他国を攻撃するような攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところではない。」

これが歴代政権の政府答弁です。

 憲法9条2項が保有を禁ずる戦力についても「他国の領域に対して直接脅威を与えるものは禁止されている」としICBM・中距離誘導弾などを日本が持つことのできない武器だと明示してきました。

 岸田政権が導入しようという長射程ミサイル超音速誘導弾は、射程距離3,000キロと言われており沖縄に配備した場合、日本近隣諸国の主要都市を全て射程に捉えます。

これが「他国の領域に攻撃的な脅威を与える兵器」でなくて何なのでしょうか?

 憲法解釈との整合性について、総理は説明ができず運用上の問題と答弁しました。政府の言う運用とは、安保法制によって集団的自衛権を認めた武力行使3要件です。

日本が攻撃をされていなくとも、在日米軍が日本周辺で軍事行動を起こしたとき、我が国の存立危機事態として米軍の相手国への適地攻撃がありうる。

 そしてこの場合の必要最小限の武力行使とは、米軍への攻撃を排除するまで。つまりは米軍が勝利するまでということになりかねません。

 これら運用についても総理はまともに答弁ができず、「個別具体的な状況で判断する」と開き直りました。ひとたび他国の領域を攻撃できる兵器を持てば、その運用は時の権力に委ねられるというのでしょうか?

 「二度と再び政府の恣意的な判断によって戦争を起こさない」ために憲法があり、歴代政権は慎重に憲法9条の解釈を引き継いできました。これさえ投げ捨てることはあまりにも乱暴な立憲主義の蹂躙というほかありません。

第二に、日本をアメリカの戦争に巻き込み、日本に戦禍をもたらす道だということです。

 安保3文書が明記する「IAMD統合防空ミサイル防衛」は、中国との覇権を争う米国のミサイル戦略に日本を融合させるものです。

 岸田総理は日本独自の運用だと言いますが、米軍は「インド太平洋軍のIAMD能力の拡大」「同盟国などとの一体的な運用」の重要性を強調しています。しかも、米国の戦略は、躊躇なく先制攻撃を行うことであり、日本の安全保障どころかアメリカの戦争に巻き込まれると言わなければなりません。

 日本が集団的自衛権を行使し、敵基地攻撃を行った後、相手国からの武力攻撃を受ける危険性について浜田防衛大臣は、「大規模な被害が生じる可能性がある」と認めました。すでに防衛省は日本国内の戦闘に備えて、全国300カ所の自衛隊基地を生物、化学、核攻撃にも耐えられるよう地下シェルター化する計画を持ち、昨年12月からゼネコン関係者を集めた会合まで行っています。

 今、石垣島など南西諸島では「自衛隊基地に、「他国領土を攻撃するミサイル」が配備されれば、島に戦禍が及ぶ。この島に住み続けることができるのか?」と悲痛な声が上がっています。

 加えて、佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備の強行、広島湾での自衛隊と米軍の共同訓練など民間港湾の軍事利用、また、殺傷能力のある武器輸出も狙われています。このような「戦争国家」づくりを断じて認めることはできません。

敵基地攻撃能力の保有、安保3文書の撤回を強く求めるものです。


 我が党は平和の対案を提起してきました。米国、中国、ロシア、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドとASEAN10カ国の首脳会議、「東アジアサミット」は、毎年開催されています。これも活用して、米中双方に、軍事的緊張を高める行動をやめるよう働きかける。ロシアのウクライナ侵略も「国連憲章違反を許すな」の1点で共同を拡げることこそ求められます。

 価値観や国の体制の違いで分断・対立するのではなく、ASEANと協力し、東アジア全体を平和と安定の地域にする「外交努力」を行うことこそ、日本が果たすべき役割です。

第3に、5年間で43兆円もの軍事費は、暮らしを犠牲にし、日本経済を危機に陥れる、「亡国の道」です。

 復興特別税を軍事費に転用し、医療体制の強化に充てるべき国立病院機構と地域医療機能推進機構の積立金を大軍拡に流用することは、断じて許されません。コロナ危機の教訓を踏まえ、医師・看護師の処遇改善と体制強化こそ進めるべきです。

物価高騰への対策も部分的一時的であり、暮らしそっちのけと言わなければなりません。「物価高騰に負けない賃上げ」には、中小企業への思い切った支援と一体に、「全国一律最低賃金1500円」の実現こそ必要です。

消費税減税、インボイス中止は言うまでもありません。

 異次元と言いながら、少子化対策を「本予算に盛り込まず予算審議が終わってから叩き台を示す」というのはあまりに遅く国会軽視です。

「子ども医療費と学校給食の無償化」を国の責任で行い、「大学授業料の半額」など教育費の負担軽減、奨学金返済の思い切った減額措置、非正規雇用を増やした政治の反省に立って、正規雇用を原則とする新たな雇用のルールを作るなど、一日も早く進めるべきです。

 また、原発の新増設、老朽原発の延命と再稼働は、福島の原発事故への反省を無き物にし、「新たな安全神話」で国民の命と安全を脅かす愚策であり、撤回を求めます。

 地域分散型の、再エネと省エネに集中的な投資を行い、エネルギー100%自給を目指すべきです。

 農業の危機への無策も許されません。牛を殺すためではなく牛を生かし酪農に希望が持てる予算こそ必要です。せめて輸入飼料・肥料の価格高騰分を全額補填し、基幹産業にふさわしい支援策を講ずることを強く求めるものです。

 総務省の行政文書によって、安倍政権が放送法の解釈に介入し、2016年政府が番組の政治的公平性を判断でき、停波も可能とする政府統一見解が作られたことが明らかとなりました。

 放送法第1条は、「放送の自立を保障することによって放送による表現の自由を確保する」としています。放送法は、ラジオ放送を利用して大本営発表を国民に広げ、侵略戦争を推し進めた痛切な反省に立ち、政府など公権力の放送への介入・干渉を禁止するために作られました。

 政権批判の番組を、偏向しているとして、官邸主導で政府統一見解が作られたことは、憲法21条「表現の自由」を侵害するものです。政府統一見解の撤回と真相究明を求めるものです。

 安倍政権を引き継ぐ岸田政権が民主主義の根幹を踏みにじり、大軍拡に突き進む今こそ、立憲主義の回復、戦争国家づくりを止めるため、市民と野党の共闘の再構築に全力を尽くすことを決意し、反対討論を終わります
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 いかがでしたか?
 この間の岸田政権の無為無策ぶり、科学に基づかない「成り行き任せ」の政治を総括する素晴らしい質問だなぁと思いました。

 今回、この「命と暮らしを削って大軍拡予算」が成立したことについて私たちは重く受け止めなければなりません。

 安倍政権以降数の力でどんな悪法も通せてしまう日本を作り上げたのは私たち国民です。

 それは単に投票に行かなかったというだけでなく、政府が国会を軽視している状況を多くの人が気にも留めなかったこと、公文書改ざんを行うなど立憲主義をないがしろにしていることに、日本全体が危機感を持てないほどの状態に陥っていることに怖さを感じています。

野党はいまどのように行動すべきなのか真摯に考えてほしいと思います。

  1. 絶対に戦争にならないための確実な手段を講じること

  2. 日本に生活するすべての人の命と暮らし、人権を保障すること

  3. この目的を第一義的に実現することを優先して市民と野党が共闘すること

が強く求められていると思います。

誰のための政治を行うか。

これが各政党に問われている情勢だと私は思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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